内閣府の少子化危機突破タスクフォースの中で取り上げられた、いわゆる「女性手帳」の配布について、各処で批判の声があがっている。主要な批判の内容としては、(1)結婚や出産は個人、あるいは男女の自由意志によるものであり、政府が方向づけする類の話ではないとするもの、(2)男女双方が考えるべきものであり、女性にのみ「女性手帳」を配布するのは晩婚化や晩産化の責任を女性に転嫁している、とするものに大別できよう。 本来、結婚や出産は個人の自由意志に委ねられるべきであり、晩婚化や晩産化は男女双方が責を担うべきものである。したがってこれらの批判は正鵠を射たもののように思われる。このような批判が事前に十分予測できたと思われるなかで、少子化危機突破タスクフォースにおいて敢えて「女性手帳」の配布が取り上げられた背景には、様々な政策を積み重ねてきたにも関わらず、出生率の改善が緩やかにしか進んでいないことに対する政府の
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