東京電力福島第一原発事故に携わり、収束作業中の死亡として初めて労災認定された男性の妻が20日、夫が死亡したのは作業の安全管理が不十分だったためとして、収束作業をしていた東電や東芝、IHIなど4社に対し、計約3千万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こした。 訴えたのは、2011年5月に死亡した静岡県御前崎市の配管工大角(おおすみ)信勝さん(当時60)の妻カニカさん(55)。 訴状によると、大角さんは東芝の4次下請けに当たる同市の建設会社の臨時作業員。同月13日から原発の集中廃棄物処理施設内で高濃度汚染水の回収などに携わり、翌14日午前6時40分ごろ、体調が急変。医務室に運ばれたが常駐の医師はおらず、約2時間半後に約45キロ離れた福島県いわき市の病院に搬送され、心筋梗塞(こうそく)での死亡が確認された。 会見したカニカさんの代理人の大橋昭夫弁護士は「安全教育や医療態勢が十分でなかった