キーワード 集団、再分配、連帯 目的 本共同研究では、再分配が集団を生成している点に注目することで、集団と再分配の関係の多様性を明らかにしていく。ポランニーは、再分配を<富や労働を中心に集めたうえで配り直す>経済活動の一様式として定式化し、その中に儀礼や祝祭、租税、家政が含まれるとした。そこでは、社会の存在が前提とされ、いかに再分配が社会統合に役立つかという構造機能主義的な枠組みが強調されている。それに対し本研究では、社会の存在を自明視するのではなく、他ならぬ再分配によって集団が立ち現われている点に注目する。思想史家のエヴァルドがフランスの社会保険を例に示したように再分配はそれに参加する者に連帯感を喚起することで集団意識を醸成しうるし、また、再分配への参加は集団の境界を引く際の重要な留意点にもなるからである。本共同研究では、この視点から世界各地の事例を比較し、再分配の具体的な手続きと集団の