著名な演出家であり、演劇を長くやってきた観点から「あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント」や「孤独と不安のレッスン」などの本で、身体や言葉の使いかた、他人とのコミュニケーションのとりかたについて優しく読者にアドバイスしてくれた著者。 最近読んだところでは「俳優になりたいあなたへ」で演技とは何をすることか、俳優とはどのような仕事か、について書かれていたのがとても面白かった。 今回の本は、「空気を読め」とあちこちで言われるこの日本で心地よく生きていくにはどうしたらいいか、を主に中高生あたりを想定読者として考えていこうという一冊。 とはいってもこういうことを扱う本によくありがちな、適当に書き散らしたような本ではない。「空気」と「世間」のそれぞれについて、山本七平、阿部謹也という偉大な先人たちが書いていることのエッセンスをしっかり紹介。そのうえで、「読め」と言われる「空気」は、長幼の序や贈与・報