内田樹氏の著書『呪いの時代』にまつわる記事が注目を集めているが、折しもつい先日、記事内にある下記の一節を端的に示す事件があったので紹介したいと思う。 呪いというものを、僕は「記号化の過剰」というふうに理解しています。人間を生身の、骨肉を備え、固有の歴史を持つ、個性的な存在だと思っていたら、呪いはかからない。呪いというのは、人間の厚みも深みもすべて捨象(考察の対象から切り捨てること)して、一個の記号として扱うことです。 事件とは、ある人物がツイートを捏造されて2ちゃんねるに晒され誹謗中傷を受けたというものだが、詳細については被害にあった方のブログ「Twitterの発言を捏造されて2ちゃんねるで炎上した件について」を参照していただきたい。 ここではまさに、「呪い」と「記号化」が行われている。スレッドを見る限り、唐突に情報の捏造という形で「呪い」をかけ、よってたかって個人を特定し、犯人という「記
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