欧米政治、既存の対立構図が色あせ、「エリート対庶民」軸に 【ローマ福島良典】8日の米大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ氏(70)が国民の不満を吸収して勝利し、エリート主義に対抗するポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭が浮き彫りになった。経済と社会のグローバル(地球規模)化に伴う貧富の格差や移民流入への反発は欧州でも強まっている。米大統領選の結果は今後の国際政治の潮流にも影響を及ぼしそうだ。 「人種・宗教上の偏見を拡散している」。国連人権部門トップのゼイド国連人権高等弁務官は今年9月、トランプ氏やオランダの極右政党・自由党のウィルダース党首(53)、仏極右政党・国民戦線のルペン党首(48)ら「民族主義の扇動政治家」の差別的な言動を批判した。