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アメリカ大統領選
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レビュー 六芒星の上に、「119104」という数字が飾られた表紙。読み進めていくと、それが著者の「被収容者番号」であることがわかる。著者フランクルは強制収容所で、心理学者としてでも、医師としてでもなく、「ただの収容者」としての日々を過ごした。本書は、1942年9月に生まれ育ったウィーンを追われ、チェコ・ポーランド、そしてドイツの強制収容所で2年半を過ごした著者が、そこでの経験を心理学的に解明しようと試みた記録である。 第二次世界大戦時のドイツの状況は多くの人々が知るところであるが、強制収容所での体験をここまで生々しく、そして極めて冷静に記した書物はそうないだろう。しかし本書の目的は批判や告発などではなく、「人生とは何か」をあぶりだすことにある。フランクルは、過酷な環境によって損なわれたものではなく、むしろ損なわれなかったものに目を向けた。そして、「どんな状況であっても人生には意味を見出すこ
レビュー 「日本はタテ社会だ」とよく言われるが、果たしてその本質を説明できるだろうか。日本社会の構造、組織のあり方という、古くて新しいテーマに関する問題点を浮き彫りにしてくれる不朽の名作が本書だ。 本書は、社会人類学者の中根千枝が1967年に出版した日本論であり、半世紀近く読み継がれているベストセラーである。日本の社会構造に関する、精緻な分析に基づいた著者の理論は、今でも色あせることがない。なぜなら、時代が移り変わっても、社会や組織の構造は簡単には変化しないためだ。 著者によると、日本社会では、「場」、つまり会社や大学という枠が、集団構成や集団認識において重要な役割を果たしているという。こうした社会では、「ウチの者」「ヨソ者」を差別する意識が強まり、親分・子分関係、官僚組織によって象徴される「タテ」の関係が発達し、序列偏重の組織を形成する。そして、リーダーと集団との関係、メンバー同士の関係
レビュー 本書は、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のもつノウハウの中核部分を日本で初公開したということで、特にコンサルティング業界で必読の書とされている一冊だ。著者はBCG日本の代表であり、事業戦略のプロ中のプロとして知られる御立尚資氏である。著者の語り口は簡潔であり、それでいて示唆に富んでいる。 マイケル・ポーターに代表されるアカデミックな戦略論を学ぶだけでは、定石・定跡の域を出ることができず、プラスアルファの価値を提供することはできない――数々の実戦経験を経てきた著者はそう断言する。周囲と差をつけるためには、これまでになかった価値を提供することが必要である、と。 新しい戦い方を生み出す能力を、BCGでは「インサイト(Insight)」と呼んでいる。本書の素晴らしい点は、このインサイトを身につけるための手法が具体的に解説されているだけでなく、いくつもの事例や問題が解答例つき
レビュー 人工知能の急激な進化によって、2045年頃に技術的特異点が訪れるといわれている。技術的特異点とは、科学技術の進歩するスピードが予測不可能なほど高速になる瞬間を指す言葉だ。これを受け、人間より賢くなった人工知能がいずれ人類と敵対するのではないかと危ぶむ声も出ている。天才理論物理学者のホーキング博士が、「人工知能の開発は人類の終焉につながるかもしれない」と発言したほどだ。こうした技術の進化とどう向き合えばいいのか。 気鋭のロボット工学者である著者は、人工知能やロボットなどの革命的な科学技術が席巻しつつある中で、私たちの価値観や人生観も一変するだろうと述べている。つまり、人工知能導入や特異点突入のリスクについて議論を重ねるだけでなく、「特異点突入後の世界の到来を、本当に人類は望んでいるのか」、「そもそも人類は究極的にどこにたどり着きたいのか」という根源的な問いに、私たち一人一人が向き合
レビュー 今日の世界を見渡してみると、大国アメリカが世界をリードし、ここ数十年で破竹の勢いで国力を伸ばしている中国は世界の工場として君臨、我が国日本も戦後高度成長を遂げ、国土は小さいながらも世界有数の経済大国として位置づけられている。しかし、今では当たり前であるこのような情勢は、人類の歴史においてはほんの最近のことであり、アメリカが真に世界の覇権を握るようになったのもここ1世紀ほどのことである。 今ではなかなか考えにくいが、16世紀~17世紀はアジアが世界の中心であった。中国の王朝のみでなく、インド大陸から西アジアにかけて複数の王朝が繁栄し、栄華を極めていた。18世紀末になると、イギリスで始まった産業革命がヨーロッパ各地に波及し、諸国で工業化が進展するとともに、市民革命でいち早く「国民国家」の意識が育まれたこともあいまって、19世紀にはヨーロッパが世界の覇権を握るようになる。ヨーロッパ列強
今回登場するのは、企業の中で働く新規事業担当者を支援する石川 明さん。 リクルートで「ゼクシィ」などの数多くの新事業を生み出してきた社内の起業提案制度「New RING」の事務局を7年務め、自身でもいくつかの新規事業を立ち上げました。 その後、2000年にインターネットの総合情報サイト「All About」を運営するオールアバウトを起業し、2010年に独立。 早稲田大学ビジネススクール研究センター研究員、SBI大学院の教員、企業研修講師、企業のアドバイザーを務め、これまで社内起業家3000名の育成・事業化支援に従事。 社内起業のスタートから事業化までの知見をまとめた『はじめての社内起業』を上梓された石川さんに、新規事業をうまく立ち上げるための心得を伺いました。 社内起業ならではの壁とは? 『はじめての社内起業』を拝読して、社内起業ならではの壁をどう突破していくかが体系的に解説されていたのが
今回登場するのは、株式会社ビービット代表取締役の遠藤直紀さんと取締役の武井由紀子さん。ビービットは、ユーザーの「人間心理」に基づいたデジタルコンサルティングに加え、新たに「顧客ロイヤルティ」を高めるためのコンサルティングをスタートしました。顧客ロイヤルティを高めるためにはサポートセンターの設置などコストがかかってしまうと考えてしまいがちですが、果たして本当に利益につながるのでしょうか? コトラーに聞いた、「顧客ロイヤルティ」は単なる理想論か? ビービットが顧客ロイヤルティについてのコンサルティングを始めた経緯を教えていただけますか? 遠藤直紀さん(以下、遠藤):ビービットはデジタル領域でのコンサルティングからスタートした会社です。 インターネットって「セルフサービス」ですよね。サポートを受けたりマニュアルを読んだりしなくても、自分で使い方に慣れていくものなので。だから、ちょっとでも使いづら
今回登場いただくのは、株式会社あさ出版で宣伝・PR担当を務める井手琢人さん。 異業種とのコラボ企画も打ち出し、テッセイを一躍有名にした『新幹線 お掃除の天使たち』などのブームの火付け役となってきました。 また、「サザンオールスターズ」「ラーメン」「本」をテーマにしたUstreamの番組「今3時?そうねだいたいね」ではパーソナリティーを務め、Facebook、ブログ、イベントなど多種多様なメディアでのプロモーション戦略を仕掛けておられます。 読書人口が減っていくと危機感を募らせる出版業界の課題とは何なのか。 本と潜在読者との接点を増やすべく、井手さんが打ち出す斬新な宣伝・PRの裏側に迫ります。 人々の24時間の使い方が変わった。潜在読者と本との接点をどうつくるか? テレビ局のWOWOWから、あさ出版さんの宣伝・PR担当へと転身されたきっかけは何でしたか。 井手 琢人さん(以下、井手):WOW
今回登場いただくのは、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)を経て、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー極東アジア共同代表、Bain & Company 東京事務所代表パートナーなど外資系コンサルティング会社の日本・アジアのトップとしてご活躍されてきた山本真司さんです。いまも現役のコンサルタントとして多数の有名企業に助言しているほか、最近では若手のベンチャー企業に出資されるなど、投資家としても活動中。日本屈指のブレーントラストの「読書観」に迫ります。 一流コンサルタントの読書術——本に読まれてはいけない! コンサルタントとして活躍するには、まず情報収集がキモだと思いますが、普段どのように本を読んでいらっしゃるんでしょうか? 山本真司さん(以下、山本):僕は昔からウルトラ積読派なんですよ。その時のアンテナにちょっとでも触れるような本があれば買っちゃいますね。執務室として使っている
レビュー 「ビジョンはいらない」「モチベーションは上げない」「イノベーションは目指さない」。これが、LINEを世界数億人のユーザーを誇るグローバルサービスにした立役者の言葉だと知ったら驚く人もいるのではないだろうか。 著者の森川氏は、2015年3月までLINE株式会社の社長を務め、ネットの動画メディアを運営するC Channel株式会社を起業した。本書は、LINEという画期的なサービスを育ててきた森川氏の、シンプルな「経営で成功する本質」をまとめた第一作である。森川氏はこう断言する。「ビジネスの本質は、ユーザーが本当に求めているものを提供し続けること」。そのために、森川氏は、ユーザーのニーズに応える情熱と能力を持つ社員だけを集め、彼らの能力が最大限に発揮される環境づくりに注力してきたという。冒頭の言葉は、一見、これまでの常識に反するが、本書を読めば、うなずける点が多くあるのではないだろうか
後の世に何か遺すことができないか。こうした考えは多くの人が持つところである。だが何を遺すべきかは決して簡単な問題ではなく、正面から向き合って考えると非常に広く深い問題を含んでいる。 この本の著者である内村鑑三は日本を代表するキリスト教指導者であり、『代表的日本人』や『余は如何にして基督信徒となりし乎』など多くの古典的著作がある。その中でも代表的なものの一つとされる『後世への最大遺物』は、明治27年に箱根で行われた講演をもとにした書籍である。その講演の中で内村は、後世へ何を遺すべきかという問題について明快に語っている。 『後世への最大遺物』というタイトルは一見難しくも思えるが、中身は語り口も平易であり、ところどころに冗談も織り交ぜた読みやすいものだ(講演内容を文字にしているため、「満場大笑」や「拍手喝采」などその当時の様子も伝わってくる)。ページ数も少なく、短時間で読了できるだろう。しかし、
「あかるく・たのしく・すこやかに」といった標語を学校などでよく見かける。小学校に入ると、たくさんのクラスメートがいる。そ...
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