中国政府は昨年3月の福島第1原発の大規模事故発生後、新規の原発建設プロジェクトの認可を中断していたが、このほど再開に動き出した。とにかく稼働中の15基のほかに、建設中や計画中などが50基近くもあり、しかもほとんどが沿海地区に立地しているだけに、隣国の日本としても安全性がどこまで確保されているのか、大いに気になるところだ。 中国政府は5月31日開催の国務院常務会議で、原子力関連施設の安全検査に関する報告を聴取し、「国際的な安全基準を満たしていることが確認できた」と判断した。と同時に「核安全と放射性汚染防治“十二五”規画及び2020年遠景目標」を承認した。これらの措置により、新規プロジェクトの認可再開に向けての準備が整った。中国メディアは「早ければ今年上期には再開になろう」との見通しを示している。 中国の専門家はほとんどが再開に前向きの評価をしている。例えば中国工程院院士の称号を持つ潘自強氏は