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衆院選
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今週の読書感想文は以下の通りです。 まず、李立栄『中国のシャドーバンキング』(早稲田大学出版部エウプラクシス叢書)はタイトル通り、中国のシャドーバンキングを3分類してその活動の規模や規制当局の方向性などについて取りまとめています。宮本弘曉『51のデータが明かす日本経済の構造』(PHP新書)では、日本の賃金が上がらない理由について、極めて陳腐にも、生産性と結びつけた上で労働の流動性を促すといった的外れな議論がなされているように見えます。小谷賢『日本インテリジェンス史』(中公新書)は戦後日本のインテリジェンス史を概観し、いくつかの興味深い事件についてその裏側を解説しようと試みています。 今年の新刊書読書は、1~3月期に50冊、4~6月期に56冊、従って、今年前半の1~6月に106冊、そして、夏休みを含む7~9月に66冊と少しペースアップし、10月には25冊、11月に入って先週5冊で今週は3冊で
一昨日8月2日、エコノミスト誌のGraphic Detailのコーナーに、People in the West are least worried about hurtful speech と題するグラフが掲載されています。 まず、エコノミスト誌のサイトから引用すると、上の通りです。有害スピーチ hurtful speech、とは、我が国でいえば「ヘイト・スピーチ」ということになるのかもしれませんが、エコノミスト誌では、一般に左派は有害な言論に対して非寛容的であり、公共の場での容認できない有害な発言を規定する法令の必要性を感じているのに対して、右派はこういった規制が行き過ぎると言論の自由がリスクにさらされる可能性を危惧する傾向がある、と指摘しています。 その上で、英国のキングスカレッジ・ロンドンの世論調査員であるモリ氏が行った最近の調査、2020年12月から2021年1月にかけて28か国の
今週火曜日10月9日に帝国データバンクから「人手不足倒産」の動向調査の結果が明らかにされています。年度上半期の9月までの件数や負債総額などが入手可能となっています。負債総額は減少しているものの、倒産件数は前年同期比+40.7%の大幅増を示し、2年連続で前年同期を上回っており、2013年度の調査開始以降で半期ベースの最多を更新し、年度通期で初めて100件を超えた昨年2017年度(114件)を上回るペースで倒産が発生しています。まず、帝国データバンクのサイトから調査結果を5点引用すると以下の通りです。 調査結果 2018年度上半期(2018年4~9月)の「人手不足倒産」は76件発生し、負債総額は110億4200万円にのぼった。件数は前年同期比40.7%の大幅増となり、2年連続で前年同期を上回った。調査開始以降、半期ベースの最多を更新し、年度通期で初めて100件を超えた2017年度(114件)を
ちょうど1週間前の8月16日付けで、国際通貨基金(IMF)のスタッフによる以下の学術論文が公表されています。 Ciminell, Gabriele, Romain Duval, and Davide Furceri (2018) "Employment Protection Deregulation and Labor Shares in Advanced Economies," IMF Working Paper WP/18/186, August 2018 タイトルからかなり明らかなんですが、1990年代初頭から先進国において傾向的に労働分配率が低下しているという定型化された事実につき分析を行っています。先進国26国の1970-2015年における主要な雇用保護法制に関する改革 ("major reforms to employment protection legislation")
とても久し振りに図書をご寄贈いただきました。ブレイディみかこ×松尾匡×北田暁大『そろそろ左派は<経済>を語ろう』(亜紀書房) です。私個人のブログなんぞはとても貧弱なメディアなんですが、図書をご寄贈いただいた折には、義理堅く読書感想文をアップすることにしております。当然です。 まず、私自身については、官庁エコノミストにして左派、という独特の立ち位置にあり、少なくとも左派であることを隠そうとはしていません。例えば、もう定年に達しようという年齢なんですが、そもそもの採用面接でのアピール・ポイントとして、「大学においては経済学の古典をそれなりに読んだと自負している。スミス『国富論』、リカード『経済学と課税の原理』、マルクス『資本論』全3巻、ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論』などである。」と、堂々とマルクス『資本論』を読んだことを明らかにした上で経済官庁に採用されたりしています。まあ、その
先週はいろいろあって、昨日のブログに米国雇用統計が割り込んで読書日は1日長めだった影響もあり、また、昨日から今日にかけて母校の京都大学を往復した新幹線でのヒマ潰し読書もありで、経済書も多くて計6冊。以下の通りです。 まず、井伊雅子ほか[編]『現代経済学の潮流 2017』(東洋経済) です。最近時点における日本経済学会の春季及び秋季の年次総会における会長講演や特別報告、さらに、パネル討論を収録した学会公式刊行物です。もう20年も発行されていて、私は今まで読もうとしなかったんですが、なぜ、急に読む気になったかというと、来年春季大会のパネル討論に参加することになりそうだからです。なかなかに光栄なことだという気もしますが、どうして今まで読もうとしなかったかというと、ハッキリいって余りに高度であるからというのが第1の理由です。判りにくい例ながら、私は少し前までフツーにゴルフをプレーしますが、トップク
本日、内閣府から4~6月期のGDP統計1次QEが公表されています。季節調整済みの前期比成長率は+1.0%、年率では+4.0%を記録しました。潜在成長率を大きく超えて、消費などの内需が牽引する高成長といえます。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。 4~6月期GDP、年率4.0%増 個人消費など内需がけん引 内閣府が14日発表した2017年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比1.0%増、年率換算では4.0%増だった。プラスは6四半期連続。個人消費や設備投資など内需がけん引し、公共投資も大幅に伸びた。景気の原動力だった輸出はマイナスに転じたが補った。 QUICKが集計した民間予測の中央値は前期比0.6%増で、年率では2.4%増だった。生活実感に近い名目GDP成長率は前期比1.1%増、年率では4.6%増だった。名目は2四半期ぶりにプラスに
今週は話題の経済書『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』をはじめ、経済書中心に小説まで含めて計7冊、以下の通りです。 まず、玄田有史[編]『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(慶應義塾大学出版会) です。編者は東大社研で進めている希望学のプロジェクトなどで著名なんですが、本書は本来の専門分野である労働経済学に戻って、タイトル出て維持されているパズルの解明に当たっています。22人の精鋭エコノミストを中心に16本の論文を集めた論文集であり、従来のように、非正規雇用の増加、労働分配率の低下、生産性の低下についてはトートロジーの部分もあるとして排し、ミクロ経済学、マクロ経済学、行動経済学に基づく理論分析、実証分析、ケース・スタディなどのアプローチから議論を進めており、出版社からも明らかな通り、一般教養書ではなく学術書であると理解すべきです。でも、16章もあるんですから、それなりに一般向け
本日、日銀から4月の企業物価 (PPI)が公表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+2.1%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。 4月の企業物価指数、前年比2.1%上昇 3年3カ月ぶりの上昇率 日銀が15日に発表した4月の国内企業物価指数(2015年平均=100)は98.4で、前年同月比で2.1%上昇した。前年比での上昇は4カ月連続で、上昇率は前月(1.4%)から拡大した。上昇率は消費増税の影響を除くと2014年1月(2.5%)以来3年3カ月ぶりの大きさだ。市況上昇を背景に鉄鋼価格に値上がりが目立ったほか、原油先物相場の上昇を受けガソリンや軽油も値上がりした。ただ最近はガソリン価格などが伸び悩んでおり、前月比では0.2%の上昇にとどまった。 円ベースの輸出物価は前年比で3.0%上昇したが、前月比では1.9%下げた。輸入物価も前
今週の読書はやや先週よりも増えて、学術書である経済書に加えて、ノンフィクションの専門書に小説と新書まで合わせて計8冊でした。以下の通りです。 まず、鍋島直樹『ポスト・ケインズ派経済学』(名古屋大学出版会) です。著者は名古屋大学の研究者であり、出版社と考え併せても、学術書であることは明らかですので、それなりの覚悟で読み進む必要があると思います。いくつか書き下ろしの章があるとはいえ、ほとんどの章は既発表の論文で構成されています。ただ、本書でも指摘している通り、「ポスト・ケインズ派経済学」という一派があるのかどうかは疑わしく、そこはマルクス主義経済学とは一線を画します。もっとも、ケインズによってマクロ経済学が創始されたわけでしょうから、私のような開発経済学を専門とするエコノミストも含めて、成長や物価、開発などをマクロの立場から研究・分析する一派は広い意味でのポスト・ケインジアンと読んでも差し支
本日、厚生労働省から1月の毎月勤労統計が公表されています。景気動向に敏感な製造業の所定外労働時間指数は季節調整済みの系列で前月から横ばいを示し、他方で、現金給与指数は季節調整していない原系列の前年同月比で+0.5%の伸び、特に、そのうち所定内給与は+0.8%増となっています。ただし、消費者物価がすでにプラスの上昇を示しており、物価上昇を差し引いた実質賃金は横ばいとなっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。 実質賃金1月横ばい 物価上昇で押し下げ 厚生労働省が9日発表した1月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月と比べて横ばいだった。名目賃金にあたる現金給与総額は27万274円で前年同月比で0.5%増加した。物価の上昇が実質賃金を名目より押し下げた。実質賃金の力強い回復がなければ、消費の拡大にはつながりにく
本日、総務省統計局から昨年2016年12月の消費者物価指数(CPI)が公表されています。生鮮食品を除くコアCPIの前年同月比上昇率は▲0.2%と10か月連続でマイナスに落ち込んでいます。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。 16年消費者物価、4年ぶりマイナス 原油安響く 総務省が27日発表した2016年の全国消費者物価指数(CPI、15年=100)は値動きの大きな生鮮食品を除く総合指数が99.7と前の年と比べ0.3%下落した。下落は4年ぶり。原油安による電気代やガソリン価格の低下が響いた。同時に公表した16年12月は99.8と前年同月比0.2%の下落だった。 食料・エネルギーを除く「コアコア」の指数は100.3と前の年に比べ0.3%上昇した。宿泊料が2.3%、外国パック旅行費も4.9%それぞれ上がり、教養娯楽の指数が上昇した。衣料1.6%上がったことなども寄与した。生
今週の読書は以下の通り、経済書や専門書に小説と新書も加えて計7冊です。ただし、今週号の経済週刊誌のいくつかで書評が取り上げられた『大統領を操るバンカーたち』上下巻のうちの上巻を読み終えたんですが、タイムリミットで現時点ではまだ下巻が読めていません。さすがに、上巻だけの読書感想文は奇怪な気がしますので、上下巻セットで来週に回します。先週の8冊からはビミョーにペースダウンしたんですが、新書が3冊あって少し冊数としては多い気がしますが、心理的なボリュームとしては私はペースダウンしたつもりになっています。ただし、来週はドッと予約が回って来てしまいましたので、今日は自転車で取りに行くのがタイヘンそうな気がします。せっかく今週ペースダウンしたにもかかわらず、来週は大きくペースアップすること確実です。 まず、小川光[編]『グローバル化とショック波及の経済学』(有斐閣) です。タイトル通りに、ショックの波
今週になって、思わぬ方からクリスマス・プレゼントが届きました。原田泰・片岡剛志・吉松崇[編著]『アベノミクスは進化する』(中央経済社) を共著者のおひとりである三菱UFJリサーチ&コンサルティングの片岡剛志上席主任研究員からご寄贈いただきました。 副題が「金融岩石理論を問う」となっていて、リフレ派の観点から金融政策に関していくつかのの疑問や批判に対して反論したもので、大学の研究者というよりは、なぜか、シンクタンクなどのアナリスト系のエコノミストが多く執筆しています。民間エコノミスト出身の日銀政策委員である佐藤委員と木内委員の任期が来年2017年半ばだったように私は記憶していますので、何か関係があるのかないのか、私にはよく判りません。といった野暮な詮索は別にして、いろんなテーマで勉強になる本なんですが、ハッキリいって「今さら感」いっぱいな気もします。特に最後の12章のマイナス金利は取って付け
本日、財務省から1月の貿易統計が公表されています。統計のヘッドラインとなる輸出額は季節調整していない現系列のデータで前年同月比▲12.9%減の5兆3516億円、輸入額は▲18.0%減の5兆9976億円、差し引き貿易収支は▲6459億円の赤字を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。 貿易収支、1月は赤字6459億円 アジア向け輸出低調、春節も影響 財務省が18日発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6459億円の赤字(前年同月は1兆1737億円の赤字)だった。円安効果が薄まったのに加え、中国の景気減速などを背景に輸出額が前年同月比12.9%減少。2015年12月(1403億円の黒字)から2カ月ぶりの貿易赤字に転じた。2月上旬からの春節(旧正月)を前に、アジア向け輸出を手控える動きも影響したという。原油安で輸
先月10月終わりに経済協力開発機構(OECD)から乳幼児ケアに関する Starting Strong IV: Monitoring Quality in Early Childhood Education and Care というタイトルのリポートが公表されています。このテーマでは第4回目のリポートであり、最初の2001年から2006年、2011年と約5年おきに報告されています。 私はpdfで入手して、250ページ近い英文のリポートですので、とても早々には読み切れないんですが、取りあえず、目についたところで、リポートの p.31 から上のグラフ Figure 1.2. Share of cost to parents and state of early childhood education and care を引用しています。幼稚園や保育園などの就学前教育における家庭と政府の負担割合を
先週金曜日に失業率や有効求人倍率などの雇用統計が公表され、昨日の月曜日に毎月勤労統計が公表されており、現状は踊り場的な様相を呈している足元の雇用指標を大雑把に見つつ、改めて、ほぼ完全雇用に達した我が国の労働市場において、この先、人手不足や原油価格の低下などにより賃金上昇や正規雇用の増加などが進むんではないかとの期待を私は持っています。他方で、規制改革の一環として、雇用は医療や農業などともに「岩盤規制」と称して、正社員の非正規化などが進められようとしており、私はやや疑問に受け止めています。 ということで、雇用に関して、このところ私が考えている論点について、2点ほど自論を展開して見たいと思います。第1に正規雇用と非正規雇用について、私は正規雇用を圧倒的に重視していますが、その理由は、生産性を向上させるための教育訓練と将来展望を持った消費の安定的な支出を考慮すれば、圧倒的に正規雇用を重視すべきだ
本日、内閣府から4-6月期のGDP速報、いわゆる1次QEが公表されています。消費と輸出の停滞から節調整済みの前期比で▲0.4%、前期比年率で▲1.6%のマイナス成長となりました。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。 4-6月期の実質GDP、年率1.6%減 消費と輸出が低迷 内閣府が17日発表した2015年4-6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.4%減、年率換算では1.6%減だった。マイナス成長は3四半期ぶり。1-3月期(年率換算で4.5%増)から一転マイナス成長となった。個人消費が低迷したうえ、輸出の鈍化が成長率の下振れにつながった。 生活実感に近い名目GDP成長率は前期比横ばいのプラス0.0%、年率では0.1%増だった。名目では小幅ながら3四半期連続のプラス成長を保った。 実質GDPの内訳は、内需が0.1%分のマイナス寄与、外需
やや旧聞に属する話題かもしれませんが、いくつかのメディアにも取り上げられたところで、日銀企画局から日銀レビューとして、「『量的・質的金融緩和』: 2年間の効果の検証」と題するリポートが公表されています。取り上げられたといっても、国内メディアはやや関心が薄く、私は日経新聞のサイトで見かけたくらいなんですが、ブルームバーグやロイターでは当然に注目していたような気がします。今夜のエントリーでは日銀のサイトにアップされているpdfのリポートから図表を引用しつつ簡単に紹介しておきたいと思います。 まず、上の概念図はリポートから【図表1】「量的・質的金融緩和」のメカニズム を引用しています。いわゆる異次元緩和により期待物価上昇率が上昇し、実質金利が低下し、それによって需給ギャップの改善などの実体経済への影響が生じる、という関係です。 その上で、実質金利の低下幅をいくつかの方法により推計しています。ES
国際通貨基金(IMF)「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) 見通し編を読む! 今週末からのIMF世銀総会を控えて、日本時間の昨夜、国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し」World Economic Outlook (WEO) 見通し編である第1章と第2章が公表されています。もちろん、全文リポートのpdfファイルもアップされています。このブログの特徴のひとつは国際機関の経済リポートを取り上げることですし、第2章は地域経済見通しですので、第1章に絞って図表を引用しつつ簡単に紹介しておきたいと思います。まず、IMF Survey Magazine のサイトからリポートのポイントを3点引用すると以下の通りです。 World Economic Outlook: Uneven Global Recovery, Complex Underlying Curre
本日、財務省から昨年2014年10-12月期の法人企業統計が発表されています。季節調整していない原系列のベースで統計のヘッドラインを見ると、売上高は前年同期比+2.4%増の340兆9719億円、経常利益は+11.6%増の18兆651億円、設備投資は+2.8%増の9兆7080億円をそれぞれ記録しており、収益をはじめとする堅調な企業活動がうかがい知れます。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。 設備投資、前年比2.8%増 経常利益は最高・10-12月の法人企業統計 財務省が2日発表した2014年10-12月期の法人企業統計によると、金融機関を除く全産業の設備投資は前年同期比2.8%増の9兆7080億円で、7四半期連続で増加した。経常利益は11.6%増の18兆651億円と、比較可能な1954年4-6月期以降で最高だった。円安などの外部環境改善で製造業を中心に業績が回復し、稼い
今日は、年末最後の閣議日で政府からいっせいに主要な経済指標が公表されています。すなわち、経済産業省から鉱工業生産指数が、総務省の失業率や厚生労働省の有効求人倍率あるいは毎月勤労統計などの雇用統計が、さらに、経済産業省の商業販売統計が、最後に、総務省統計局の消費者物価指数が、それぞれ発表されています。いずれ11月の統計です。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトからそれぞれの統計に関する記事を引用すると以下の通りです。 11月の鉱工業生産指数、前月比0.6%低下 3カ月ぶりに低下 経済産業省が26日発表した11月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調節済み)速報値は前月比0.6%低下の97.8だった。低下は3カ月ぶり。10月にプラスに寄与した半導体製造装置などの大型受注が減った反動が出た。QUICKがまとめた民間予測の中央値は0.8%上昇で、市場予想を大きく下回った。生産指数は10月ま
本日、財務省から7-9月期の法人企業統計が発表されています。季節調整していない原系列の金融業と保険業を除く全産業の統計で見ると、ヘッドラインとなる売上高は前年同期比+2.9%増の328兆578億円と5四半期連続の増収、また、経常利益も+7.6%増の13兆9651億円と11四半期連続の増益となり、ソフトウェアを除く設備投資も前年同期比+5.5%増の9兆4383億円を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。 7-9月期の設備投資5.5%増 6期連続プラス 法人企業統計 財務省が1日発表した7-9月期の法人企業統計によると、金融業と保険業を除く全産業の設備投資は前年同期比5.5%増の9兆4383億円で、6四半期連続のプラスだった。建設用資材やスマートフォン向け電子部品の生産能力増強に加え、工場の生産自動化システムなどで設備投資を増やす動きが出た。 設備投資の産業
ご著者よりちょうだいした片岡剛士『日本経済はなぜ浮上しないのか』(幻冬舎) を読みました。副題は『アベノミクス第2ステージへの論点』となっていて、第1ステージの解説とともに、この先の経済政策のあり方などについて展望しています。 まず、アベノミクスの3本の矢の関係については、p.25 図1-1で上のように整理しています。上の画像は著者がご勤務の会社で運営しているサイトにアップしてある「安倍政権の経済政策と2013年・2014年の日本経済」と題するリポートから引用しています。私もほぼ同じ考え方をしていて、第3の矢の成長戦略というのは中長期的な潜在成長率を引き上げる、すなわち、上の図では潜在成長経路を上方シフトさせる、あるいは、傾きを大きくする、または、その両方と考えていて、短期ではおそらく全体の8割くらいは金融政策によるデフレ脱却、成長加速、そして、マクロ経済の安定化を目指しており、ただし、金
本日、内閣府から7-9月期のGDP統計速報1次QEが発表されています。季節調整済みの前期比成長率が▲0.4%、年率で▲1.6%のマイナス成長を記録しました。4-6月期に続いて2四半期連続のマイナス成長であり、テクニカルなリセッションと目される成長率水準といえます。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。 GDP年率1.6%減 7-9月、消費回復に遅れ 内閣府が17日発表した2014年7-9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.4%減、年率換算で1.6%減と2四半期連続のマイナスとなった。QUICKが集計した14日時点の民間予測のレンジ(0.8%増-3.5%増)の下限を大きく下回るマイナス成長となった。消費増税後の反動減からの回復が見込まれていた内需の不振が鮮明になっている。民間設備投資の減少が続いたうえ、天候不順によって
昨日11月11日、国立社会保障・人口問題研究所から2012年度の「社会保障費用統計」が発表されています。2012年度の「社会保障給付費」総額は108兆5,568億円と過去最高を記録し、対前年度増加額は1兆507億円、伸び率は+1.0%となっています。まず、いつもの日経新聞のサイトからこの統計を報じた記事を引用すると以下の通りです。 社会保障給付、最高の108.5兆円 12年度1%増 国立社会保障・人口問題研究所は11日、年金や医療、介護など社会保障の給付が2012年度は108兆5568億円になったと発表した。前の年度から1%増え、過去最高を更新した。高齢者の増加で給付が膨らみ続けており、給付の抑制が急務だ。 社会保障給付費は、社会保障にかかる費用のうち、税金や保険料でまかなった分を示し、自己負担は除く。国民1人当たりに直すと85万円で前年より1.2%増えた。年金が5割、医療が3割、介護など
昨日、この週末のIMF世銀総会に向けて、国際通貨基金 (IMF) から「世界経済見通し」 World Economic Outlook (WEO) の見通し篇第1章と第2章が公表されています。世界経済の成長見通しは7月の「改定見通し」から下方修正されており、特に、消費増税からのリバウンドが低迷している日本の成長率の下方改訂幅が大きくなっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。 世界成長3.3%に減速 14年IMF予測、日本を大幅下方修正 世界経済が緩やかに減速してきた。国際通貨基金(IMF)は7日発表した世界経済見通しの報告書で、2014年の世界全体の実質国内総生産(GDP)増加率を3.3%と、7月時点の予想から0.1ポイント引き下げた。9-10日に開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、成長の底上げに向け、インフラ投資の促進などが議論される見
10月10日からのIMF世銀総会を前に、一昨日9月30日に国際通貨基金 (IMF) から「世界経済見通し」 World Economic Outlook (WEO)の分析編第3章と第4章が公表されています。第3章はインフラ整備の重要性について、第4章は世界的な経常収支不均衡の縮小について、それぞれ取り上げています。章ごとのタイトルは以下の通りです。 Chapter 3: Is It Time for an Infrastructure Push? The Macroeconomic Effects of Public InvestmentChapter 4: Are Global Imbalances at a Turning Point? 分析編の両章を代表するテーマでグラフを1つずつ引用すると、上のグラフは第3章から、Figure 3.5. Effect of Public Inves
今日は月末の閣議日ですから、政府統計の経済指標がいっせいに発表されています。すなわち、経済産業省から鉱工業生産指数と商業販売統計が、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率、毎月勤労統計を含めた雇用統計が、それぞれ公表されています。いずれも8月の統計です。まず、とてつもなく長くなりますが、各統計のヘッドラインなどを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。 8月の鉱工業生産、前月比1.5%低下 市場予想下回る 2カ月ぶりマイナス 天候不順も影響 経済産業省が30日発表した8月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調節済み)速報値は前月比で1.5%低下の95.5だった。低下は2カ月ぶり。生産指数は2013年6月(95.0)以来の低さで、QUICKが29日時点で集計した民間予測中央値(0.3%上昇)を大きく下回った。コンベヤーや数値制御ロボットを含む汎用・生産用・業務
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