名鉄一宮駅から住宅街を縫うように走ることわずか9分。終点・玉ノ井駅(一宮市木曽川町)にゆっくりと赤い列車が滑り込む。周囲は静かだが、かつては繊維会社が軒を連ねた。駅から徒歩2分の葛利毛織(くずりけおり)の4代目社長葛谷聰(さとし)さん(52)は「遠方から来てもらうにもアクセスがいい。小さな駅だが欠かせぬ存在です」。1912年創業の葛利毛織にとって、2年後に開業したこの駅は100年来の相棒だ。 【連載】はしっこ駅の物語 数ある駅の中でも、線路のはしっこにある終点駅は、鉄道ファンならずともどこか気になる存在だ。地下鉄駅から路面電車の停留場まで、大型連休を前に県内各地の駅を訪ねると、地域の移ろいを感慨深げに振り返ったり、駅を起点に地域を元気付けたりと、さまざまな地元関係者と出会うことができた。 (1)あの鉄道の終点、あなたは降りたことがありますか? 名古屋市営地下鉄桜通線・徳重駅(無料公開中)