12月11日(日本時間)、イベルメクチンという薬の開発への貢献でノーベル医学・生理学賞を受賞した北里大学特別栄誉教授の大村智氏が、同じくイベルメクチンの開発に携わった米国ドリュー大学名誉研究フェローのウィリアム・キャンベル氏、マラリア治療薬の開発で受賞した中国中医科学院終身研究員兼首席研究員のト・ヨウヨウ氏と共に、スウェーデン・ストックホルムで行われた授賞式に臨みました。今回は、大村智氏とウィリアム・キャンベル氏の研究がどのような形で医療現場に届けられたのかを紹介しながら、医療の発展のために考えなくてはならない課題を考えます。 今回、2人がノーベル賞を受賞することになった研究は、1970年代に静岡県で始まります。自然界にある微生物の研究を専門にしている大村氏は、静岡県伊東市にあるゴルフ場の土壌から「放線菌」と呼ばれる新種の細菌を発見しました。 ちょうどその頃、ペニシリンやストレプトマイシン