生活基盤をおびやかす物価高が止まらない。『人新世の「黙示録」』(集英社シリーズ・コモン)を出した経済思想家の斎藤幸平さんは「社会に問うべきなのは、なぜ普通に働いている人が普通に暮らせないのか、だ」という――。 資本主義より社会主義を好むZ世代 「ある『亡霊』が、アメリカを徘徊している。それは、Z世代の社会主義という亡霊だ」 今のアメリカの若者を見ていると、マルクスにならって、こんなふうに言いたくなる。彼らのあいだで社会主義の人気が急上昇しているのだ。最近の世論調査では、アメリカの大学生のうち67%が社会主義を好意的に見ているという結果が出ている(*1)。 英『The Economist(エコノミスト)』誌も、「Z世代の社会主義にどう立ち向かうか」という特集を組んだばかりだ(6月6日号)。この記事で『エコノミスト』誌は、パニックに陥ったかのように、アメリカにおける社会主義の台頭を恐れ、社会主