イラクから最後の米軍部隊が撤退し、8年9カ月に及んだイラク戦争が終わりました。この戦争で、イラクでは10万人以上の民間人が犠牲になったとされ、国内外にいる約300万人の難民をはじめ無数の市民がいまも厳しい生活を強いられています。侵攻した米国の側でも約4500人の兵士が死亡し、心身に傷を負った多数の若者が社会復帰に苦しんでいます。 国際社会にも課題が残されています。21世紀の初頭を特徴づけたイラク戦争は国連憲章に反した侵略戦争であり、繰り返されてはならないことを銘記すべきです。 鏡が映す歴史的誤り 「イラクでの戦争はまもなく歴史の一部になる」―オバマ米大統領は戦争“終結宣言”でこう語りました。しかし、米政府がそこから何をくみ取るのかは不明です。 歴史はこの戦争の誤りを映す鏡として今後に生かされるべきです。戦争はどこから起きたのか?大量破壊兵器の保有を疑われる国への「先制攻撃」という米国の主張