仏英米によるリビア爆撃は、国連安保理決議に基づき有志国が民衆革命を助けるという新たな武力行使のあり方を示した。しかし、ほかのアラブ強権国家にまで武力行使が広がるのではとの懸念も地域で広がる。爆撃の意味を探った。 ◇米、「二重基準」批判回避 「米国は軍事介入を先導していない」。クリントン米国務長官は19日、リビアへの武力行使を確認したパリでの多国間会合後、満足げに語った。イスラム世界での「新たな米国の戦争」を避けたい米国は、仏英両国を前面に押し出して自らを「脇役」と強調することで、国際協調による新たな人道介入のモデルを示してみせた。 リビア介入を決定する交渉プロセスでは、武力行使への3条件が確立された。介入の明確な必要性▽地域諸国の支持▽国連安保理決議、の三つだ。イラク戦争の後遺症に苦しむ米国は介入に及び腰で、武力行使のハードルを意図的に高くした側面が強い。 事態が急展開したのは、地域機構「