1960年代、性別適合手術を行った医師が逮捕され、刑事裁判でその違法性が問われた「ブルーボーイ事件」。この事件をテーマに、昨年11月に公開された映画の中で、性的少数者の「幸せを求める権利」を訴えた弁護士が注目された。モデルになったのが、鹿野琢見(かのたくみ)弁護士(1919~2009年)だ。どのような人物だったのか、横顔を追った。(太田理英子) 今も首都圏の一部で上映が続く映画「ブルーボーイ事件」。舞台は高度経済成長に沸く東京だ。売春の取り締まりを進める警察は、性別適合手術を受け、戸籍は男性のまま女性として売春する「ブルーボーイ」の摘発をもくろみ、執刀した医師を旧優生保護法違反などの疑いで逮捕。この医師から手術を受けた人たちに法廷での証言を求め、奔走する弁護人・狩野(かのう)卓役を俳優錦戸亮さんが好演した。 女性として生きるために手術を受けた主人公サチが証言台に立ち、社会で居場所を見つけら