防災のあり方や災害時の処し方を問い直した関東大震災から90年。しかし、震災後の混乱のなかで権力による犯罪が行われ、隠されてきたことを伝えたマスメディアは少ない▼1923年9月4日夜から5日未明、戒厳令下の東京・亀戸警察署で10人の命が奪われました。警察に依頼された軍隊によって刺殺されたのです。いずれも10代から30代の青年労働者や日本共産党員でした▼彼らは何をしたのか。19歳の北島吉蔵は勤め先の工場長にかけあい炊き出しをさせ、夜も寝ずに被災者の救援にあたっていました。平沢計七は自警団に捕らわれた朝鮮人一家を助け、川合義虎は倒壊した家の下敷きになっていた幼児3人を救い、面倒をみていました▼炊き出しで飢えをしのいだ女性はのちに「北島さんが殺されるぐらいなら、世界の中の良い人はみんな殺されなくてはならないでしょう」と語りました。川合の母タマは「私の子はどんな罪で殺されたのか」と、亀戸署につめ寄っ
![きょうの潮流 2013年9月4日(水)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8510216a130e7d5e9d1c2a4860958f4849328594/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.jcp.or.jp%2Fakahata%2Fweb_img%2Fakahata-kakusan.jpg)