なぜ世界一だった日本の技術・産業は衰退したのか 日本企業における研究環境は実際、15年ほど前に変化したようだ。期限が決められ、結果が要求される――これは想像力を抑えるコルセット、思考を拘束する首かせだ――縛られた計画に基づいて研究を進めることがより重視されるようになった。 研究者は自由と偶然と時間がお金と同じくらい必要であるのを知っているのだが、研究所は今では結果を出さなければならないというプレッシャーに晒されていると多くの古参研究者は強調する。 お金のほうは、とても幸いなことにまだある。政府が科学政策立案の基礎資料としている「科学技術指標」の2022年版によると、研究開発費と研究者数において日本は主要国*1の中で米国・中国に次いで3位である。 それゆえ、一見したところ日本は何も恥じることはない。さらに日本は科学論文と発表の数でも5位である〔最新の2024年版でもそれぞれ順位に変化なし〕。