戦後70年の終戦の日、東京・九段の靖国の杜(もり)には酷暑の中、早朝から多くの人々が参拝に訪れた。国に命をささげた人々の御霊(みたま)に、改めて哀悼の意を表したい。 靖国神社には幕末以降、国に殉じた246万余柱の御霊がまつられている。このうち213万余柱は先の大戦の戦没者である。 安倍晋三首相は自民党総裁として玉串料を奉納した。名代の萩生田光一総裁特別補佐に「ご英霊に対する感謝の気持ち、靖国への思いは変わらない」と言葉を託したという。 閣僚では、有村治子少子化対策担当相、高市早苗総務相、山谷えり子拉致問題担当相の3人が参拝した。 安倍首相は第1次政権時代に靖国神社に参拝できなかったことを「痛恨の極みだ」と繰り返し語っていた。現政権では一昨年暮れに参拝を実現させたが、その後は参拝していない。 靖国神社はわが国の戦没者慰霊の中心施設である。伝統文化に従って戦没者を追悼することは、どの国の指導者