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荷主東京インキは24日、オフセットインキと関連製品について、2026年6月1日出荷分から価格改定を実施すると発表した。値上げ幅はオフ輪インキや油性枚葉インキ、UVインキ、新聞インキで20%以上、中間色や特練インキなど一部製品は30%以上とする。 顔料や樹脂、溶剤など主要原材料の需給逼迫と価格上昇に加え、中東情勢の緊迫化に伴う原油・ナフサ価格の高騰が、原材料コストを押し上げている。輸送費や容器費用など物流関連コストの上昇も重なり、製造コスト全体が増加している。 同社はコスト削減や原材料確保の努力を続けてきたが、現状は自助努力で吸収できる水準を超えたと判断した。今後の原料市況や供給環境によっては、追加の価格改定や出荷スケジュールの調整の可能性も示している。 印刷インキは包装資材や物流ラベルなどにも広く使用されており、サプライチェーン全体のコスト上昇要因となる可能性がある。物流分野でも資材費の上
ロジスティクスインドネシアのプルバヤ・ユディ・サデワ財務相は22日、ジャカルタで開かれた国有インフラ金融会社の主催シンポジウムで、マラッカ海峡を通過する船舶への通航料徴収を検討すべきだとの考えを示した。ホルムズ海峡で通行料徴収の制度化を進めるイランの動きを引き合いに出し、インドネシア・マレーシア・シンガポールで徴収額を分け合えば「相当な額になる」と述べた発言に対し、シンガポール外相が同日、通航料構想を認めない立場を表明。マレーシア運輸相も前日時点で航行の自由と通過の自由の維持を強調しており、沿岸3国のうちシンガポールとマレーシアは構想と距離を置いた。ホルムズ海峡で通行料制度化が進むなか、マラッカ海峡でも類似の発言が出たが、沿岸3国で足並みはそろわなかった。(編集長・赤澤裕介) インドネシア財相、マラッカ課金論に言及 プルバヤ財相の発言は、財務省傘下の国有インフラ金融会社PT サラナ・ムルテ
調査・データ自動車車体整備業界の有志団体は20日、補修用塗料やシンナーの供給不足に関する緊急調査の結果を公表した。全国47都道府県の306社から回答を得たもので、99.3%の事業者が仕入れ制限を受けていると回答し、現場レベルでの供給ひっ迫が全国的に広がっている実態が明らかになった。 調査は中東情勢の悪化に伴う原材料の供給不安を背景に実施された。政府はナフサ供給について「総量は足りており一時的な目詰まり」との見解を示しているが、現場では「材料そのものが入手できない」とする声が相次いでいる。塗料やシンナーだけでなく、テープや研磨材など周辺資材にも不足が波及しており、修理工程全体に影響が及んでいる。 供給制限の影響については、97.7%が生産性低下や売上減少への影響を認識しており、事業継続に対する危機感が強まっている。自由記述では、販売店段階で在庫が枯渇しているとの指摘が多く、メーカーではなく商
ロジスティクスホルムズ海峡の封鎖と中国の尿素輸出停止が重なるなか、日本のアドブルー供給で液体ではなく容器が先に詰まる異変が起きている。液体そのものはあるが、詰まっているのは容器で、小売形態では市場に出せなくなっている。本誌が複数の製造・販売事業者と運送事業者、業界団体、行政機関に4月16日から20日にかけて取材した結果、この問題の本質は広く語られる「枯渇」ではなく、供給経路の分断にあるとわかった。(編集長・赤澤裕介) アドブルーはディーゼル車の排ガス浄化システムに使う尿素水で、残量が尽きると再始動できなくなる車種が多い。国内の大型・中型トラックの9割近くが依存する物流インフラの消耗品だ。 その詰まりは上流の液体ではなく、下流の小売形態で起きている。国内アドブルー製造・販売事業者の複数が、液体の供給を継続しながらも10L・20LのBIB(バッグインボックス)の新規受注を停止している。本誌が確
荷主ホルムズ海峡封鎖の影響は、ナフサそのものの不足ではなく、ナフサ由来製品の供給制限として広がった。4月に入ると建材メーカーが相次いで新規受注を止め、住設大手も納期未定への切り替えに踏み切り、2月末の封鎖開始から7週間で波及は最終製品まで広がった。この順番は偶然ではない。ナフサから下流へ向かう途中に、在庫が薄い工程と、ほかで置き換えにくい工程が挟まっているからだ。先に詰まった塗料用シンナーの次に控えるのが食品トレーで、その先にタイヤがある。(編集長・赤澤裕介) ナフサは国内需要の6割を輸入に頼り、そのうち74%がホルムズ海峡を経由する。エチレン原料の95%はナフサで、国内のナフサ商業在庫は経産省石油統計ベースで2週間分にとどまる。そこから下流に進むほど在庫は薄くなり、代替の効かない中間工程が残るため、どこで先に詰まるかによって業種ごとの順番が決まる。2月末から4月中旬までに起きたことを見る
話題ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化するなか、日本の産業界は原油やLNG(液化天然ガス)の供給不安にとどまらない、より深い構造的リスクに直面している。ナフサの枯渇が化学産業を止め、その先にある半導体製造を止めかねないという連鎖。輸入額わずか30億円のレアメタルが途絶すれば、1兆円規模の市場が機能不全に陥るという非対称性。そして、こうした依存構造が「見えていない」こと自体が、意思決定の遅延を招き、被害を増幅させている。 LOGISTICS TODAYはホルムズ海峡特集の一環として、グローバルサプライチェーン(SC)のデータハブ「ZENPORT」を提供するZenport(ゼンポート、東京都千代田区)の太田文行代表取締役を招き、この危機が突きつけている問題の根を掘り下げた。(編集長・赤澤裕介) 赤澤: いきなり踏み込んだ質問で恐縮ですが、今回のホルムズ海峡をめぐるSCの混乱、この本質は供給不足
産業・一般米国のトランプ大統領は12日、イランとの核協議が決裂したとして、米海軍がイラン港湾の海上封鎖を日本時間13日23時に始めると表明し、同日23時に発効した。米中央軍(CENTCOM)はペルシャ湾とオマーン湾のイラン港に出入りする船舶を対象とするが、ホルムズ海峡を通ってイラン以外の港に向かう船の航行は妨げない。海峡全体の通航を止める措置ではない。それでも13日の東京市場は原油高と株安、円安が一度に進んだ。国内では建材と塗料、特装車の各社が3月下旬から受注停止と出荷停止を次々に打ち出し、13日にはTOTOがユニットバスの新規受注停止に踏み切り、LIXILも納期や価格に影響が出る可能性を発表した。建材から塗料、住宅設備まで受注停止が連鎖した。(編集長・赤澤裕介) 日本のナフサ輸入は中東産が大半を占める。国産ナフサの民間在庫は平時で約20日分しかなく、国家備蓄の対象ではない。原油は合計で約
産業・一般本誌が3月27日の分析で示した「21中分類への連鎖」は、4月10日時点でどこまで現実化したのか。米イラン停戦の発表を受けて原油先物は1日で16%急落し、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は4月8日に94ドル台を付けた。だが、ナフサ、石化減産、樹脂値上げという現実は戻っていない。3月27日の分析で示した波及は止まっていない。素材高、減産、値上げという形で、まず石化とその周辺から現実化が始まった。一方で政府は、医療供給と重要物資の安定確保に向けた体制整備を4月以降加速させた。本記事は、足元で動きが確認できた4領域で同分析を中間検証する。(編集長・赤澤裕介) 先物が映さない現物の逼迫 原油先物は停戦を織り込んだ。WTIは7日の117ドルから8日の94.41ドルへ1日で23ドル下落し、20年以来最大の日中下落幅を記録した。だが、現物市場は別の景色を見せている。S&Pグロー
ロジスティクス教科書は単なる本ではない。法律が全国の児童生徒への完全供給を発行者に義務づける、日本最大の確定需要である。7日、政府はそのデジタル版を正式な教科書に格上げする学校教育法改正案を閣議決定した。教育のニュースとして広く報じられたが、物流の側から見ると別の論点が浮かぶ。地方の学校に毎日モノを届けてきた配送網が、その採算を支える最後の柱を失おうとしている。(編集長・赤澤裕介) 教科書取扱書店は1998年に4040店あった。それが26年4月時点で2498店まで減った。28年間で38%、年に55店ペースで消えている。出版文化産業振興財団(JPIC)の調査では、書店ゼロの自治体は全国の28.2%、村だけに限れば88.5%にのぼる。大阪の老舗書店経営者は、いま残っている書店の多くが学校や図書館への公共販路を持つとみる。教科書を扱えなくなれば、地方の書店経営は成り立たなくなる構造がある。 理由
サービス・商品食品トレーやカップ麺容器の原料になるポリスチレン(PS)樹脂の在庫が薄い。JPCA(石油化学工業協会)の月次統計から平時出荷ベースで単純計算すると、2か月分しかない。4月中旬以降、PSシートを起点にフィルム類でも値上げが続き、メーカーからは出荷制限や受注制限の通知も出始めた。(編集長・赤澤裕介) JPCAの月次統計によると、2025年12月末時点のPS在庫は8万4000トン、月間出荷は4万1500トンだった。単純計算で2.0か月分になる。石化協が3月17日に示したポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の在庫は国内需要の3.5〜4か月分だが、PSはその半分以下だ。3月時点で示された「4か月分」はPE/PPが中心で、PSの薄さまでは示していなかった。 在庫の薄さは、価格改定の速さにも表れ始めた。食品トレー原料のPS樹脂は、DICが4月1日納入分から1kgあたり100円以上、
荷主ホルムズ海峡の封鎖から5週間。エチレン設備12基のうち6基の減産は続いている。追加停止こそ広がっていないが、不足が解消されたわけではない。(編集長・赤澤裕介) 非中東ルートからの調達は増えたが、中東減少分を埋め切るには至っていない。それでも、追加停止はひとまず広がっていない。 問題は価格だ。日本着のナフサスポット価格は4月3日時点で1トンあたり1190ドル。封鎖前の600ドル台から92%上昇した。不足が続いたまま、調達コストだけが2倍に跳ね上がっている。石油化学工業協会の工藤会長は3月24日、「4月は稼働維持が可能だが、5月以降が焦点だ」と述べた。全く来ない状態は避けられた。だが、不足を抱えたまま2倍のナフサで生産を続ける局面に入っている。 川下では4月1日出荷分から、旭化成がポリエチレン(PE)を1キロ120円以上、東レが合成繊維全品目を緊急値上げし、大型値上げが一斉に始まった。ナフ
ロジスティクス赤澤亮正経済産業相が石油の需要サイド対策を排除しない姿勢を示し、節約要請論が政策論点として浮上してきた。だが、先に要るのは節約の呼びかけではない。限られた燃料を何に、誰に、どう優先配分するのかという設計だ。政府はその骨格をまだ示していない。(編集長・赤澤裕介) 赤澤経産相は3月30日の衆議院予算委員会で、中東情勢の緊迫を受けた石油の需要対策を排除しない姿勢を示した。3月31日の閣議後記者会見では「国民経済に大きな影響がない形で、需要サイドの対策を含め、あらゆる政策オプションを検討していきたい」と述べた。 一方で政府は「現状、我が国の石油需給に影響が生じているという認識は持っていない」との立場を維持する。ただし「足元では一部で供給の偏りや目詰まりが生じている」とも認めた。需給全体は崩れていないが、流通の末端では偏在が起きているというのが4月4日時点の政府認識だ。 石油連盟の木藤
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行政・団体経済産業省と厚生労働省は3月31日、「中東情勢に影響を受ける医薬品・医療機器・医療物資等の確保対策本部」を共同設置し、第1回会合を開いた。本部長は赤澤亮正経産相と上野賢一郎厚労相の2人。高市早苗首相は同日の関係閣僚会議で、透析回路や輸血パックなどナフサ由来の樹脂製医療資材を具体的に挙げ、「国民の命に直結する。万が一にも支障があってはならない」と指示した。前日30日には日本化学工業協会と石油化学工業協会に対し、医療向け素材の優先供給を要請している。ただし要請に強制力はなく、ひっ迫局面では配分は各企業の契約と採算で決まる。(編集長・赤澤裕介) 対策本部が対象に挙げた品目は透析回路、廃液容器、輸血パック、注射器、医療用手袋、エプロンだ。多くが中東産ナフサを原料としてタイやベトナムなどアジアの工場で生産されている。首相はこの点に直接触れ、「アジア諸国との製品供給・サプライチェーン確保の観
行政・団体木原稔官房長官が30日午前の会見で、ナフサ由来の製品在庫と代替調達を合わせた供給余力の内訳を初めて公式に示した。石油化学各社が保有するナフサ原料製品の在庫が国内需要の2か月分、米国・南米からの輸入と国内精製でさらに2か月分を確保できる見通しだという。同じ30日、韓国ではソウル市の指定ゴミ袋の1日販売量が平時の5倍に達し、豪州は燃料税を4月1日から3か月間半減すると発表した。3か国の対応に共通するのは、供給の絶対量より、現場まで本当に届くのか、届かなくなる前に人が動き始めているのかが焦点になっている点だ。(編集長・赤澤裕介) ■今日のポイント ・官房長官がナフサ供給余力の内訳を公表。製品在庫2か月分+代替調達・国内精製2か月分の計4か月分。ただし製品在庫と原料在庫は別で、稼働回復には原料到着が前提 ・韓国ソウル市で指定ゴミ袋の販売が平時の5倍に急増。再生原料で年間需要を上回る供給能
M&A大塚製薬(東京都千代田区)は27日、米国のトランセンド・セラピューティクスを完全子会社化することで合意し、契約を締結したと発表した。米子会社である大塚アメリカを通じて実施し、2026年度第2四半期中の完了を予定する。 取得価額は買収完了時に7億ドル、加えて開発品の売上に応じた条件付き対価として最大5億2500万ドルを支払う可能性があり、総額は最大12億2500万ドルとなる。トランセンドは2021年設立の臨床開発段階にある神経科学領域の企業で、精神・神経疾患に対する迅速作用型治療薬の開発を進めている。主要開発品のTSND-201はPTSD(心的外傷後ストレス障害)を対象とし、25年7月に米FDA(食品医薬品局)からブレークスルーセラピー指定を取得。現在フェーズ3試験の患者登録が進行中だ。 大塚製薬は1970年代より統合失調症や双極性障害、うつ病などの精神・神経領域に注力してきた。今回の
行政・団体ホルムズ海峡の事実上の封鎖から1か月が過ぎた。直近数日で、物流の現場に響く新事実が相次いだ。中国向け安全通航保証の実効性にも疑問符が付き、韓国はナフサ輸出を原則禁止。住宅用断熱材は40%値上げが通知され、石油由来資材のコスト転嫁が内需物流にまで波及し始めた。一方でホルムズを通らないルートの原油が初めて日本に届き、ペルシャ湾待機の日本人船員4人が封鎖後初めて下船した。物流の現場には時間差で3つの波が押し寄せている。(編集長・赤澤裕介) 第1の波は燃料だ。ドバイ原油のスポット価格(5月渡し)は30日午前、1バレル132.40ドルと前週末比12.50ドル上昇した。本誌が28日に報じた通り、ドバイ原油は先週169.75ドルの過去最高値を記録した後、反落と急騰を繰り返している。132ドルは最高値からは下がったが、プラッツ・ドバイ指標はホルムズ通過を要する銘柄についてMOC(マーケット・オン
行政・団体高市早苗総理は29日、X(エックス)で石油製品や医療関連物資の供給状況に言及し、備蓄放出で「日本全体として必要となる量」は確保しているとした一方、バスやトラック、漁業・農業向けの燃料が流通段階で末端まで届いていない事例があると明らかにした。赤澤亮正経済産業相も同日、Xで「政府を挙げて全力対応する」と投稿し、落ち着いた対応を呼びかけた。(編集長・赤澤裕介) 中東情勢を踏まえ、石油製品や、エネルギー源ではない石油関連製品、とりわけ医療関連の物資に関する不安のお声を伺っています。 まず、原油や石油製品については、備蓄の放出により「日本全体として必要となる量」を確保するよう取り組んでいます。… — 高市早苗 (@takaichi_sanae) March 29, 2026 投稿は3つの柱で構成されている。(1)原油・石油製品は備蓄放出で必要量を確保(2)バス・フェリー・トラック運送事業者
行政・団体日本政府が原油先物市場への介入を検討していることが、海外通信社の報道で明らかになった。1兆4000億ドルの外貨準備を原資に、原油先物のショートポジション(売り建て)を構築して価格を押し下げる構想だ。原油高がドル需要を押し上げ円安を加速させている現状に対し、為替介入ではなく原油市場を経由して円を守るという異例のアプローチになる。(編集長・赤澤裕介) 構想の背景には、原油市場と為替市場の連動がある。ホルムズ海峡封鎖で原油が急騰し、日本のエネルギー輸入に必要なドル需要が膨らんだ。ドル買い圧力が円安を加速させ、27日には1ドル=159.9円と160円の心理的節目に迫った。従来の円買い介入では、ドル需要の根本原因である原油高を止められない。そこで原油先物市場に直接介入し、価格を抑えることで間接的に円を支えるという発想が浮上した。 片山さつき財務相は24日、原油先物市場の投機的動きが為替に影
国際イラン革命防衛隊(IRGC)がホルムズ海峡に設けた通行管理体制が、議会での法制化に向かっている。海外海運情報サービスによると、13日から25日にかけて26隻がIRGCの審査を経て通過し、少なくとも2隻が人民元で通行料を支払った。1隻あたり最大200万ドルに達するとの報告がある。戦時の封鎖対応として始まった管理が、恒常的な制度に移行する兆しが出ている。(編集長・赤澤裕介) IRGCの通行管理は、従来の自由航行とは性質が異なる。通過を希望する船舶は、IRGCが承認した仲介業者を通じて船舶所有者、積荷、乗組員名簿、仕向け地などを事前に提出する。IRGCが制裁対象との関連や積荷の種類を審査し、承認された場合のみ認証コードと航行指示が発行される。航路も制限される。通常の2車線ルートではなく、イラン領海内のゲシュム島とラーラク島の間を通る指定ルートを、IRGC艦艇の護衛のもとで航行する。石油貨物が
メディカルホルムズ海峡の封鎖から4週間。エチレン減産の影響が、最も時間的猶予のない現場に迫っている。人工透析だ。国内で透析治療を受けている患者は33万7414人(2024年末、日本透析医学会統計調査)。週3回、1回4時間の治療を止めれば数日で生命に関わる。その治療に不可欠なダイアライザー(人工腎臓)と血液回路は、すべて石油化学由来の樹脂でできている。(編集長・赤澤裕介) ダイアライザーの中核部品は中空糸膜だ。内径0.2ミリ、膜厚0.05ミリ以下の極細チューブを1万本束ね、血液をろ過する。現在、国内で使われる膜素材の主流はポリスルホン(PS)とポリエーテルスルホン(PES)で、ニプロ、旭化成メディカル、東レ、日機装が製造している。 ポリスルホンの原料をたどると、ナフサに行き着く。ナフサを分解してベンゼンとプロピレンを得て、そこからフェノール、アセトン、ビスフェノールA(BPA)を経由してポリ
産業・一般ホルムズ海峡の事実上の封鎖から1か月。原油・ナフサの供給途絶と価格高騰の影響が、日本標準産業分類(総務省、2023年改定)の中分類99のうち少なくとも21に及んでいることが、本誌の取材と業界調査の集計で分かった。製造業だけで11中分類が該当し、運輸業は5中分類すべてに影響が出ている。さらに農業資材、飲食料品卸・小売、窯業・土石など少なくとも5中分類が「次の波」の予備軍として控える。問題は影響の広さではない。化学減産の連鎖にはタイムリミットがあり、最も早い医療用プラスチックは数週間でひっ迫し、汎用樹脂も2-3か月で供給調整が現実味を帯びる。(編集長・赤澤裕介) ナフサだけが守られない理由 影響の起点はナフサだ。日本はエチレン原料の95%をナフサに依存し、その4割超を中東から調達している。石油備蓄は放出前の時点で国家・民間・産油国共同を合わせて240日分あるが、ナフサの在庫はシティグ
国際米国のドナルド・トランプ大統領は22日夜(日本時間23日朝)、イランがホルムズ海峡を48時間以内に全面再開しなければ発電所を攻撃すると通告した。その前日、イランのアッバース・アラグチ外相は共同通信に対し日本船舶の安全通航に前向きな姿勢を示していた。外交で芽が出た日本向け通航ルートを、米国の軍事圧力が上書きする。イラン軍は「攻撃されれば海峡を完全かつ無期限に閉鎖する」と即座に反発した。(編集長・赤澤裕介) 外交の芽を軍事が上書きする トランプ大統領は22日23時44分(グリニッジ標準時)、ソーシャルメディアに「イランが海峡を脅威なく完全に開放しなければ、発電所を最大規模から破壊する」と投稿した。48時間の期限は日本時間25日午前8時44分頃にあたる。マイケル・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)は23日の米テレビ番組で「ガス火力を含む発電施設を対象にする」と言及した。トランプ大統領が
行政・団体中東情勢の緊迫化に伴う燃料価格の高騰を受け、金融庁は金融業界に対し中小企業の資金繰り支援を緊急要請する。月内に業界団体との意見交換会を開き、片山さつき金融相が出席する方向で調整している。帝国データバンクの試算では、燃料費が2025年比で3割上昇した場合、運輸業の営業利益は平均8割消失し、4社に1社が赤字に転落する。物流の現場では、コスト増よりも先にキャッシュフローが詰まる局面に入った。(編集長・赤澤裕介) 金融庁の緊急要請は、米国・イスラエルによるイラン攻撃を機にエネルギー価格の上昇と物流の遅延が同時進行するなかで、景気の下押し懸念が強まったことが背景にある。本誌は3月1日付で「燃料サーチャージによるコスト転嫁が進んでいない中小運送会社ほど負担が重くなる」と報じたが、金融庁の動きはその懸念が政策対応を要する段階に入ったことを示す。大手銀行や地域金融機関からのヒアリングを通じ、中小
ロジスティクスイランのアッバース・アラグチ外相が日本関連船舶のホルムズ海峡通過を認める用意があると表明したことが21日、明らかになった。しかし通過容認は調達コストの正常化を意味しない。日本の元売りが基準とするドバイ原油は166-170ドル台で高止まりしており、戦争保険や通航審査の壁も残る。(編集長・赤澤裕介) ブレント反落、日本の調達コストには届かず 原油の先物市場はこの48時間で反落した。ブレント原油先物は20日に107ドル前後まで下がり、前日の高値119ドルから10ドル以上の下落となった。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)原油先物も94ドル前後に下げた。米財務省によるイラン制裁の一時緩和、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相によるイランのエネルギー施設への追加攻撃自制の表明、ドナルド・トランプ米大統領による地上部隊派遣の否定が重なった。 しかし日本の原油調達コストはブ
国際カタールのヘリウム生産が止まって3週間。本誌が13日付で「供給網の新たな死角」として報じたこの問題は、追加攻撃で局面が変わった。カタールエナジーはLNG(液化天然ガス)生産能力の17%が失われ復旧に数年を要すると発表。ヘリウムのスポット価格は倍増し、長期契約を持たない調達先から在庫が尽き始める時期が近づいている。このヘリウム発の素材ショックを起点に、海上運賃は3週連続で上昇し大手船社が緊急燃料割増に踏み切った。WTO(世界貿易機関)は19日に2026年の物品貿易成長率を1.9%に下方修正し、需要の土台も縮んでいる。ヘリウムが供給の上流を詰まらせ、運賃がコストを押し上げ、貿易減速が需要を削る。3つは並列ではなく、上流から下流へつながっている。(編集長・赤澤裕介) カタールのラスラファン工業都市は2日のイラン無人機攻撃で操業を停止し、4日にフォースマジュール(不可抗力)条項を発動した。本誌
事件・事故11日10時20分ごろ、インターネット通販大手アマゾンの大規模物流拠点「アマゾン茨木フルフィルメントセンター」(大阪府茨木市)で火災が発生し、施設内で稼働していた物流ロボットが出火元となった可能性があることが、現場からの避難者を含む複数の関係者への取材で分かった。 茨木市消防本部や大阪府警によると、火元は鉄筋コンクリート造4階建て(延床面積6万4000平方メートル)の3階にある商品保管エリアとみられる。12日夜の時点でも消火活動が続いている。 同センターは2018年10月に開設し、アマゾンが独自開発した自走式ロボットが商品棚を持ち上げて移動する「ロボットストレージ方式」を採用している。人の移動を最小化し、ロボットが倉庫内で効率的に棚を運ぶ仕組みは、同社の物流自動化の中核を担っている。 物流ロボットを扱う事業者によると、一般的にAGV(無人搬送車)やAMR(自律走行搬送ロボット)が
調査・データ帝国データバンク(東京都千代田区)は4日、2024年度の人手不足倒産の動向調査を発表した。人手不足を主因とする倒産件数が350件に達し、統計開始以来の最多記録を更新したと発表した。前年度と比較すると15%の増加となり、特に中小企業での人材確保の困難さが浮き彫りとなった。 調査によると、建設業が111件と全体の3割を占め、業種別で最多を記録した。これは前年度の94件から17件の増加となり、業界として初めて100件の大台を突破した。物流業は建設業に次ぎ42件を記録した。前年度の46件から4件の減少だが、依然として高い水準で推移している。両業種とも以前から深刻な人手不足による倒産が多発し、2024年問題により、経営環境はさらに厳しさを増した。 大手企業の採用強化で「初任給30万円時代」が到来し、賃上げの機運がさらに高まりを見せている。待遇改善の動きにより転職市場が大きく活性化し、業界
ロジスティクス全日本トラック協会(坂本克己会長)は10月31日、全国の都道府県トラック協会長宛てに声明を発表し、日本経済新聞が同日朝刊1面で報じた「トラック輸送力落ちず『2024年問題』対応、大型車が寄与」とする記事に対して反論の姿勢を示した。 同協会は、日経新聞の記事が「トラック輸送力の維持に向け、大型車両へのシフトや共同輸送、中継輸送が一定の効果をもたらしている」と報じたことに対し、「2024年問題は、大型車両へのシフト等の対応だけで解決できるような簡単な話ではない」と明確に否定した。 「2024年問題」は、トラックドライバーの長時間労働の是正や労働環境の改善を目的とする法改正により、運送業界全体が直面している構造的な課題だ。これに対し、政府は昨年「物流革新緊急パッケージ」を策定し、ことし5月には流通業務総合効率化法と貨物自動車運送事業法を改正、荷主と物流事業者に対する規制措置を導入し
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