南米チリの下院は20日、新たな選挙制度として、比例代表制を導入する改革法案を賛成多数で可決しました。ピノチェト独裁政権(1973~90年)が導入した旧制度は、民意を議席に反映しないものだとして2013年10月に廃止が決まっていました。今回の決定は、独裁政権の残した不当な政治制度に改めてノーの審判を下す歴史的なものとなりました。(菅原啓) 旧制度の「多数二名制」は二大政党・政党連合に有利で、得票総数で2位の勢力を人為的に優遇する特殊な仕組み。ピノチェト政権が民政移管後の選挙で、独裁批判勢力が得票で多数を獲得しても、親軍政派が一定の議席を保持できるようにする狙いがありました。 今回の改定で、新制度に比例代表制を採用。定数は下院が120から155、上院が38から50にそれぞれ増員されます。 現地からの報道によると、リンコン大統領府長官は、「(民政移管から)25年の時を経て、わが国の『多数二名制』