東日本大震災で大きな被害を受けた東北新幹線が29日、全線で運行を再開したが、沿岸部のJR在来線や自治体出資の第3セクター鉄道は、線路や駅舎が津波に流されるなど被害が甚大で復旧のめどは立っていない。 被災地の復興で住宅街などが高台に移れば、線路のルート変更を迫られる可能性もあり、先行きを不透明にしている。 震災で不通となっているJR在来線は、仙石線・東塩釜―石巻、石巻線・前谷地―女川、気仙沼線・柳津―気仙沼、常磐線・亘理―四ツ倉、大船渡線・気仙沼―盛、山田線・釜石―宮古、八戸線・久慈―階上の区間。青森県から福島県の、いずれも太平洋岸を走る路線だ。JR東日本はバスの代替輸送などを行うが、里見雅行・仙台支社長は「(完全復旧には)数年かかる」としている。