若者のスマホ・SNS依存が世界的な問題になっている。それらを開発するテック企業は、なぜ対策を行わないのか。ニューヨーク大学のジョナサン・ハイト教授は「むしろ各企業は、若者ユーザーの市場シェア獲得に躍起になっている」という――。(第2回) グーグルの元倫理学者が警鐘を鳴らした「底辺への競争」 テック企業を突き動かすインセンティブについて最も鋭く分析してきた人物の1人が、グーグルの元倫理学者トリスタン・ハリスだ。2013年、ハリスはグーグルの従業員向けに、「ユーザーの注意散漫を最小化し、尊重する呼びかけ」と題したプレゼン資料を作成した(*1)。 ハリスは、たった3社――グーグル、アップル、フェイスブック――によって開発された製品が、多くの人類が有限の注意を何に向けるかを方向づけており、意図的に、あるいは気づかないうちに、人々の注意を浪費させていると指摘した。そして、テック企業による設計上の選択