「身辺や年暮れんとす些(さ)事大事」(松本たかし)。年内最後の週末、大事な些事の代表格は大掃除です▼掃除をしてもいずれほこりはたまる、ほこりでは死なないと、しない理由を並べてみますが、散らかった部屋で新年を迎えるのもどうかと思い、手をつけます▼本棚は要注意です。積み重なった本が落ちてくるからではありません。「こんな面白い本を読まないのかね」と背表紙が語りかけてくるからです。以前、子どもに買った児童文学全集も誘惑に満ちています。ドイツの作家エーリヒ・ケストナーの『飛ぶ教室』などは今の時代にぴったりです▼「かしこさをともなわない勇気は乱暴でしかないし、勇気をともなわないかしこさは屁(へ)のようなものなんだよ!」(池田香代子訳)。好きな言葉です。ページを開いて続きを追います。「世界の歴史には、かしこくない人びとが勇気をもち、かしこい人びとが臆病だった時代がいくらもあった。これは正しいことではなか
![きょうの潮流 2014年12月28日(日)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8510216a130e7d5e9d1c2a4860958f4849328594/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.jcp.or.jp%2Fakahata%2Fweb_img%2Fakahata-kakusan.jpg)