コメディアンのデュードネ(43)が、〈反シオニズム党 Parti antisioniste〉を創立して、欧州議会選に出馬したことが、今回の欧州議会選挙で大いに議論の対象になった。 デュードネは1966年パリ郊外に生まれる。母はフランス人で社会学者、父はカメルーン出身の会計士。コメディアンになってからは、 エリ・スムンとコンビを組み、人種差別などの社会問題を茶化すネタで人気を得る。2000年以前は、黒人の社会的地位向上の運動に加わったり、「不法移民に滞在許可証を」、「ホームレスに住居を」などを要求する市民団体を支持。人種差別をあからさまにする極右の国民戦線党にも真っ向から対立していた。また、シオニズムを根拠にパレスチナへの植民政策を進めているイスラエルにも反対の立場をとっていた。ところが、2000年以降、こうした「反シオニズム」が「反ユダヤ主義」に傾いて人種差別的な発言が増えてくる。 2