明治神宮の創建以来、100年以上守られてきた景色は、変わってしまうのだろうか。大規模な反対運動を引き起こし、物議を醸している東京・神宮外苑の再開発事業。仏紙「ル・モンド」の東京特派員、フィリップ・ポンスは、東京が数ある平凡な大都市の一つになりつつあると懸念する。 近代史のなかで、東京は時代への大いなる適応力を発揮してきた。その一方、過去の遺産を消し去り尽くすことで、恐ろしく似たり寄ったりな、アジアの巨大諸都市の一つにならんとしている。そしてそのことは、多くの東京都民も認識している。 神宮外苑地区の再開発計画に対して、反対運動が起こっている。明治神宮外苑の並木通りには、道路の両側にそれぞれ二列ずつ、300mにわたって樹齢100年を超えるイチョウが立ち並んでいる。再開発が進められれば、この並木にも影響が及び、神宮外苑の樹木約1000本が切り倒されることになる。 これは、2020年の東京オリンピ