自動車メーカーのスズキが販売するレトルトカレーが限定販売ながら発売2日で5000食の注文が入り、生産が間に合わないほどの人気となっている。スズキの“本格カレー進出”の背景には、切実な社内事情があった。ライターの天白あきえさんが取材した――。 世界のスズキが頭を抱えていた社食問題 「インド人従業員が食事で困っている」 ある日、スズキから相談を持ちかけられた。 静岡県浜松市に本社を構えるスズキは、自動車業界のなかでもいち早く1980年代からインドに進出しており、現地シェアは40%を超える。日本国内では、インド拠点からの出向や直接雇用など、インド人従業員を多く抱え、本社では常時100人以上のインド人が勤務している。 インド人はベジタリアン(菜食主義者)が多く、スズキの社員食堂では対応した料理を提供していた。しかし、菜食料理に馴染みのない日本でつくられた料理はインド人の口に合わず、不満の声が上がっ