中国広東省の週刊紙「南方週末」の年頭社説が、当局の指示で中国共産党賛美の内容にすり替えられた。 国内で抗議の声が上がり、同紙記者をはじめ大学教授、作家らが省党委宣伝部トップの辞任と謝罪を求めている。だが、中国当局は共産党機関紙、人民日報系の環球時報の社説を通じ、体制に歯向かう報道機関は「必ず敗者となる」と威圧で応じた。 中国憲法では「言論や集会・結社の自由」がうたわれている。それは空文にすぎず、実体を伴わないことが改めてさらけだされた。共産党一党独裁下では当然の帰結だが、こうした異様なやり方がまかり通っていることを日本は直視しなければならない。 米国務省報道官は「報道機関の検閲は、近代的な情報社会を築こうという中国の願望と相いれない」と指摘した。国際ジャーナリスト連盟も実態調査を要求した。中国当局は、これらの抗議に耳を傾けるべきだ。 中国の独りよがりの姿勢は枚挙にいとまがない。ノーベル平和