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気になっていたポスターがあります。ある展覧会のポスターなのですが、光朝で組まれたこの画家のお名前、最後の「三」の字の座りが悪い……。一文字だけ横画を太らせているのです。 強いコントラストが特徴の光朝ですから、「三」のように横画ばかりの文字は、太い縦画がないぶん他の文字より弱く見えるのは道理です。しかしだからといって、この例のように一文字だけ手を加えてしまうと、バランスがおかしくなって美しさが損なわれるように感じます。 ところが先日、東京国立博物館にまた別の展覧会を見に行ったら、さらに度肝を抜かれてしまいました。入館すると音声ガイドのポスターが目に飛び込んでくるのですが、ナレーション役の俳優さんのお名前が次の画像のように組まれていたのです。 たぶん小塚明朝です。最後の一文字をご覧ください。解説するまでもなく、漢字の「二」であるべき文字がカタカナの「ニ」になっています。はじめの例と同様の意図で
フリーソフトながら必要十分の機能を提供してくれていた FontExplorer X が、このたび大幅バージョンアップされ、同時に有料化されました。有料になったのは残念ですが、とりあえず即購入。試してみました。バージョン2.0(Build 2879)です。 まず見た目が今風なりました。 基本的に iTunes に似せて作っているようですが、旧バージョンは、もはや太古の昔にさえ思える iTunes 4 あたりが下敷きになっています。今の目で見ると率直に言って古くさく、不満でした。新バージョンはかなり印象が変わり満足です。本質的なことではないですが、個人的には見た目だけでもバージョンアップの価値あり、です。 機能はそれほど大きな変化はないように感じます。ファイルのサイズは旧バージョンに比べて激増していたのですが、それと使用感とは別の問題なようです。 重要な新機能もあります。カーニング情報を扱うこ
先日のエントリ「英文の本文を組む」の続編です。2文字で分綴してしまうのは良くないと書いたのですが、はてなブップマークで「なぜ?」とのコメントが寄せられているのを見つけました。ブックマークには返答する必要はないのだとは思いますが、せっかくですからもう少し説明をしたいと思います。 2文字での分綴そのものが悪いと言うつもりはありませんでした。もしそれが普通のハイフネーションのルールだと受け取られた方がいたとしたら、そうではありません。分かりにくい書き方ですみませんでした。 上図は腕の確かなタイポグラファによる活版の本です。ひとつの段落に3ヵ所も2文字での分綴があります。 前回のエントリの趣旨は、(InDesign CS3 を使う場合)各行の濃度を均等に保つための主な手段に、ハイフネーションを使うことと、ジャスティフィケーション設定を工夫することがあって、後者を優先した方が良い結果が得られるのでは
ゴシック体は「サンセリフ」とイコールではありません。セリフのようなアクセントがついている場合があるからです。例えばモダンな佇まいがする小塚ゴシックにも、しっかりと始筆の打ち込みがついています。 ほんとうに「サンセリフ」なゴシック系の書体としては、AXIS、新ゴ、ロダン、ナウ、シーダ、ヒラギノ角ゴ、平成角ゴシック、などがあります。それらの中でも特にキレイだと個人的に感じるのは、タイプバンクゴシック(TBゴシック)です。 TBゴシックはアクセント類が全然ついてないのに、バランスが崩れることは稀ですし、どんな単語を組んでも不自然さを感じさせません。文字のデザインについては全くの素人なので、なぜそうなるのか解らず、不思議に思っていました。そこで、拡大してじっくり眺めてみました。 ご覧ください。視覚調整がものすごく大胆になされています。手元にある似たような書体もいくつか眺めてみましたが、とくに上図の
Berthold Baskerville Book Pro のグリフ一覧を見ていたら、おもしろいものを見つけました。括弧類とかダッシュなどの記号は、小文字に揃えてある通常のものだけでなく、大文字用字形も用意されています。大文字用字形といっても、上に若干ベースラインシフトさせただけです。でも、かなり便利そう。 ブラケットは [ { ( ) } ] の3種類がちゃんと揃っています。他にもギュメ2種類、emダッシュ、enダッシュ、ハイフン、天地中央の点、など。 大文字用字形が入っているフォントは多くはないですが、他にもあります。知っている限り挙げると、Cronos Pro、Adobe Jenson Pro、Scala Sans Pro には、Baskerville Book Pro と同じような約物が入っていました。Optima nova も約物のバリエーションが多いフォントです。
Frutiger Serif や Frutiger Condensed Italic、さらには Eurostile Next とか、ライノタイプから要注目の新書体が次々とリリースされるこの頃。でも、あまり手頃な価格とはいえません。少しでも安くライノタイプのフォントを買いたい。 日本代理店はもちろん、最近ではドイツのライノタイプ・ライブラリから直接購入しても、いろいろ買い集めると高くつきます(と個人的には感じます)。そこで調べてみたところ、ちょっと割安に買える方法を見つけました。ITC のサイトで、ドル建てで買うのです。 推測ですが、ユーロ建ての価格とドル建て価格は、それぞれ独立してつけられているようです。日本円に換算すると、結構差が出てきます。2008年5月現在、ドイツから買うのに比べると、おおむね3割ぐらい安くなるような感じです。 もちろん Monotype の Fonts.com でも
バスカーヴィルは金属活字とデジタルフォントの違いが大きい書体です。活字といっても18世紀のオリジナル版のことは良くわからないので、20世紀の Monotype Baskerville (Series 169) のことですが。モノタイプ活字版は最高の書体の一つだと思います。なんとかその雰囲気をデジタルで再現できないでしょうか。いろいろ考えてみました。 バスカーヴィルの特徴としては「コントラストが強い」ことが良く指摘されます。しかしモノタイプ活字版は、DTPでの印刷物に慣れた今日の眼で見ると、それほどコントラストが「強い」ようには見えません。私の主観で表現すると、コントラストが「艶かしい」という感じに見えます。端正なフォルムと、絶妙なコントラストの両立。美しいですね。 この写真は1958年にイギリスで印刷された本です。11ポイント活字を行間ベタで組んでいます。 横幅がやや広い。字間が狭い。にも
和文フォントの従属欧文のデザインは、たいがい難ありです。キレイな欧文混じりの文を組むためには、欧文フォントを合わせて使います。何と何を混植すればよいか、頭を悩ませるのは楽しいものです。 しかし本当に悩んでしまうこともあります。みなさんリュウミンのLには何を合わせていますか? 和欧混植についてこと細かく解説している工藤強勝氏の著書『デザイン解体新書』でも、リュウミンLには何も触れていなかった記憶があります。 欧文のセリフ書体の場合、細いウェイトまで揃っているフォントは少ないので、リュウミンLと黒みのバランスをとるのは簡単ではありません。ましてやデザイン面での相性を追求しはじめると、至難の業になってしまいます。 上図は従属欧文でそのまま組んだもの。現行の OTF 版の従属欧文は Century 系です。Century Oldstyle は写植時代以来の定番ですが、リュウミンの書風に合っていない
気になっていたサンセリフ書体に URW Grotesk があります。古典的な印象とヒューマニスティックな雰囲気をあわせ持った、不思議な魅力がある書体です。 ところが先日、『ヘルマン・ツァップのデザイン哲学』を読んでいて、発見してしまいました。URW Grotesk をデザインしたのは、どうやらツァップ氏その人のようなのです! 彼の書体の大ファンとしては、それだけでなんだか嬉しい気持ちになりました。 同書によれば、「大文字のプロポーションは、ローマ皇帝トラヤヌスの銘文からとっている」とのこと。なるほど。 トラヤヌスの銘文をもとに作られた書体の Trajan と比べてみると、たしかに非常によく似ています。そして、Linotype Univers や Neue Helvetica と比べてみると、URW Grotesk の特徴がよくわかります。
これまで2台の MacBook を使ってきて、騒音が気になったことはほとんど皆無でした。けれども、内蔵ハードディスクを500GBのもの(サムスンHM500LI)に換装してみたら、ハードディスクの回転音が気になるようになってしまいました。 それまで使っていたウェスタン・デジタル製250GB(WD250BEVS)の時に比べると、かなり盛大な音が鳴り続けています。サムスン製にしたのがいけなかったのか、それとも2.5インチにプラッタ3枚だと無理があるのか、理由は分かりません。 ただし騒音と言っても、人によっては気にならないかな、というレベルです。自宅ネットワークのサーバにしていて、寝室に置いて常時電源オンにしています(Insomniaを使用)。夜になるとうるさくて気になる、といった程度です。置き場・使い方が悪いといえばそれまでなのですが。 そこで対策。Mac Pro の共振防止にまずまずの効果があ
欧文フォントを買ったり調べたりするとき、よくライノタイプのサイトを訪れます。見本などの情報が充実しているし、一度購入したフォントは何度でもダウンロード可能なので、とても便利な上に安心です。 ところで、おぼろげな記憶なので間違っていたら申し訳ないのですが、すこし前までは、ライノタイプで販売されている ITC 系のサンセリフのほとんどは、スモールキャップもオールドスタイル数字もついていなかったと思います。 けれども、つい最近気がついたのですが、今ではかなりの割合で、ITC もスモールキャップ等が含まれているバージョンが販売されているではありませんか。 そこで ITC 本家のサイトに行って調べてみました。20MB もある見本帳がダウンロードできるのでざっとチェックしてみたことろ、サンセリフ系のうち、 スモールキャップもオールドスタイル数字もあるもの: ITC Conduit ITC Dyad
FM STUDIO さんのブログを読んでいて、いろいろ出ている Futura の比較検討をしている記事をバックナンバーの中から見つけました。文字好きにとっては黙っていられない話題です。 この記事には「出来具合を比較するなら、Obliqueを比較すべし」とのコメントが付けられています。そこで早速、手元にある Futura を使って比較検討してみました。 どちらも同じ「Bold Oblique」です。でもこうして並べてみると、メーカーによってずいぶん違うことがわかります。下は正体を機械的に傾けたもののようで、ひしゃげた印象を受けます。とくに G や O は、歪みが気になって仕方がなくなってきました。それに対して上は、ちゃんと斜体独自のデザインです。 全部のバージョンをチェックしたわけではありませんが、少なくとも Neufville Digital(ND)と URW++ のバージョンは、機械的な
Bembo はとても好きな書体です。Bembo で組まれている本を手に取ると、それだけで幸せな気分になれます。しかしそれは「活字」の話。デジタルフォントでも Bembo はもちろんありますが、活字とは全くの別物といいたくなるものです。デジタル版の Bembo もよく書籍の本文に使われていますが、印刷の具合によっては、細すぎて目がチカチカして悲しくなることもしばしばです。 デジタル版の Bembo(よく Adobe の Bembo と呼ばれているやつ)は、多方面から批判されてきました。しかしちょっと前に、汚名挽回を狙った改刻版が登場しました。Monotype 謹製の Bembo Book です。また、Bembo と兄弟筋にあたる書体 Poliphilus と Blado は、デジタル版もなかなか興味深い仕上がりです。そこで、Bembo、Bembo Book、Poliphilus & Blad
Adobe Garamond にはずいぶんお世話になりました。欧文フォントのなかでもとくにポピュラーなので、安心して使えたのです。しかし CS2 のオマケについてきた Garamond Premier がある今、どの Garamond を使えば良いのかという悩みは、より一層深くなりました。 そこで今回は Adobe の新旧 Garamond 対決です。 Premier になっていちばん変わったことは、オプティカル・スケーリングになっていて、バリエーションが激増したことでしょう。その他にはどんな違いがあるのでしょうか。 たぶんいろんな修正が入っているのだとは思いますが、とくに気がついたのは、字の並び方ががらりと変わったことです。上が古いバージョンで、下が新しいバージョン。基本的には字間が狭くなっていることがわかります。 もともと Adobe Garamond はやや詰まり気味でした。個人的に
小塚明朝と小塚ゴシックは、いろいろなアドビ製品のおまけについてくるので、いつのまにか自分のコンピュータにインストールされてしまいます。しかも Pro と Std の両方があるので、フォントのフォルダは「Koz」がずらり状態に。 せめて Pro か Std かどちらかをアンインストールしたいなあと思案していたのですが、その前に両者の違いを知っておこうと思いたち、少し調べてみました。 グリフの数が違うのは当然として、ほかにも、(1)横組み用かなと縦組み用かなが使えるのは Pro のみ。(2)従属欧文のイタリックが使えるのは Pro のみ。(3)従属欧文のペアカーニングが設定されているのは Pro のみ。といった違いがあるのが分かりました。 (1)についてですが、何よりゴシックの横組み用かなは、水平の流れが強調されており、ずいぶん印象が異なります。個別の字でみると「ふ」や「む」あたりは、まった
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