かつて東京と大阪間には名寝台急行「銀河」が走っていた。夜大阪を発ち、午前7時前には東京着で、その日1日が有効に使えるのが売りだったが、平成20年に惜しまれながら姿を消した。しかし今も大阪から東京に限っては、2階建て寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」号を利用すれば同じことができる。東京と大阪を結ぶ唯一の在来線電車に乗って、その利用価値を検証した。(文・写真 溝上健良) 新聞社では深夜、自分の書いた原稿が紙面の形になって組みあがってくるのを確認する作業がある。ある日の深夜、自分の記事をチェックし終えて、大阪・なんば発午前0時12分発の市営地下鉄御堂筋線の梅田行き最終電車で大阪駅へ。 乗車したのは寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」号東京行き。「瀬戸」は東京と高松、「出雲」は東京と出雲市を結ぶ各7両の電車の夜間特急で、岡山で併結されて14両編成となる。大阪発が午前0時34分、東京に午前7時8分に到着す