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「朝日新聞」の安倍政権批判ほど観念論にまみれたものはない。安倍政権が実現を目指す政策の中に彼らが見ているものは、現実の上にイデオロギーを重ねた幻想ではないだろうか。朝日の主張が他紙のそれと比べて突出して、観念論に埋没しているのは幻想の中で重ねた思考の、必然の結果であろうか。 1月22日、スイスのダボスで安倍晋三首相が各国の主要メディアとの会合で語った内容の報道も然(しか)りである。25日朝刊で朝日は「首相の発言 瞬時に拡散」「日中関係 第1次大戦前の英独になぞらえ」と見出しをつけた。2面の、約3分の2を占める大型記事では首相が「現在の日中関係を第1次大戦前の英独関係になぞらえた」と報じた。 これはフィナンシャル・タイムズ(FT)の解説委員が「尖閣諸島を巡り、日中の武力衝突はありうるか」と尋ねたのに、首相が答えたくだりに関する記事だ。 同じニュースを「読売新聞」は全く異なる形で伝えた。実際に
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