「フクシマ・ゴーストタウン」(根津進司・社会批評社・単行本1500円)を読みました。昨日から書店販売の最新刊です。300枚の写真を使ったフォト・レポートですから「見ました」と言うべきかもしれませんが、そのメッセージは強烈です。 放射能対策で警戒区域とされている20キロ圏は、機動隊により厳重に封鎖されてメディアにも立ち入り禁止にされていますが、著者は「何か都合の悪いものを隠しているのではないか」と思ったそうです。その警戒網をかいくぐって、放射線量も綿密に測定しながら、隠された地域の現状を写真とともに報告しているのがこの本です。 常磐線の駅ホームには、上下線に列車が止まり、発車ベルを待っているかのようです。駅前には通勤や通学の自転車が整然と並んでいます。しかし、そこは半年前の「あの日」のまま止まっているのです。町には人影はもちろん、小動物や昆虫さえもいなかったような気がすると著者は書いています