今回は米国ペンシルバニア大学教授でポジティブ心理学の第一人者と言われているマーティン・セリグマン氏の著書"Learned Optimism"からそのエッセンスを紹介したいと思う。 従来の心理学は心の病の研究、つまり症状や発病原因の特定、病気の進行や治療法についての研究が中心だった。それに対して「ポジティブ心理学」は病気や悩みを引き起こすネガティブな感情に焦点を当てるのではなく、人間の本来のポジティブな感情、喜びや達成感や自信、楽観思考などに焦点を当て、それらを伸ばし開発する方法を研究したものである。本書はその中でオプティミズム(楽観主義)の習得を説いている。 なぜ、今、楽観主義か? "Learned Optimism"の邦題は『オプティミストはなぜ成功するか』(講談社文庫)となっているが私はこの題は正確にはこの本の内容を表してはいないように思う。オプティミストだけが人生・仕事で成功す