【ワシントン白戸圭一】中国の著名な反体制作家で、亡命するために1月に渡米した余傑(よ・けつ)氏(38)がこのほど、ノーベル平和賞を受賞した友人の作家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏(56)=国家政権転覆扇動罪で服役中=の活動を回想した伝記「劉暁波伝」など2冊の新作を香港で出版し、ワシントン市内で1日、記者会見を開いた。 もう1冊は、胡錦濤(こ・きんとう)国家主席の下で中国の人権状況が悪化したことを批判する「河蟹大帝」。中国語のインターネット空間で胡主席を指す隠語として使われている「河蟹大帝」を書名とした。2冊ともに中国語で執筆されているが、1年後の出版をめどに英語版への翻訳を進めている。 余氏は中国で2冊の執筆を始めたが、出版の阻止を狙う公安当局の弾圧が激しさを増したため、1月に米国に出国した。余氏は会見で、米国での執筆中にも差出人不明の脅迫状が届いていたことを明らかにし、「習近平(しゅう・