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衆院選
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河野啓『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』(集英社、2020/11/26発売)を読んだ。あまり知られていない、栗城がテレビに登場し始める初期の頃に取材していたテレビディレクターが書いた本である。著者は2009年の最初のエベレストの後に一旦取材を止め、死後に取材を再開する。私は2010年の2度目のエベレストのときに栗城を知り、それから栗城ウォッチを始めたので、著者とは見ていた期間がずれる。この記事は本の感想ではなく、この機会にこれまでの観察をまとめたもの。あれこれ書いていたらずいぶん長くなってしまったので目次をつけておく。 2010年のエベレストこの2010年の2回目のエベレストは酷かった。単独で挑んでいると大きく宣伝していたが、自分は動かずにシェルパにルート工作をやらせており、そのことをブログや動画にも書いていた。正確にいうと栗城が無線で話した内容をスタッフが動画やブログにアップして
知能は親から子に遺伝する可能性が高い、という科学的な知見が蓄積されているが、実際にはどの程度遺伝するだろうか。具体例として、親が東大卒のとき、子供が東大に合格する確率を考えてみる。 東大卒の子供を追跡調査しなくても、行動遺伝学を使えば結果を計算することができる(子供が実際に東大を受験するかはさておいて、合格レベルの学力に達する確率を計算することができる)。 以下では先に結果を書いて、計算方法は下の方に記載する。 ただしこの結果は、子供の受験にとって良い環境(悪い環境)が与えられる確率はどの家庭でも等しいという仮定のもとでの計算である(つまり子供の環境は親と無相関)。現実には、社会的地位が高く経済力のある親は、受験にとって良い環境を子供に与える傾向があり、お馬鹿で貧乏な親はその逆になる。つまり親の知能が高いと、遺伝だけでなく環境においても子供は有利になる。上の数値はその効果を無視しているため
英語で野口英世について調べていると、よく出てくるのが梅毒に関する人体実験スキャンダル。日本では何故かほとんど知られていないが、結構重要な事件なので紹介する。簡潔にまとまっているデイヴィッド・ロスマン『医療倫理の夜明け』(2000年)から引用する*1。 この実験についての野口の論文は1911年に掲載されている*2。翌年の継続論文では被験者の数が増えて、315人の梅毒患者と250人の「対照群」になっている*3。 野口は以下のように弁明していた。第一に自分で試して、テストは安全だった。第二に、被験者のなかに隠れた梅毒患者が見つかるかもしれないので、みかけは治療を目的としていた。しかし、この論法は明らかに弱く、少なくともある方面の人々の激しい抗議に太刀打ちできるものではなかった。とくに生体解剖反対派は、研究で、動物の福利を無視する態度は人の福利の無視を生む、という彼らの危惧を確信した。「生体解剖の
登山家の野口健が空気銃で子猫の頭を撃ち飛ばし、それを咎めた友人の足も撃ったという内容の書き込みがネット上にあり、よくあるデマだろうと思いつつ調べてみたところ、本当の事だったのでビックリした。本人が自伝で語っているので間違いない。野口は子供の頃かなりの不良で、その頃のエピソードの一つとして出てくる。 野口著『100万回のコンチクショー』にその記述があるが、より詳しく書かれている、一志治夫『僕の名前は。アルピニスト野口健の青春』から引用すると*1
中学高校で学ぶ遺伝の法則といえばメンデルの法則だが、これを学んでも身の回りで起きる遺伝のことはほとんど説明できない。説明できるのは血液型の遺伝くらいではないだろうか。探せば他にもあるけど「耳垢が湿っているか乾いているかの遺伝」とか、どうでもいいことだ。 多くの人にとって重要な遺伝は、身長や体重、運動能力、知能や学力、性格、病気や精神障害(糖尿病、高血圧、鬱、発達障害…)などだろう。これらはどれも多数の遺伝子が関与しており、統計的に扱わなくてはいけない。一つ一つの遺伝子の効果は小さく、何百もの遺伝子が関与するので、よくある「〇〇の遺伝子を発見」というニュースはたいてい重要性が低い。これら多くの遺伝子が関与する遺伝を扱うのが量的遺伝学だが、別に難しくはなく簡単に計算できる。結果はメンデル遺伝と同じく確率で表される。 ここでは両親から生まれた子の表現型値(身長や体重などの値)の確率計算を「遺伝子
登山家の野口健が自民党から出馬するという憶測がたまに流れるが、その可能性はほとんどないだろう。身体検査に引っかかるからだ。その原因は、野口がネパールで貧困層の15歳少女と性交し、そのエピソードを自著で武勇伝のように語っているためである。
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