宮城県塩釜市の水上漁港で10日、水産加工業者が建造した漁船の進水式が行われました。東日本大震災から5カ月、宮城県側の三陸海岸では震災後初めての進水式です。 船を建造したのは、同市の水産加工会社「シーフーズあかま」の社長、赤間廣志さん(62)です。同社はワカメなどの養殖や水産物の加工を手がけていますが、津波で船3隻や養殖に使う漁具など約1500万円の被害を受けました。 震災当初は「ぼうぜんとした」という赤間さん。しかし、「津波なんかに負けていられない」と喪失感から立ち上がりました。「漁民魂ですね」と力強く笑います。 ワカメの養殖を再開するには、種付けを急がなければなりません。「とにかく船が要る。船がないと始まらない」。遅々としてすすまない国の援助を待ちきれませんでした。負担がおおきくなりますが、銀行から新たな融資を受けて4月から漁船建造の準備を開始。晴れて新しい漁船の進水式を迎えました。 8