ルネサスエレクトロニクスが危機にあるようだ。5月22日には数百億円の増資と6千人規模の人員削減が各紙に報道された。続いて、台湾大手とマイコン事業で業務提携するとの報道が出た。 日立製作所と三菱電機の事業を統合して2003年に誕生し、2010年にはNECエレクトロニクスが合流した。半導体産業を復活させるための企業だから、発足当時から、重複する生産ラインの削減やそれに伴う人員整理といったリストラが最大の経営課題だった。 しかしリストラは一向に進まなかった。有価証券報告書を遡って調べたが、連結ベースで、2007年3月期の従業員数は23982名で、2010年には22071名。NECエレクトロニクス合流後の2011年には46630名に増加し、2012年度第3四半期末は44014名。2011年5月19日付の日本経済新聞電子版によれば、従業員一人あたり売上高は2441万円とインテル(4280万円)の6割
1990年から2010年の間に国内総生産が4倍になった中国。中国の富裕層は以前より少し幸福感が増しているが、低所得層では生活の満足度が急激に落ちているようだ。 20年にわたる急速な経済成長の結果、中国の人々はそれほど幸せになっていないという調査結果が発表された。 全体的にみれば、中国の富裕層は以前より少し幸福感が増しているが、中間所得層ではほとんど変化が見られない。そして低所得層では、生活の満足度が急激に落ちているようだ。 「ひとりあたりの消費水準が4倍に改善した結果として期待されるほど、生活満足度が大幅に増加している証拠はない」と、『Proceedings of the National Academy of Sciences』に5月15日付けで発表された論文を執筆した研究者たちは書いている。主著者は南カリフォルニア大学の経済学者リチャード・イースタリンだ。 イースタリン氏は、経済成長で
相模原市の中学生徒が小学校低学年の児童をいじめている画像がインターネットの動画サイトに投稿された問題で、生徒が通う中学校に非難や苦情の電話が殺到する騒ぎになっていることが24日、分かった。神奈川県警は軽犯罪法違反(つきまとい行為)の疑いもあるとみて、写っていた生徒らから事情を聴くなど捜査を始めた。 映像には路上で男子生徒が、黄色い帽子にランドセル姿の児童に背後からわざとぶつかり「おい、いてえんだよ」などと因縁をつけて泣かせる様子が写っている。撮影している生徒が笑う声も入っていた。 学校や県警によると、投稿されたのは今月中旬ごろ。学校には21日から非難の電話などが数百件あった。写っていた生徒らに問いただすと「申し訳ない」と事実を認めたという。 学校は22日に全校集会、23日には臨時の保護者会を開き、事情を説明した。
【ニューヨーク=黒沢潤】米紙ワシントン・ポストは23日、1面で大阪の橋下徹市長に焦点を当てた長文の記事を掲載した。見出しは、「炎のような市長(の活躍の裏に)日本社会の不満」-。 記事は冒頭、橋下氏を「うんざりした(日本)社会の産物」「民衆扇動家」と形容。その上で、日本の「眠ったような現状を完全に変貌させたい人物だ」と紹介している。 橋下氏の政治スタイルについて「(米国の草の根政治運動)ティー・パーティー(茶会)のように『小さな政府』を志向する」と述べ、その強力な指導力から「(ファシズムに引っかけ)『ハシズム』と呼ぶ人もいる」としている。 また、「野田佳彦首相並み」に有名だとして、支持率が首相の3倍に上ると指摘。橋下氏の鋭い舌鋒(ぜつぽう)の矛先が増税や震災復興、エネルギー政策などで十分な指導力を発揮できない国家に向けられているとして、「このままでは日本は3年から5年で沈む」との発言も紹介
民主主義社会においては、しばしば「民意」は「錦の御旗」になります。それは、権力の正統性を民意に求めるということではなく、「民意」の「旗」を振ることに求めることといってもいいと思います。残念なことに、そのことがこの社会で、大衆を服従させる、もしくは沈黙させることに有効である、とみるからこそ、偽装してまで「民意」の旗を獲得しようとする輩が、しばしば登場するのを、われわれは目にすることになるわけです。 したがって、われわれがこの社会の一員として、常に注意を払うべきなのは、「民意」として振られているものが、本当に「民意」といえるものなのか、ということともに、それが「民意」の反映よりも、大衆を服従・沈黙させる方に真の目的があるものではないか、ということだと思います。 国民の常識を裁判に反映させることを謳い文句とする裁判員制度についても、こういうことが当初から言われています。国民が直接司法に参加しても
むずかしい話が続いたので、たまにはお笑いネタを紹介しておこう。自民党は、10年間で総額200兆円の公共事業を行なう国土強靱化法案を、6月に国会に提出するそうだ。名目は「災害対策」だが、要するに土建業界に金を配って「昔の自民党」の栄光を取り戻そうという発想だ。その教祖は、藤井聡氏。彼の話は、まるで吉本みたいで笑える。 これはアゴラで辻元氏が紹介したものだが、藤井氏は例の中野剛志氏の師匠だ。「京大教授」ということで権威があると思っている人もいるようだが、彼は工学部の教授。話の中身は、経済学部では1年生にも笑われる「原始ケインズ主義」だ。まず何でもいいから政府が金をばらまけという話があり、その理由づけに防災が出てくる。200兆円の国債が消化できるのかという問題には「日銀が引き受ければいい」。それでインフレになったら「デフレが止まって一石二鳥」。 自民党は野党なので、この法案が成立する可能性もない
社会学者の橋本健二さんは四半世紀にわたって、居酒屋巡りを続けてきた。単に酒好きだからではない。格差の拡大や貧困の問題を考える上で、絶好の現場だからだ。 ▼フィールドワークの成果をまとめた『居酒屋ほろ酔い考現学』(毎日新聞社)のなかで、言い切っている。「居酒屋へ行けるということは、人権の一部だ」「居酒屋が衰退すれば、おそらく社会の安定は大いに損なわれるだろう」と。 ▼福岡市役所職員にとって大事な人権の一部が、1カ月の限定ながら侵害される事態に陥った。高島宗一郎市長(37)が打ち出した、前代未聞の「自宅外禁酒令」によるものだ。対象は教員を含めて、計1万6300人にも及ぶ。 ▼法的な裏付けはなく、職員の間からは、「やりすぎ」との批判の声が上がっている。市役所周辺の居酒屋は、売り上げの大幅ダウンが必至だ。ただ、高島市長の決断もやむを得ないと思えるほどに、酒がらみの不祥事が続き過ぎた。 ▼今年2月に
電力市場の改革を検討する経済産業省の専門委員会が、家庭用を含めて電力販売を全面自由化する方針を示した。来年の通常国会に電気事業法改正案を提出し、数年かけて実施するという。 電力料金引き下げにつながる競争は重要だ。だが、それには、社会インフラである電力の安定供給体制の確立が大前提となる。 今のような電力不足下で自由化されると、売り手市場になって逆に値上げにつながらないか。当面は、電力不足の早期解消に全力を挙げるべきだろう。 電力市場は、大口需要家向けから段階的に自由化されてきた。現在、対象は契約電力50キロワット以上の中小工場にまで拡大され、電力会社以外の特定規模電気事業者(PPS)が参入している。 家庭用は自由化されていない。値上げには政府認可が必要だ。そうした規制を取り払い、幅広い料金引き下げにつなげる狙いだ。 ただし、健全な競争を促すには、電力会社を含めて多様な事業者が需要以上に供給を
裁判員制度の施行から3年がたった。国民の司法参加は、予想を超える速度で定着しているようにみえる。勤勉で真面目な国民性が制度を支えているといえるだろう。 裁判員法には、施行から3年を経過後、必要に応じ制度の見直しを行う規定がある。国民の間にさらに制度を根付かせるため、改善を図る必要がある。 施行以来、これまでに約2万8000人が裁判員・補充裁判員を務め、3600人を超える被告に判決を出した。裁判員経験者の95%以上がアンケートに「よい経験だった」と答えている。 14人の被告に死刑判決も下された。それぞれ国民から選ばれた裁判員が真剣に審理と向き合い、苦悩の末に選択した結論である。重い判断だと受け止めたい。 最高裁によると、裁判員裁判の量刑では強姦(ごうかん)致傷や強制わいせつ致傷といった性犯罪事件で厳罰化の傾向がみられた。一方で介護疲れなどが事件の背景にある場合は、事情を酌んで執行猶予がつく割
温暖化ガス削減 「25%」は撤回し現実的目標を(5月24日付・読売社説) 「2020年までに1990年比で25%削減」という日本の温室効果ガス削減目標は、速やかに撤回すべきだ。 3年前に鳩山元首相が国連の会合で打ち出したこの無謀な目標が、どれほど非現実的か。それを如実に示しているのが、環境省の中央環境審議会が公表した試算である。 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて実施した試算は、将来の全発電量に占める原発の比率を、0%から最大35%まで5段階に分け、20年時点の温室効果ガスの削減率をはじき出した。 発電時に二酸化炭素をほとんど出さない原発は、地球温暖化対策上、重要なエネルギーである。 試算では、事故直前に26%だった原発比率を35%に引き上げ、省エネルギー政策を徹底した場合でさえ、削減率は90年比で最大19%にとどまった。 現在、稼働する原発はゼロとなり、再稼働のメドすら立っていな
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