近隣諸国との友好関係は重要だが、しばしば感情的な議論に巻き込まれるので、少し億劫でもある。その一方で、「安全保障」の問題はそれ以上に重要だと思うので、今回はこのテーマを真剣に考えてみたい。この関係でも感情論は避けられないだろうが、「我々の生命と財産、自由と尊厳が直接脅威にさらされるのを防ぐ」のが「安全保障」なのだから、感情論にかまけている余裕はないだろう。 結論から先に言うなら、私は今回の安倍首相の新安保体制の議論の進め方には非常に不満だ。「このタイミングでやってしまおう」「解釈論で乗り切ろう」という結論をあらかじめ出してしまっているかのようなので、議論に誠意が感じられず、それ故多くの反発を招いてしまっている。本来は「憲法改正」という「王道」で進めるべき事を「解釈論」でごまかそうとすれば、真剣な国民的議論の機会を自ら放棄する事になり、基本的に同じ考えを持っている人たちの心までが離れてしまう