住民の長年の奮闘が実り、ついにオランダの巨大石油会社、シェル社はニジェール・デルタ地帯で引き起こした大損害に対する法的責任を取ることになった。同地帯では、推定1000万ガロンにのぼる原油流出が起きている。 ロンドンで起こされた集団訴訟で、シェル社は、ボド・ボニー・トランスニジェール・パイプラインが2008年に破損したことの全責任を負うことになった。なお、コートジボワールの地域住民とロンドンの法律事務所も同様に、石油会社に責任を認めさせた。 このような判例はおおいに喜ばしいことだ。しかし、こうして勝訴しても、ニジェール・デルタ地帯のコミュニティと自然環境が、社会および環境の両面で不当な行いに苦しめられた数十年を取り戻すことはできない。 悪事の償いがなされている間、法律は事後対策として行使されているように見える。ニジェール・デルタ地帯がかつての姿の片鱗を取り戻すまでには数十年もかかるだろう。こ