人手不足を補うには、外国人労働者の受け入れ拡大はやむを得ない。与党のみならず、多くの野党も認識を共有するはずだ。本質を外れ、駆け引きに終始したのは残念である。 出入国管理・難民認定法改正案が自民、公明両党と日本維新の会の賛成により衆院を通過した。審議の舞台は参院に移った。 論点が多岐にわたる法案にもかかわらず、衆院での審議は17時間余りにとどまった。与党は、成立を確実にするため採決を急いだ。野党は、山下法相の不信任決議案を提出して、抵抗した。国会運営を巡る不毛な対立は目に余る。 法案は、新たな在留資格を設け、人手不足が深刻な業種に限って、労働者を受け入れる内容だ。 日本人の働き手を確保できず、外国人労働者に依存しなければ、成り立たない業種は多い。現実を直視し、建設的な論戦を展開するのが国会の役割である。 衆院の審議では、受け入れ人数の「上限」が焦点となった。 政府は、業界の要望などを基に、