占領下の性暴力やジェンダー問題について研究する一橋大客員研究員の平井和子さん=静岡県三島市で2025年5月29日午後3時46分、西本紗保美撮影 第二次世界大戦後、日本は連合国の占領に備え、数万人もの女性を動員して占領軍兵士向けの「慰安施設」を整備した。 過酷な「性接待」の実態がうかがえる客観的資料や証言記録は極めて少ない。 一橋大客員研究員の平井和子さん(70)は30年にわたり、慰安所にいた女性の足跡を追い、軍による性的搾取の実態を明らかにしてきた。 専業主婦から教師を経て、40代から本格的に女性史研究を始めた。平井さんを駆り立てたのは、「日米合作の性暴力」を封印した戦後日本、そしてそれを見逃してきた歴史学への「反省と怒り」だった。 <主な内容> ・表の歴史とは異なる歴史がある ・元日本兵を取材 慰安婦の生の実態は… ・「パンパン」登録簿を発見「震えた」 ・男性研究者は反発「恥を掘り返すな