フジテレビの面接で出会った。 面接時間直前、お台場駅のトイレで履歴書を書き終えた私は、本社まで走ってた。すでに数百人くらいの就活生が4人ひとくみでパイプ椅子に並んでいて、息を整えつつ最後尾付近にすわった私は係の人に「人数調整のためこちらに」と呼ばれ、めちゃくちゃ前のほうのグループに入れられた。 急遽すわることになったその席の、真横に座っていた男性がリクルートスーツどころかアズキ色のセーターを着ており、手元を見ると彼の履歴書の下半分はぜんぶ彼自身の写真で埋まっていて、名古屋の田舎で育った大学生である私は東京こええええええええええええええええええええええと思った。そう思ったと同時に私は彼に「え、視力いくつですか?」と聞いていた。もはや本能だった気もする。私は小さい時からなぜかずっと「視力のいい人と結婚したい」と思っていて、即答した彼が「0.08です」とか答えた数字が明らかに視力悪すぎだったけど