はじめに ゼロ年代の児童文学の流れのひとつであったライトノベル化について簡単にまとめたいと思います。児童文学界においてライトノベル的なものは、ポプラ社系列の作品などだいぶ前から細々と存在していました。しかし、ゼロ年代中盤から現在に至る、ソフトカバーのライトノベル児童文学レーベルが10前後も乱立するようなブームが起こったのは初めてです。このブームの直接の起点は、児童書文庫を代表する老舗レーベルであるフォア文庫青い鳥文庫のライトノベル化が本格的に始まった90年代後半あたりからであると理解するのが妥当であると思われます。 では、ゼロ年代にライトノベル化が加速した外部的な要因として考えられるものを挙げてみます。 「ハリ・ポタ」ブームの余波で、棚ぼた式にファンタジーが市民権を得たこと マンガ・アニメ・ゲーム・ライトノベルなどのサブカルチャーの成熟 おそらくこのあたりの影響で、時代の波に乗ったという面