オバマ米大統領は日本などアジア4カ国歴訪を終え、懸案だったアジアの同盟諸国との結束を固めるのに一定の成果を上げた。日米同盟では、尖閣諸島は日米安保条約の適用対象と明言し、フィリピンとは米軍派遣拡大を可能にする新軍事協定に署名した。 太平洋国家を自任する米国がアジア太平洋地域で台頭する中国を牽制(けんせい)した格好だが、オバマ大統領は「中国を封じ込めるのが目的ではない」とし、中国とはお互いを尊重する協調主義的な関与政策を推し進めていくという。この関与政策は米国の国家安全保障の基軸であり、1972年のニクソン訪中以来、中国封じ込め政策を関与政策に転換してきた。そのスタンスは基本的に変わっていない。 むしろ、米中関係は経済関係の深まりを通じてより広範かつ緊密さを増している。中国の習近平国家主席が唱える米中の「新型大国関係」がまかりとおり、日本は蚊帳の外におかれるのではという悲観論もある。それだけ