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ドラクエ3
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2010年03月19日14:08 カテゴリメディア 1981年の松田聖子。 1981年5月、松田聖子が松本城に来たときの動画が残っています。当時、高校3年生だった私も、映っている若者の群れの中のひとり。昼ごろ学校へ行ってみると中継があることが噂になっていて、午後の授業を3コマぐらいサボり、友人たちと橋のたもとに座り続けていました。夕方になると人が増えてきて、押されて堀に落ちそうになった。人々が去った後には、異様な興奮ぶりで鉄のベンチがグニャグニャになって残っていました。 今から振り返ると単なるバカですが、いまだに自分がクラブに行って平均年齢を上げていることを考えると、なかなかバカが直りにくいこともわかる。そして、この動画から伝わる活気が、遥か遠い過去になったことを痛感します。 松田聖子がデビューした1980年と現在の日本を人口ピラミッドで比べてみると、高齢化が進んだ事実は一目瞭然です。 1
2010年03月15日00:20 カテゴリ投資と経済 日本を反面教師とする中国の通貨政策。 米国債の保有について、温家宝が改めて「不安」を口にしました。やはり、ドルは安定しているとは見られていない。せめてドル指数が80台の半ばに達しないと、切り上げは難しいということなのでしょう。 会見では、最初にフィナンシャル・タイムスの男性が、通貨政策、つまりは人民元の切り上げについて質問。次に「人民網的記者」を名乗る女性が、貿易保護主義について尋ねています。このあたりの段取りは、あらかじめ周到に準備されていたように見える。温家宝は、中国の経済が日本などの輸出を増やして世界経済に貢献している点を強調しながら、保護主義への反対を述べました。つまり、通貨問題を突く攻撃には否定で応えておいて、つぎに自由な貿易を強調することで切り返しているわけです。まるで中国武術の動きのよう。 中国は、日本の失敗に学んでいるよ
2010年02月24日21:33 カテゴリ地域経済 負けを認める強さ。 「国家が破綻したら、どうするんだ!」「政府は税金を上げ、我々は生産性を上げなくてはいけない!」。こうした主張は、「国体の護持」とか、「欲しがりません、勝つまでは」という戦時中のスローガンのように聞こえてしまいます。仮にユニクロを「国民服」と呼んでみても、それほど違和感はない。私は地方の零細企業のオッサンなので、もちろん増税は困ります。というか、税金が上がる話になると、地方では「でも、どっから税金を取るだ?」という声が出ます。 もともとコーヒーの業界には、「演劇に打ち込んでいた」とか「成功を夢みてブラジルに渡った」とか、ちょっと浮世ばなれした人が多い。「若いころにレコードばかり買っていたから、仕事といえばジャズ喫茶しか思いつかなかった」という人もいます。松本まで広がってきたメイド喫茶だって、「全国に展開して上場をめざす!
2010年02月19日16:34 カテゴリ日銀 世界の常識からズレるご立派な人たち。 ご立派な人たちの言動が、世界の常識とズレてきました。トヨタの社長は、アメリカの公聴会を欠席。白川総裁は、インフレ目標を否定するだけでなく、政府を批判するような話もしています。いま起きていることは、80〜90年代に湧き上がった日本叩きとは明らかに違う。海外のメディアを見ていると、「おいおい、日本は大丈夫なのか?」という声が聞こえてきそうです。強い批判は、中国に向けられることが多い。 福井総裁には、インフレ目標を否定しながら、物価の上昇率として「おおむね1%」という目安を出せる柔軟性がありました。いま世界の中央銀行は、「強いドル」を繰り返し、為替を制御することで雇用を守り、自国の経済を安定させようとしている。 白川総裁は、めったに出ないテレビでは「迅速果敢に行動する」と語りながら、あれも否定、これも批判。そし
2010年02月14日18:49 カテゴリ投資と経済 もしも日本の長期金利が3%になったら。 2010年は、日本の長期金利が2%を試す場面がありそう。では、財政の悪化などで3%になったら、いったい何が起きるのか?世界的にみれば3%でも低い水準ですが、日本では1.5%ぐらいの金利が当たり前という時代が長く続いたので、金利が2倍になれば、それだけでも激動です。 日本の住宅ローンの残高のうち、3割ぐらいが変動金利による契約。したがって住宅ローンの支払いが厳しくなるケースは、これからも増えてゆくと予想されます。自営業でも、目先の返済が楽になるよう変動にするところがありますが、ここにも影響が出るでしょう。大企業でも有利子負債が多いところは厳しい。 お金を貸す銀行の側からすれば、1.5%でも貸出先を探すのに苦労しているのに、それが2倍になったら、なおさら借りる人はいなくなります。企業の設備投資は国内で
2010年02月13日20:25 カテゴリ為替FX 破綻は既に起きている。 長いトンネルの出口には、2つの通貨の強さが見えて来ました。先進国は「強いドル」を望み、アジアの新興国には人民元が浸透してゆく。財政赤字が深刻なのに日本の円が安くならないのは、2つの強い通貨の間で日本が揺れているから。私は、日本の経済が2つの大国との太い繋がりに支えられている現実があるから、円が高いのだと考えています。 チャートは、円と世界の主要な通貨との関係を示す円インデックス。先進国が自国の通貨高を避けようとしているので、どうしても円が通貨高の波をかぶりやすく、かつ日銀の沈黙が円高の容認として受け取られやすい状態になっているようにも見える。 日本では、円の暴騰とか暴落という極端な話をする人が多い。私は、実際に通貨が暴落したブラジルで強いインフレを体験しました。闇レートでドルを交換しているうちに、ヤミ業者のマンショ
2010年02月10日19:24 カテゴリ地域経済 経済大国は、老人大国になった。 CNBCは、経済専門のチャンネル。登場する大統領も、知事も、経済学者も、経営者も、キャスターも、それぞれ意見や立場の違いはあっても、みなが「雇用」の重要性を強調しています。で、日本の放送を見ると、やっているのは「小沢」と「朝青龍」。コマーシャルは、パチンコ、競馬、健康食品、それにカードローン。ときには宗教団体の広告も入っています。たまたま午前中のワイドショーみたいな番組を見たら、一度に何十万円分も宝くじを買って当たった人などが紹介されていたりする。私は、さすがに異様だと思うようになりました。あれれ?「マネーゲームは、けしからん」じゃなかったの?という気持ちにもなります。 1年前には「民主党は寄り合い所帯だ」と言っていた人が、いまは「小沢の独裁だ」と言っている。いったいどっちなんだ?と思いますが、あるのは、そ
2010年02月08日22:55 カテゴリ書評 安定という名のリスク。 「中国についての関心が潜在的には強い。ただ、中国の問題を話題にすることをお互いに遠慮している」。G7に出席した菅直人が語っています。G7の男たちは、人民元の切り上げが、追えば逃げてゆく女のようなものだと理解しているのでしょう。G7が強く切り下げをいえば、中国の態度は硬くなってしまう。 景気の弱さが意識されるたびに、円が買われます。リスク回避の円買い。このままだと日本の円は、人民元と米ドルに挟まれるようにして、高いまま推移することになってしまいそう。世界の中央銀行が自国の通貨高を避けて「強いドル」に同調しているのに、日本だけが何もいわないままだと、多くの日本人が不利な条件で働くことを強いられてしまうでしょう。 最近よく思うのは、安定がリスクになってしまう可能性。円が買われるのは、リスクが低いから。つまり円のもつ安定性が、
2010年02月07日14:16 カテゴリ投資と経済 フォードとトヨタの明暗。 「これは信用の問題なんだよ。いまのトヨタは、タイガーウッズのときと同じ。この問題は、ビジネス・スクールでのケース・スタディになる」。CNBCの男性は、楽観的な見通しを語るゲストに苛立ちながら、厳しいことを言ってます。焦点はクルマの性能から、トヨタのコミュニケーションのあり方へ移っているように見える。会社が創業者一族を守ろうとする態度も語られています。ABCは、トヨタのコールセンターに電話をかけたときの様子や、工場にカメラクルーが入ろうとして遮られた場面、さらにはマスクをしたままカメラに向かって喋っている管理職の姿などを放送しました。 いまのフォード会長、William Clay Ford, Jr.(ビル・フォード)は、創業者の曾孫。NFLの仕事をやってきた人らしく、学生や労働者との対話番組にも出演し、「私たちは
2010年01月29日23:25 カテゴリコーヒー ハイチとイエメン。 この島は、コーヒー豆の産地。2つの国の違いは、衛星写真にも現れています。左側のハイチは、樹木が伐採されて荒涼とした色。右側のドミニカは、緑が豊かです。ともに国民の数は約1,000万人ですが、GDPは数倍も違う。さらに地震の被害が広がれば、国境を超えようとする難民が増える怖れがあります。 世界の国々が懸念するのは、ハイチという国家の破綻。難民が大量に発生すれば、先進国は受け入れを考えなければならない。News Weekの日本語版は、少なくとも今後10年は国連が関与する必要があると書いています。 こうした準備が整ってようやくハイチは投資の誘致を始められる。地震で多くの人命が失われたのは痛いが、最大の打撃は仕事が奪われ、企業がつぶれ、経済が崩壊したことだ。外国企業や投資家は、破綻国家には投資しない。そしてその投資がなければ、
2010年01月28日23:02 カテゴリメディア iPadによって浮かび上がる日本の問題点。 さりげない発表は、いつもながら。スティーブ・ジョブスは、ソファーの位置やiPadの持ち方を入念に考え抜いたに違いありません。でも、そういう作為を感じさせない。まるで「ぼくは以前から、これを使っているんだよ」という自然な雰囲気を漂わせています。 日本の新製品の発表は、どこか仰々しい。着飾った若い女性と、いかにも会社っぽいオジサンの組み合わせ。最近は、出てくる製品の良し悪しよりも、日本の企業文化そのものが壁にぶち当たっているように思えてしまいます。 日本の出版業界は、ムラ社会の濃さを強めているように見えます。柳の下にドジョウを追うが、ドジョウは小さくなっている。いかにもインチキっぽい経歴の人が、大手の出版社から堂々と本を出したりもします。歴史書に関心を持つ若い人が増えるのは、分かる気がする。いっけん
2010年01月24日18:19 カテゴリ政治 小沢疑惑は、昭和の懐メロ。 バラク・オバマが大統領になれたのは、6億ドルを超える圧倒的な集金力ゆえ。日本円でいえば、550億円ぐらいでしょうか。それを考えると小沢一郎さんの事務所をめぐる4億円の話は、いかにも額が小さい。しょぼい事件に対して、ただ騒ぎだけが大きく、ほんとうに日本は大丈夫か?と、そちらの方が気になってしまいます。 新聞の記事をなぞって田中角栄の残像と重ね合わせる人も多いですが、私はそうは思わない。むしろロッキード事件に比べると、遥かにスケール感が小さい。当時は、日航を追いあげようとする全日空の暗躍とか、アメリカの巨大な製造業と組んだ商社の暗闘といったダイナミックな背景がありましたが、いまは苦境にあえぐ建設や土木の業界が登場するばかり。逮捕された石川さんも県庁や地銀あたりに勤めていそうな普通の人ですから、妖怪のような生々しい迫力が
2010年01月15日12:34 カテゴリ地域経済 寒いから赤信号でも渡ります。 私がお会いしたころの石川知裕さんは、まだ小沢一郎さんの秘書でした。当時いただいた名刺を見ると、交わした会話などが思い出されます。捜査が長野県の村井知事への献金から始まり、その秘書だった右近さんが自殺した流れを振り返ると、「正義」を求める倫理や「正しさ」を追う理屈より、時代の渦に巻き込まれて人生を変えていった人たちのことや、政治の怖さが心に凍みます。 30代のころの自分は、選挙の応援や後援会の活動に時間とお金を使っていました。さまざな人たちとの出会いが面白く、「信州のために」とか「日本の将来のために」といった感情が周囲にみなぎっていました。2000年以降は、小泉ブームや異色な知事の当選も相次ぎましたから、おそらく私のような日本人は、全国のあちこちにいたことでしょう。もちろん多数派ではないかもしれませんが。 いま
2010年01月12日19:58 カテゴリ債券の話。 日本に通貨戦略はあるのか? リーマン・ショックが起きたころ、日経平均は12,000円ぐらいでした。長期金利は、1.5%あたり。あれから国債の発行は増えていますから、もしも日経225が12,000円に戻ったとしたら、長期金利は低くても1.7%〜1.8%ぐらいまでは上がるのではないかと思います。簡単にいうと、株価がリーマン・ショックのころに戻ったとしても、住宅ローンの利息は、あのときよりも重くなりそう。大量に発行される日本国債を買ってもらうためには、どうしたら良いのか?いまは貯金を取り崩している中高年が多く、貯蓄率も下がっていますから、いつまでも堅実なジイさんやバアさんたちに頼ってばかりもいられません。日本国債の利回りは外国に比べて低いので、儲けを狙う投資家にもなかなか買ってもらえない。 答えは、やはり「円の国際化」しかないように思えます。
2010年01月10日00:12 カテゴリ投資と経済 スタバと増税、どちらがお好き? 新年の挨拶をかねて、地銀や信金の人たちが担当エリアをまわっています。売り上げが減少しているところなら、市の制度資金が使えて、その金利は1.6%だとか。アルバイトの香港人にパンフレットを見せたら、「こんなに低い金利があるなんて信じられない」と驚いていました。中国人が日本の不動産を買うのは、おそらく低い金利で融資を受け、何か商売をやろうと企んでいるからだと思います。不動産を買うというよりも、有利な梃子(レバレッジ)を手にしようとしているのかもしれない。 日本の財政が厳しいので、増税を求める意見が出てきました。しかし、いまの日本で、どんな増税ができるのか?なぜ投資を呼び込むという常識的な話が出ないのか?とても不思議です。 シンガポールのオーチャード通りに行けば、伊勢丹と高島屋が建っていて、地下鉄から出てくるマレ
2010年01月07日23:24 カテゴリ政治 雇用に真剣に取り組まない政治家を選んではいけない。 松本に住む建設や土木の若い作業員たちは、「まだ飯田の方には仕事があるんで、あっちに行ってます」。近所でコンピュータ関係の自営業をやっている男性は、「いまは伊那に仕事があるから通ってますけど、その仕事も今年から無くなるので、東京へ行こうと思ってます」。銀座で働いている30歳ぐらいのバーテンダーからは、こんな話を聞きました。 自分が知ってるだけでも、3人が北京や上海で働いています。給料は安くても、物価や税金が安いから貯金ができるんだとか。日本語しかできない人も、向こうに行ってる。日本で店をやるのは都会でも大変だから、自分もあっちに行って様子を見てこようと思ってます。 地方に仕事がなければ、都会へ。都会も不景気ならば、中国へ。顔見知りの若い人たちが、次々に移動しています。 CNBCの"Rebuil
2009年12月23日22:44 カテゴリメディア アメリカの景気回復は第二幕へ。 これが12月なら、2月はどうなってしまうのか?身構えるような雰囲気が、街に広がっています。飲み放題をやっているお店の人によると、「あれは良いよ。いまは浴びるほど酒を呑む人なんて少ないからね」。逆に困るのは、4時間ぐらいいても帰らない団体の客だとか。ファミレスの感覚で利用する人が増えているのでしょう。こうなるとモノを売るというより、時間を売ろうとする傾向が強まる。時間制で、飲み放題。 コーヒー業界では、再編が進んでいます。アートコーヒーの焙煎部門は三菱商事が買い取り、店舗網は牛丼の「すき家」を展開するゼンショーが取得。業界ではキリンが三菱系であることから、日本のドリンク業界がキリン&サントリーへとまとめられてゆく流れを予想する人もいます。商社は右から左にモノを動かすだけではなく、企業のある部門を丸ごと売買する
2009年12月14日23:45 カテゴリ地域経済 キャピタル・フライトが広がっている。 松本は、長野県で2番目に大きな街。その駅ビルの1階からテナントが次々と抜け、エスカレーター近くがこんな状態です。全国の現実も推して知るべしです。 工場や百貨店が次々と閉鎖されるということは、すなわち、在庫や設備を維持し人を雇うために投じられてきた資本が引き上げているということ。私には、どう考えてもキャピタル・フライト(資本が逃げること)が広がっているとしか思えないのですが、そういうことを言う人は少ない。 いまは世界中で雇用が深刻な問題になっていますから、地方であれ国政であれ、政治の焦点が「いかに投資を呼び込むか?」になっています。ところが日本では、新聞やテレビを見ても投資を呼び込むための論議をしているようには見えない。 あるのは、こっちの党が間違っているとか、あの政治家は勉強していないだとか、受身な姿
2009年12月04日00:35 カテゴリメディア 借り手の反乱。 日銀の態度を変えたのは、政治と為替。ドル円84の急激な下落は、政府と日銀との間に生じた隙間を狙って打ち込まれた楔(くさび)のようです。いまは、この隙間が修復されて88まで戻していますが、ドル安の流れが止まったわけではないので、これからは「日銀vs為替市場」の戦いになるかも。白川総裁の発言内容から考えると、日銀の側が後手後手にまわり、さらなる金融の緩和を迫られる可能性があります。本石町と永田町だけの関係を考えれば、たしかに池田信夫blogが書くように「まるで10年ぐらい前に戻ったよう」なんですが、日本の社会を広く眺めれば、10年前とは全く異なる風景が広がっています。それは、円高、雇用、そして高齢化。円高は、工業だけでなく農林水産業にも影響がある。輸入される食品やその加工品が優位に立つから。 円高は、すでに円を保有している人を
2009年11月07日22:41 カテゴリ投資と経済 投資を呼び込む意識が弱い日本。 物価が下がってゆくのは、かならずしも良いことだとは限らない。デフレに対する危機感が広がっています。少し前まではモノの価格が下がるたびに、「消費者にとっては喜ばしい」とか「主婦には、ありがたい話」という答えが、まるで模範解答のように流れていました。しかし、賃金が上がらず、不動産が下がり続けると、物価の下落を喜んでばかりもいられません。 日本の国内だけを眺めればデフレですが、世界的にはインフレ懸念が強まっています。原油は80ドル。東アジアの都市では、不動産の価格が上がっています。資源を輸入している日本にとっては原材料の価格が上がることになりますが、販売の現場では価格の競争が激しいので、多くの企業や個人が内側のデフレと外側のインフレに挟まれている状態。起きているのは、グローバルなインフレとローカルなデフレです。
2009年10月27日19:36 カテゴリ書評 デイヴィッド・ハルバースタムの『朝鮮戦争』。 やはりハルバースタムに駄作はない、と改めて感じさせる2冊が『朝鮮戦争』。原題の"The Coldest Winter"には、おそらく3つの意味があって、ひとつは朝鮮半島の厳しい寒さ。もうひとつは、1950年ごろの冷戦構造。そして、マッカーサー将軍とトルーマン大統領との冷え切った関係も描かれています。この3つがアメリカの兵士たちに「最も冷たい冬」を強いることになった。米軍と中国軍との激戦を描いた本書は、現代的な意味を重く含んでいます。アメリカにとって中国が、どんな意味を持ち、それがどのように変化していったのか?、政治の流れを知る上で必読のノンフィクション。 日本人にとっての旧・第一生命ビルは、米国による占領の象徴ですが、朝鮮戦争という角度から見ると、自己陶酔に溺れた将軍がワシントンD.C.とは無関係
2009年10月18日23:12 カテゴリ地域経済 理屈どおりの取り締まりが難しい不法滞在。 都心でセブン・イレブンを経営している人によると、最近は店で働く中国人に不法滞在が増えているとか。留学生がアルバイトをしていて、学校を終えても就職が決まらず、そのまま働き続けるようなケース。中には日本語に堪能で、ずっと東京に暮らしているのに、だんだん日本語が下手になってゆく若者もいるそうです。それは東京の中国人社会が拡大した結果、中国語だけでも生活に困らない場面が増えているから。夫婦がともに中国人だったりすると、解雇したときに、「家を燃やすぞ!」ぐらいの脅しの電話がかかって来ることもあるようです。 不法滞在といえば、「怖い犯罪者」というイメージをもつ人が多いと思いますが、実際に不法滞在の外国人との接点が増えると、「あぁ、あの人もそうだったんだ」ぐらいの感覚になります。業務で外国人と会うことが多い人な
2009年09月26日18:29 カテゴリ書評 『馬雲のアリババと中国の知恵』。 アルバイトの香港人が、台湾から取り寄せた本を読んでいます。私は、日本で出版された『馬雲のアリババと中国の知恵』を読んでみました。『阿里巴巴 天下没有難做的生意』の翻訳。アリババが展開するタオバオ(淘宝網)の取引金額は、すでに日本の楽天とヤフーを合わせた額より大きくなっていますから、パルコや千趣会が提携するのも不思議ではありません。 アリババは、中国の他のIT企業と比べても異彩を放っています。創業者の馬雲は、米国の有名大学ではなく、杭州の大学を3回受けたという元・英語教師。ただアメリカのIT文化を移すのではなく、零細企業の経営者としての経験を生かしていて、その発想や行動が、いかにも中国的。99年にビジネスウィーク誌の記者が杭州で立ち上がったアリババを取材したときの感想は、どこか『水滸伝』を連想させます。 さほど
2009年09月01日22:55 カテゴリ なぜ、お金のまわりぐあいが悪いのか? 民主党の政策には「バラマキ」との批判がありますが、債券市場は冷静です。長期金利は、節目の1.3%を割るところまで低下。株式市場は、一時的に上昇しました。問題は、為替。鳩山由紀夫の「金融危機は基軸通貨ドルの永続性に疑問を投げかけた」という見解を意識するゆえか、市場は円高で応えました。 中長期のドル安は明らかですし、政治的にもアメリカだけが世界の安全保障に責任をもつような時代は終わりつつあります。ひたすら米国債を買い続けた日本。基軸通貨としてのドルに疑いを差し挟むことのなかった自民党。それが民主党へと政権が変わり、米国債や為替をめぐって、どんな変化が起きるのか?この点は重要です。アジアのCNBCも、"Impact of DPJ Win on Stocks & the Yen"(民主党の勝利が、株と円に与える衝撃)
2009年08月31日11:52 カテゴリ政治 受け身であれば良かった時代の終わり。 去りゆく夏を惜しむかのように鳴く蝉の声が、麻生総理のしわがれた声に重なります。民主党の批判を最後まで続けたということは、相手の土俵で相撲をとったということ。信州では田中康夫さんが知事になったあと、名刺を折り曲げる県職員や激しい怒りで応える県議などが出現し、当時の田中さんは、「いやぁ、変な人が次々に出てくるから助かっちゃうよ」と言っていましたが、政権から滑り落ちた人たちが冷静な対応をしなければ、鳩山内閣の支持率を上げるだけになりそうです。09年になっても「日の丸」とか「日教組」という言葉が政治を賑わせる状態には、改めて驚いてしまいます。麻生太郎という人は、表面的には「2ちゃんねる」とか「アニメ」のような話をして新しそうに装ってはいるものの、その基本的な考え方には、自民党と社会党が2大政党だった冷戦時代の枠ぐ
2009年08月26日15:53 カテゴリ地域経済 インフレとデフレの狭間で。 松本駅の正面から広告が消えてゆきます。穴吹工務店の看板があった場所も、ご覧のように骨組みを残すだけになりました。 昨日は、配電や送電のための工具を作っていた松本の泉精器製作所が事実上の倒産。社員は500名ですから、すでに駐車場が満杯になっている松本のハローワークは、さらに混みそうです。地方では、住宅ローンを組んでから、まだ数年しか経っていないのに、仕事が無くなったり、あるいは給料が減ったりする人が増えています。昔の市街地だけでなく、郊外に広がった真新しい住宅街にも大きな変化が起きています。 駅前の飲食店では、履歴書を書いている若い女の子も見かけます。パルコで服を売っていて、月給の総額は16万円でも、ショップの服を買うように強制されていて、毎月数万円が天引きされ、さらに保険料や税金を除くと、手元に残るのは10万円
2009年08月18日21:26 カテゴリ政治 選挙カーや電話が来ないと怒る人もいる。 アメリカの消費の弱さに株価が押さえられています。売れているのは、政府が補助金を出しているクルマぐらい。CNBCでは、中国株、とくに上海株の下落の影響の大きさを指摘する人が増えています。 お盆休みの信州は、まずまずの人出でした。東名高速が通れなくなったことも影響したようです。ただ、お金を使えるのは中高年ばかりで、若い世代には高速料金の安さから「遠くまで出かけてみた」という人が多いようです。高速道路が安くなると、割高に感じられるのが新幹線と飛行機。カリフォルニア州ほどの面積の日本列島には100の空港と、高速道路、それに新幹線が広がっていますから、人口が減って高齢化が進めば、交通インフラの過剰感が広がる可能性があります。 選挙が公示になって、選挙カーが街を走っています。あの迷惑な騒音も、選挙事務所で電話番をし
2009年07月24日21:38 カテゴリ地域経済 日本の若者は、4割も減った。 製糸業から精密機械や電子部品へと転換してきた長野県。その歴史を社名に感じさせる「シナノケンシ」が、200人の希望退職を募ると信濃毎日新聞に出ています。精密モーターの製造を中国に移転させるとか。上田市のハローワークは、さらに混雑しそう。日本で過剰になっている雇用者の数は607万人ですから、さらに賃金を抑えられたり仕事を失う人の数は増えそうです。 この数年で、為替をめぐる世界の対応は、少しづつ変化してきました。以前は、「為替は市場が決めることであり、政府や中央銀行は介入のような発言をすべきではない」という表現が強かった。しかし最近では、自国の利益や通貨の将来像をふまえて、やや踏み込んだ発言をする要人が増えています。 米国は「強いドル」を繰り返し、欧州のトリシェ総裁は、その「強いドル」への支持を明らかにしてユーロ高
2009年07月16日23:13 カテゴリ地域経済 厭戦気分。 松本駅ビルの1階です。ガラ〜ンとした場所に、観葉植物がポツリと置かれている。昨年まで、ここでは知り合いの若い女性2人が働いていました。彼女たちは、店舗の運営やイベントについて、なんども駅ビルのオジサンに提案したと言っていました。責任者の返事は、「オラみてぇなJRからの天下りには、分からねぇだよ」だったそうです。休憩時間に部外者が入れないはずの場所でタバコを吸っていると、酔っぱらいの中年のオジサンが近づいて来た…とも話していました。警備の係に、そのことを告げると、「しょうがねぇだよ」という答え。私には、起きている衰退が、単に「テナントが入らない」という話ではないように思えます。 先日は、日本のドリンク業界を揺るがすニュースが出ました。「キリン、サントリー経営統合へ」。長野県で営業をやってるキリンの社員が英検2級やTOEICの勉強
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