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アメリカ大統領選
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サイボウズ社が提供する「kintone」がバージョンアップした。今回の主な機能アップは、「スペース・ゲストスペース」と「JavaScriptカスタマイズ」である。この2つの機能は以前から欲しかったもので、これでだいぶ充実してきた。青野社長は「年内には、米Salesforce.comの契約者数に追い付くと予想している」と意気込んでいるが、なかなかいいんじゃないですか。 ぼくは、プロセス志向の業務アプリプラットフォームとしてこれを選定していて、実際にもコンサルとして関係している会社で使っています。当初は、標準的なWebデータベースでしたが、簡単に画面ができるというところと、コミュニケーションを取り入れたチーム業務に狙いを定めてきているのが非常にすばらしいと思う。サイボウズ社自体の働き方も先進的だし、そうした新しい時代の働き方に合った道具になるといい。 前回の3月のバージョンアップでもグループ機
■ 開発で失敗することはあるのか またちょっと脱線します。よく「開発に失敗しないためには」とか「成功のための守るべきこと」と言ったような語られ方をする。ということは当たり前だが失敗することがあるからそう言うのだろう。ところで、業務システム開発で失敗するというのは何を意味しているのだろうか。すなわち、受託開発で失敗するのはどういう状態をいうのか。プロダクトを開発する場合はほとんどが売れないことが失敗だろう。 ところが、受託開発では買ってくれるのは前提なのだから、言われたものが作れなかったことなのだろうか。そうしたケースはデスマーチになりながらも何とか納入はするのではないだろうか。それでも出来上がればプロジェクトとしては失敗ではないかかもしれない。(中にはスルガ銀行とか特許庁の例もあるし、ぼくも経験があるが)となると、作ったはいいが使われなかった、あるいは使えることは使えるのだが所定の効果がで
▐ システム化のねらいどころが変わった 前回、前々回と、違和感ということで「顧客志向の欠如」という指摘をして、お客さんを意識した見方をする必要があるという話をした。今回は、もうひとつの「時代錯誤」という点について考えてましょう。「顧客志向の欠如」というころでも顧客ニーズが時代とともに変化しているといった似たような話が出てきたかと思います。ここでは、システム化のねらいどころが変わってきていることについて論じることにします。 「時代錯誤」を別の言い方をすると「SEのシーズと顧客ニーズのミスマッチ」ということになります。すなわち、お客さんの望むものが昔と変わってきているのに相変わらず昔のSE像を引っ張り出しているということである。いや、SE自らが変われと言っていると反論がきそうですが、どうも表面的なところであって本質的にはSEという枠からは出ていないのである。 ユーザがシステム化したいことに対し
ちょっと過激で品のない表現で申し訳ありません。最近とみにビックデータという言葉がもてはやされて、またもやバズワードかなとも思うのですが、単純にビックデータというもの自体は別段食ってかかるようなものでもなく大量のデータというだけのことかもしれない。要は、どんな質と量のデータでそれをどうやって活用するのかといったことが問題なわけです。 しかし、どれだけの容量からがビックデータなのか、非構造化データを扱うからそうなのかといた定義もないと思うのだが、Web上で毎日せっせと生成されるデータを個人的なサービスに活用するという意味はあると思うのですが、おそらく普通の会社でビッグデータを扱うようなことは少ないように見受けられるわけで、なぜそんなに熱くなるのかがわからない。ITベンダーが売りものがなくなって、最近はデカ女が売れてますよとか言ってるキャバクラ(そんなところはないか)の呼び込みよろしく叫んでいる
これはいい本だ。「知の逆転」(吉成真由美インタビュー・編 NHK出版新書)は現代の知の巨人たちのインタビューをまとめたものである。6人の巨人たちが登場する。ジャレット・ダイヤモンド、ノーム・チョムスキー、オリバー・サックス、マービン・ミンスキー、トム・レイトン、ジェームズ・ワトソンといずれ劣らずすごい人ばかりである。 6人へのインタビューを新書に載せてあるので、これほどの人たちを50ページ足らずで理解するなんてことはとんでもないことのだが、彼らの著作とか業績を本格的に探ってみたくなる。それだけ、的確な質問を投げて答えを引き出している。インアタビュアーである吉成真由美が素晴らしい。それはそうかもしれない。MIT(マサチューセッツ工科大学)を卒業して、ハーバード大学大学院を出ている才女でサイエンスライターという職業にある。だからかどうか知らないがMITの教授が多い。 簡単に印象に残った部分を紹
年明けからITProに馬場史郎さんが「SEマネージャーよ逞しくなれ!」というタイトルで毎月記事を書いている。最初のサブタイトルが「日本のSEはこれで良いのか」で次が「なぜ、体制図や人月の提示と技術偏重の風潮が変わらないのか」、3回目の今月が「SEが変わればIT企業のビジネスが伸びる」というものである。馬場史郎さんといえば泣く子も黙るSEのカリスマですが、かなりの違和感を抱いたのでそのことについて少し書いてみようと思う。 ▐ SEが抱える問題とは? ご存知のようにSE(システムエンジニア)というのは和製英語で海外では使われていません。ということは、日本特有の職種でもあるわけです。おそらく、ハードウエア主体の時にそのマシンを使いこなすために技術者を張り付かせたところからではないかと思う。ですから、お客さんがどんなことをしたいかを聞きだし(実態はこんなことができますからやりましょうよと言ったので
サイボウズの「kintone」がバージョンアップした。かなり大きな変更もあってずいぶんと機能が向上した。その主な追加機能を列挙してみる。 ・ グループ内での連絡に使用する機能(スペース機能) ・ kintoneのユーザー同士の連絡や、アイデアなどの共有に使用する機能(ピープル機能) ・ Excelブック形式、またはCSV形式のファイルを読み込んでアプリを作成する機能。 ・ JavaScriptファイルを読み込んで、アプリの表示や動作をカスタマイズする機能。 ・ フィールドをグループ化して、グループ内のフィールドの表示/非表示を切り替えられるようにする機能。 ・ フォームに配置できるフィールドの種類に、ほかのフィールドの数値や時刻を基に計算する機能を持つ「計算」フィールドを追加。 ・ フォームに配置できるフィールドの種類に、ほかのフィールドの数値や時刻を基に計算する機能を持つ「計算」フィール
つくづくチームの時代になってきたと思う。これまでのパラダイムの延長ではビジネスにおけるチームというと固定された組織の中で、プロジェクト的な仕事ができた時に結成されると考えられている。研究開発なんていうのは長期プロジェクトだから、常時チームで動いている。しかし、これはあくまで既成組織のなかで、どうやったらプロジェクト進行がうまくできるかという観点である。ところが、現在は会社の枠を超えたチーム編成も多くなっているように思う。 チームというのはある目標に向かってメンバーを集めてそれぞれに役割分を負わせて成果をだすような形態である。ただ、みな同じではなくいくつかのタイプがある。チームというとスポーツの世界が典型なのでそれで見ていくと、サッカーで例えると、学校サッカー、Jリーグ、日本代表といったチームを考えてみる。もちろん、3つとも勝利を目指すということには変わりないのだが、戦術の組み立てに差が生じ
よくある間違いに目的と手段を取り違えたり、あるいは一緒くたにしてしまうことがある。これは、因果関係と相関関係とか、名目と実質とか、是か非と可能不可能といった問題にも同様に見られることである。これをされると議論が平行線になって噛み合わなくなるという弊害をもたらす。中でも、目的と手段の混同はしばしば起きるので困ったものだ。 この間も、今の経営課題って何だろうかということを調べていてそのことを痛感したのだ。ある調査会社の定点観測アンケートを見つけた。その最初の設問である「当面ならびに中期的な経営課題」は何ですかというもので、おそらく選択式になっていたと思われる。結果として、上位からいうと、売上・シェア拡大、収益性向上、人材強化、新製品・新サービス・新規事業開発、グローバル化、財務体質強化、技術力強化、顧客満足度向上といったところである。 まあこうした項目は昔からあるのだが、ぱっと思ったのは、最初
うちの社長(息子)が本を出版することになりました。タイトルが「Webサービスのつくり方」で技術評論社から出ます。これまでいくつかのWebサービスを作ってきましたので、その作り方をまとめたエッセイというかガイドブックです。11月20日に全国の書店で発売されるのですが、すでにアマゾンで予約販売を開始しています。もう予約販売だけでこのジャンル本のランクで10位以内に入っています。 よく知られたWebサービスでは「君のラジオ」とか「ボケて」というのがあります。特に「ボケて」は最近ブレーク中で非常に多くのユーザがついた例です。そこから、iPhoneアプリも生まれています。そんなWebサービスをどうやって作ったらいいのかが企画から実装、運用まで書いてあるので、自分で何かサービスを作ってみたいと思ったときには格好の指南書となると思います。 これが実践的であるというのは、自分でやったことだけではなく、プロ
「南極料理人」というちょっと楽しい小品があった。その監督が沖田修一という若者である。その沖田監督の最新作「キツツキと雨」を観る。主人公が武骨な木こりと初演出の新人監督という設定だから、監督自身のことにかぶってくる。木こりには役所広司、新人映画監督には小栗旬が扮している。小栗旬も「シュアリーサムデイ」という映画を演出しているのでこれもかぶっている。 「シュアリーサムデイ」のぼくの評を見てみると、“素人の域を出ない未熟な作品だが、光るものも少しはあった”と書いてあった。おそらく、「キツツキと雨」に出てくる監督の作品もきっとそんな評をもらうようなものだったろうと想像する。その新人監督が撮る映画はゾンビが出てくるのだが、何とも頼りない監督ぶりなのだ。 ストーリーは、山の中の村に映画の撮影隊がやってくる。その撮影隊をなぜか手伝うはめになった木こりの克彦(役所広司)は、自分の息子くらいの歳の新人監督幸
CIO不要論とかITアーキテクト不要論とか、ちょっと尖ったことを言ったのだが、誤解されるといけないので補足しておこうと思う。そこででてきたのがSTPというのでまたびっくりされたかもしれない。STPというのは、マーケティング戦略などで使われるSegmentation、Targeting、Positioningというあれである。 つまり、顧客や市場を細分化して、狙う市場や標的とする顧客を決め、どこにポジショニングをするのかといったことである。これは企業がビジネス活動を行う上では多かれ少なかれ必ずやっていることでもある。このことを少しシステム開発においても適用して考えてみたらどうかと言っているのである。 顧客や市場と言っても業種、業態といった括りではなく、会社が行っているビジネス活動領域を想定した方がよい。セグメンテーションではそこを定義していきます。以前、企業活動モデルというのを提示したことが
以前「CIO不要論」というのを書いたが、あの記事の趣旨は、ビジネス上重要なことはビジネスモデルからビジネスプロセスを設計して、それをどうやってオペレーションするかにかかっているわけで、ここはCIOの仕事ではなくCOOの仕事であり、ITは所詮道具だからオペレーション側の人間が使いやすいものを選ぶだけの話だということであった。 それと同様な意味でITアーキテクトといわれるような人も不要だと思うのである。ただ誤解してもらっては困るのですがあくまで業務システム構築のところの話です。そんなことを思った直接の理由は、ITProの記事の「ITアーキテクトの視点」というコラムのなかの「ITアーキテクトは何をしているのか」という連載を読んだからである。 そこでは、システム開発の各工程における成果物を示し解説が加えられている。「要件定義」「基本設計」「詳細設計」「実装・テスト」「保守運用・移行」というごくオー
ハーバード大学の授業というとマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」が有名になったが、それに倣ったような「ハーバード 白熱日本史教室」(新潮新書)が刊行された。著者は北川智子といって1980年生まれでハーバードで日本史と数学を教えている。数学と日本史という異質の領域で教鞭をとっているのも驚きだが、まだ30歳をちょっと過ぎたばかりの若さというのもびっくりする。 そんな彼女がどうしてハーバードの先生になったのか、大学でやっている日本史の授業はどんなものなのか、ハーバードのクラス評価や大学生活の様子などを書いたものである。高校を卒業するとカナダの大学に留学する。そこで専攻したのが、数学と生命科学である。ところが、大学院では日本史専攻となるのである。もうこのあたりから、一般の人とは違う秀才ですよね。 日本史を専攻するきっかけは、数学科の学生なのだが日本語が読めるというだけで日本史の教授のアシ
コンピュータソフトウエアに関係していると、ソフトウエアにも性格が違うものがあってそれを混同している節に出会うことがある。性格の違いというのはどういうことかというと、簡単に言うと何かを作るためのソフトウエアなのか、それともそれを使って何かアクションするためのものかである。 ちょっとわかりずらいので例をあげて説明する。ドローイングツールというのがある。Visioみたいなお絵かきソフトです。この手のソフトウエアは、図面とかカタログとか書類みたいなものまで、要するにオブジェクトを作り上げて終わりみたいなものです。つまり、静的なものを起こすためのツールという位置づけになります。 一方、図を書きながら絵を描きながら、字を入れながら何かのアクティビティを行うというためのソフトウエアが必要となります。これも例で言うと、マインドマップというツールがあります。あれは、マインドマップを書くというのが目的ではなく
昨日「企業と学生のマッチング」というエントリーで、大企業志向もパイが小さくなっているので中小企業に目を向けざるを得なくなったといった話を書いた。最近はさらにもっと多様な働き方があるのを教えてもらって感心させられた。それは、鎌倉市に本社を構えるランサーズ(株)という会社を訪問したときのことである。 うちの社長に「鎌倉IT勉強会」への参加依頼がきたのと、そこの秋好社長が81年生まれでうちの社長と同年なのでその関係で元々知っていたこともあってオモロキの鎌田社長(彼も81年生まれ)と仕事の相談にいくというので一緒に連れていってもらった。オモロキと弊社で提供している「ボケて」というサービスのサーバー管理やフロントエンドエンジニアを確保したいという相談である。 ランサーズという会社は、「日本最大級のクラウドソーシングサービス」というのがキャッチフレーズで、要するに仕事を依頼したい人と、仕事ができる人を
情熱大陸というテレビ番組はぼくが見る数少ない番組のひとつである。他には、カンブリア宮殿、TVタックル、アド街ック天国、後はサッカー番組ぐらいである。先日その情熱大陸で安藤美冬という女性が出演していた。その中で彼女のような働き方をするひとをノマドあるいはノマドワーカーという。ノマドの訳は遊牧民である。 2年前まで一流出版社(集英社)に勤めていたが、会社を辞めてフリーランスという肩書きとなり、事務所ももたずソートパソコン片手にカフェを渡り歩いて仕事をしている。TwitterやFacebookで情報を発信しつつ、仕事も舞い込んでくるのだ。そうしたスタイルをみていると自由でいいなあとあこがれて、つい自分もできるかもと錯覚してしまうが、本当にそんなことで食って行けるやつはほんの一握りだと思う。 だって、大前提はネット上で名が知られていなければいけないし、そのまた大前提として、名が知れわたるようなコン
最近、いわゆるSIerと呼ばれる業態がヤバそうだという話が聞こえてくる。富士通の3万人のSE職の転換とかが話題になった。おそらくどこのSIerも相当の危機感を抱いているのちがいない。従って、そこで働いているエンジニアのかたがたもこれからの行く末に悩んでおられると思う。 そこでちょっと旧聞に属する話で恐縮なのですが、いくつかのブログ記事についてコメントしておきたいと思う。流しておけばいいのだが、どうも根本的なところで勘違いしているようで気になっていたのであえて取り上げておくことにする。まずは、GoTheDistanceさんの「「SIerでのキャリアパスを考える」というイベントに登壇しました」というエントリーで(別に個人的にどうのというのではなく一般論として取り上げてみたのである、湯本君ゴメン)、そこでのプレゼン資料を公開され、その解説が書いてある。 最初の問題提起として、「僕が常々問題にして
「日本人はいじわるがお好き?」というタイトルで講演している先生がいる。大阪大学の教授で西條辰義という経済学者です。実験経済学というらしいのだが、実験により人間の経済行動を究明していく試みを実践している。この話は、昨年10月に日経新聞に連載されたのでご存知の方もいると思いますが、これが無茶おもしろいので紹介する。 有名な“囚人のジレンマ”というのをご存知だと思いますが、それに似たような実験を行なっている。まず10ドルを持っている2人の個人がお金を出し合って公共財(たとえば道路)をつくる場面を想定する。 そして、10ドル出すか出さないかの二つの選択肢があり、二人が出したお金の合計額に1.5を掛けた分の利益が、一人だけではなく双方に戻ってくるとする。ここで二人とも10ドル出せば、拠出金の総額は20ドルになり、これに1.5を掛けた30ドルがそれぞれに戻ってくる。 一方、自分は出さずに相手に出させた
ちょっと前のITLeadersの特別レポートで、「【座談会】グローバル化担う企業ITの課題とIT部門が果たすべき役割」という記事があった。対談しているのは、カシオ計算機のCIOの矢澤篤志さんと、ITコンサルティングの桑原里恵さんで、司会進行が編集長の田口潤さんである。矢澤さんと桑原さんはご両人とも知っていますが、日本の情報システムの世界ではぼくは大変評価をし、尊敬している人である。 この座談会で大変有意義な議論がなされているので少し紹介しておこうと思う。お二人の意見が至極まっとうで的確なので参考になる。まずは、「「業務」に対する既成概念を変える」ということで、グローバル化とリアルタイム性に言及したあと、「ノンコア業務」と「コア業務」に話が行く。矢澤さんは、会計・購買、調達・物流、人事、EDI、コミュニケーションなどはノンコア業務でここは徹底的に標準化し、インフラは統合することが必要で、そこ
先週のテレ東のカンブリア宮殿でアニコムホールディングスという会社の創業者の小森伸昭さんという方が出ていた。この会社はペット保険という新しいジャンルの保険を開拓して急速に伸びている会社である。社長の小森氏は京都大学経済学部を卒業して東京海上に入ったエリートであるが、31歳で脱サラして会社を起こしたのである。 普通に考えるとずっと居れば将来を約束されていたにもかかわらず、茨の道を選んだわけだが、その理由が「保険会社はただ保険金を払うだけでいいのか、せっかく持っている事故などの情報を生かす方が、付加価値を生めるのではないか」と考えたことにある。 これまでの保険会社というのは、保険金を払っていさえすればいいとしか考えていない、つまり保険加入者である顧客のことなんて知らないでよくて、あわよくばできるだけ保険金を払わないですむことを考えていたわけである。それを、保険に入る人も保険金を払う保険会社も両者
丸の内の丸善に行ったら平積みでいかにも売れている風に置いてあったので手にする。「武器としての決断思考」(瀧本哲史著 星海社新書)の帯には「東大×京大×マッキンゼー 最強の授業」とある。著者は東京大学法学部を卒業して、大学院にも行かず助手になるが、マッキンゼーに転職し、現在は京都大学準教授である。同時に投資家でもある。 その著者が、京都大学で教えている「意思決定の授業」を本にしたものである。ぼくは意思決定プロセスを目下のテーマにしているので、いったいどんな思考法でその武器とはなんなのだろうかと興味がわいてくる。この授業では知識を学ぶのではなく考え方を学ぶのだと強調している。そこで大事になってくるのが、「知識・判断・行動」というこだという。 これはサイモンの意思決定プロセスそのものですよね。サイモンは、情報活動、設計活動、選択活動、検討活動と言っていますが、「知識・判断・行動」にデザインとレビ
ちょっと前のITmediaの記事に「中小企業のIT化、スマホやクラウドに注目集まる――矢野経済研究所調べ」というのが載っていた。目にしたとき思わず“ウソでしょう“と叫んでしまった。中小企業の人がそんなことを思っているのかと驚いたのだが、案の定調査の対象がソリューションベンダーであった。 調査は2011年9月から11月にかけて、中小企業のIT化について実績がある全国のソリューションベンダーを対象に実施したものだそうだが、これは事実ではなく単なるベンダーの願望でしょう。最近はIT投資が減速しているから、比較的未開拓である中小企業を攻めようとしているようなので、煽っているだけのように思える。 このところ中小企業のIT化に関係することが多く、実態がけっこう見えてきているのだが、中小企業の7割にスマホの需要があるとは思えない。何のために、何を見たいからスマホを使うのだろうか。その前に会社のパソコンで
« 不思議前提とIT ― 「ニーズはなんだ?」と問うあやまち | メイン | 男の伝言板 - 遊び三昧 » 僕は世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia. 下の息子との定例会を今回は趣向を変えて映画を観ることにする。というのも、「僕は世界を変えることができない。」というタイトルの映画が、カンボジアに小学校を建てようと奔走する若者を描いたものであることがわかったからである。息子は今年の連休にひとりでカンボジアを旅してきたので、一緒に観ようと誘ってみたのである。 そうしたら、原作も読んでいて是非観たいという。ということで、新宿で待ち合わせて映画鑑賞となる。二人で映画を観るなんていつ以来だろうと言ったら、以前一緒に観たのはミッション・インポッシブルだったと覚えていた。この作品の製作年は1996年だから、そうか15年前で、息子は中
先頃のエントリーで「BPM交流会」のことを書いた。その中で、ぼくの行った講演のポイントの初めのところに“WhatがHowに優先する”ということを指摘したので、もう少し詳しく説明しようと思う。大変に大事なことだと思うからである。 Whatというのは、ビジネス要求を実現するための仕組みと仕掛けをどんなものにするのかである。それをどうやって作るかはHowであるが、まずは仕組みと仕掛けを設計しておくことが先決であると言っている。そんなことは当たり前だと思われるかもしれませんが、意外といいかげんになっていて、Howを優先しがちになっているのが現状ではないでしょうか。 どうしてこうしたことが起きるのでしょうか。ぼくは次のような3点があるように思っている。そのひとつが、システム化することはITを使うことだと勘違いしていることがある。ビジネス要求を実現するためには、システム化することは重要である。つまり、
最近うちのばあちゃんの聴力がかなり衰えてきた。なので1年くらい前に補聴器を買った。補聴器というのはびっくりするくらい高価なので、使わないともったいない。しかしながら、慣れるまでけっこう大変で多くの人が、わずらわしくなってやめてしまうようだ。 補聴器屋さんが定期的に来てくれるのだが、その時に決まって言うのが、慣れてください、付けたまましゃべってください、そうすると脳が覚えるからそれまでは我慢してくださいねということである。耳が反応するのではなく脳が認知して初めて聞こえるようになというのだ。 そんなことがあったので、脳の本を手にする。「脳に悪い7つの習慣」(林成之著 幻冬舎新書)である。著者の林さんは北京オリンピックの日本代表競泳チームに「勝負脳」を教えた人で好成績に貢献した人で、それを元にした「<勝負脳>の鍛え方」という本も著している。いやー、おもしろかった。 のっけに、脳神経細胞がもつ本能
アリというのはハチと同じように働きアリという言い方があるようにみながせっせと働いているものと思っていたらそうではないのだという。これりゃまたおもしろそうな話だなと思って早速買い求める。生物学者の長谷川英祐先生の書いた「働かないアリに意義がある」(メディアファクトリー新書)である。 まずは実態から。アリはハチと違って飛ばないから観察がしやすいので、その研究の結果、ある瞬間7割ほどの働きアリが「何もしていない」ことが実証されたのである。これはある瞬間ですから偶然ということもありますが、それでも1カ月以上継続的に観察した結果でもだいたたい2割ぐらいは働いていないそうです。 普通に考えるとそんなに働かないとそのコロニーはつぶれてしまうのではないかと思うのですがそうではないのですね。それを解くカギとして組織が存続するために必要なこととして、ルーティン的な仕事ともう一方で突然予定外の仕事が湧いて出てく
先週末、大学の時の先輩が亡くなったのでその通夜に行って来た。まだぼくの1歳上だから60ちょっとすぎたところである。これまでは自分らの親が亡くなる話が主だったが、これからは同年代の仲間の訃報に接することが増えそうだ。大学時代の仲間と、もうおれたちもずいぶんと老いたものだなあと言いながら昔話に花が咲いた。 そうした老境に入った人(今は高齢者というのは65歳かららしいが)にはうってつけの本が「老いの才覚」(曽野綾子著 ベスト新書)である。曽野綾子も1931年生まれだから今年で80歳になる。この本では、年の取り方を知らないわがままな老人に警鐘をならしている。昔なら、多少のわがままを年寄に許したと思うが、現代のように老人がごろごろいる時代ではわがままは許されなのかもしれない。 タイトルにある老いの才覚というのは、老いる力をもつことだと言っていて、それには7つの力がるという。 1.「自立」と「自律」に
ちょっと前のうちの社長のブログで経験について書いてあるが、まだ30歳前だというのにえらそうに経験なんて言うのは早いぞと言おうかと思った。ところがよく考えてみるとただ単に齢を重ねるのが経験でもなんでもないというこことに気がつく。つまり、年寄りだからより多くの経験を積んだということではないと思うのである。では経験というのは何なのだろうか。ここからはぼくの勝手な三段論法である。 経験は失敗の数である。 当たり前だが、人生には成功も失敗もつきものである。しかしその前に成功も失敗のない生き方もあるような気もする。だから、まずは、成功も失敗もあってこそ経験である。そのなかで、失敗が経験の数と言っているのは、成功と失敗の数で失敗のほうがはるかに多いからである。 成功というのは長続きしますが、失敗はすぐにリカバリーしようとします。一回の成功でそのまま人生を終えることはあまりないかもしれませんが、かなり長続
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