大阪市が「市政改革プラン」で市内10カ所にある市民交流センターを全廃する方針を打ち出したことで、利用者の間に不安が広がっている。センターの識字・日本語教室で読み書きを学んでいる人たちにとっては死活問題。「私らの学び舎を奪わんといて」という叫びは橋下市長の心に届くのだろうか。(矢野宏、栗原佳子/新聞うずみ火) 土曜日の昼下がり、大阪市住吉区にある「市民交流センターすみよし北」の識字教室を訪ねた。8畳ほどの部屋に「コ」の字型に長机が配置され、女性6人がプリントに向かっている。ボランティアの「先生」が4人。笑い声が絶えず、和気あいあいとした雰囲気だ。 この日の教材は小学4年生の国語ドリル。「雄大な□□」などの空欄に単語を入れていく。「風と『景色』の『景』や。『風景』というのは風の景色と書くんや。きれいやなあ」。先生役の西岡豊さん(69)が里山悦子さん(69)に笑顔で話しかける。ゆっくり鉛筆で文字