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衆院選
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地図を読む上で欠かせない、「地図記号」。2019年には「自然災害伝承碑」の記号が追加されるなど、社会の変化に応じて増減しているようです。半世紀をかけて古今東西の地図や時刻表、旅行ガイドブックなどを集めてきた「地図バカ」こと地図研究家の今尾恵介さんいわく、「地図というものは端的に表現するなら『この世を記号化したもの』だ」とのこと。今尾さんいわく、「日本の地形図はかつて国鉄と私鉄の2分類であったが、実はこの記号で分類されたのは『昭和30年図式』から」だそうで――。 鉄道・軌道発達の刻印 日本国有鉄道―国鉄が分割民営化され、JRグループが誕生したのは昭和62年(1987)、今から36年も前のことである。 国鉄という言葉を身近に使っていた世代もすでに40代以上になった。 戦前も国有鉄道は存在したが、大正9年(1920)から第二次世界大戦中の昭和18年(1943)までは国の省庁のひとつである鉄道省が
内閣府が公表した「令和6年版高齢社会白書」によると、昭和25年は現役世代12.1人で1人の受給世代を支えていたのに対し、令和5年は2.0人で1人を支えるようになったそう。将来<年金の減少>が懸念されるなか、社労士YouTuberとして活躍する社労士みなみさんは「手間や労力をかけずに『もらえるお金』『増やせるお金』はかなりある」と語っています。今回は、みなみさんの著書『もらう×増やす×出費を減らす 年金最大化生活』から一部引用、再編集してお届けします。 定年後も働いた方がいい5つの理由 「定年後も働いた方がいいでしょうか?」 そんな質問を受けることがあります。私は、定年後も働けるなら働いた方がいいと思います。70歳までは働くことをお勧めします。 定年後も働いた方がいいのは、いいことがたくさんあるからです。 (1)収入が増える (2)健康保険料を減らせる (3)健康になれる (4)元気とやりが
1970年代に官能小説で一世を風靡した作家・宇能鴻一郎さんさんは取材嫌いで知られ、実像は謎に包まれてきた。2006年の小説連載終了後、長く沈黙を保っていたが、21年に復刊された純文学短篇集が話題を呼び再ブームに。宇能作品をこよなく愛する近藤サトさんが宇能さんの邸宅を訪ねると…。今年から月刊化し大好評発売中の『婦人公論』4月号より特別に記事を公開します(構成=山田真理 撮影=宮崎貢司) 女の血、男の血 近藤 いま私、本当に感無量で、何からお話ししていいかわからなくなっております(笑)。まず驚嘆したのが、こちらのご自宅です。横浜の小高い丘の上に建つ堂々たる洋館で、なんと社交ダンスを楽しめる広大なボールルームまで備わっていて。 宇能 僕は昔から建築が大好きで、この家も自分で設計して思うままにつくったんですよ。 近藤 私にとって宇能先生は、15歳のころから憧れの方なのです。岐阜県の山奥で育った私は
9月といえば「勉強の秋」「読書の秋」。夏休み明けの学生や社会人のみなさんのなかにも、「新しいことを学びたい!」と思っている方が多いのでは。でも実際には気持ちを切り替えられず、なかなか勉強に取り掛かれない、という人も多いはず。そんな悩みに、『自分にあった方法が見つかる! 勉強法図鑑』の著者で現役東大生の西岡壱誠さんがお答えします。 「やる気が出ない」「気持ちを切り替えられない」のなら 以前の記事にも記しましたが、著者は自ら東大に合格したのち、勉強法を研究するスペシャリスト集団をつくりました。現役東大生や予備校の講師、大学の先生などに集まってもらい、次のようなことをしています。 ・東大生にアンケートを実施して、勉強法や使っていた参考書、生活習慣などのデータを収集 ・そのデータと分析をもとに、全国の学校現場で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施。勉強法の指導などを行う
世界に衝撃を与えた真珠湾攻撃。それは日本が敗北への道を歩み始めた決定的瞬間でもありました。しかし、その攻撃が行われた昭和16(1941)年12月8日からさかのぼること約半年、若きエリートを集めた「総力戦研究所」で行われたシミュレーションで「日本はアメリカに負ける」と予言されていたのです。そしてその中には『虎に翼』で岡田将生さん演じる星航一のモデル・三淵乾太郎も――。『昭和16年夏の敗戦』(著:猪瀬直樹)をもとにその背景と経緯を紹介します。(全2回記事の前編) 予測されていた「日本必敗」という結論 太平洋戦争については、軍部の暴走によって無謀な戦争に踏み切った結果、敗戦を喫したというシナリオが、おおむね今の日本人のあいだに浸透している見方だろう。 だが、当時の軍人たちが無知蒙昧な悪人集団であったというとらえかたは、あまりにも表面的である。 なぜなら、開戦後のシミュレーションは、適切な人材とデ
世界に衝撃を与えた真珠湾攻撃。それは日本が敗北への道を歩み始めた決定的瞬間でもありました。しかし、その攻撃が行われた昭和16(1941)年12月8日からさかのぼること約半年、若きエリートを集めた「総力戦研究所」で行われたシミュレーションで「日本はアメリカに負ける」と予言されていたのです。そしてその中には『虎に翼』で岡田将生さん演じる星航一のモデル・三淵乾太郎も――。『昭和16年夏の敗戦』(著:猪瀬直樹)をもとにその背景と経緯を紹介します。(全2回記事の後編) エリート集団「総力戦研究所」の出した結論 否応無しに総力戦に臨みつつあった日本には、早急に状況に対応しうる人材を育成する必要があり、急遽「総力戦研究所」が開設された。 研究生として集められたのは36名の「官民各層から抜擢された有為なる青年」。その所属は、大蔵省、商工省といった省庁のエリート官僚、陸軍省の大尉、海軍省の少佐、そして日本製
累計100万部を超えるベストセラーとなった『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』シリーズをはじめ、労働者階級の目線から世界を見つめて綴られた著書の数々が大人気のブレイディみかこさん。このたび待望の新刊『転がる珠玉のように』が発売された。収録されているのは、2021年4月から2024年3月まで『婦人公論』と「婦人公論.jp」で連載されたエッセイだ。イギリス在住の著者が日常を通して日本の女性たちに伝えたいこととは? (構成◎丸山あかね 撮影◎Shu Tomioka) タイトルに潜む想いとは? 「転がる珠玉のように」の連載のご依頼をいただいた当初は、貧困家庭に育った私の生い立ちや思春期、青春時代、今に至るまでの経緯をテーマにということでした。でも60年近く生きていると昔のことなんか詳しく覚えていないわけです(笑)。記憶を辿ればいろいろ思い出す出来事はありますけれど、前後のつながりやその時
婚姻の際、夫婦がどちらかの姓にしなければならない夫婦同氏(どううじ)制。義務づけているのは世界で日本だけだ。同姓にするか別姓にするかを選べる《選択的》夫婦別姓導入を求める声は根強いが、半世紀にわたり進まない。同性婚の法制化は、同性同士の結婚を認めない民法と戸籍法の規定が「違憲状態である」と札幌高裁が判断、次の一歩が期待されているが――。法律婚を望む2人を阻む〈制度〉の課題。酒井順子さんとともに婚姻にまつわるあれこれを木村草太さんに学ぶ(構成:篠藤ゆり 撮影:本社・武田祐介) 酒井 「夫又は妻の氏」とあるのに姓を変えるのは女性が圧倒的に多く、2022年の内閣府の調査によれば全体の95%だとか。 改氏による職業上、日常生活上、精神的な不便・不利益が指摘されて半世紀は経ちますし、今年に入って経団連が選択的夫婦別姓導入の実現を政府に求めたこともありました。壁は政治ですか。 木村 1996年に、法務
婚姻の際、夫婦がどちらかの姓にしなければならない夫婦同氏(どううじ)制。義務づけているのは世界で日本だけだ。同姓にするか別姓にするかを選べる《選択的》夫婦別姓導入を求める声は根強いが、半世紀にわたり進まない。同性婚の法制化は、同性同士の結婚を認めない民法と戸籍法の規定が「違憲状態である」と札幌高裁が判断、次の一歩が期待されているが――。法律婚を望む2人を阻む〈制度〉の課題。酒井順子さんとともに婚姻にまつわるあれこれを木村草太さんに学ぶ(構成:篠藤ゆり 撮影:本社・武田祐介) <中編よりつづく> 憲法24条1項の「両性」の意味するところ 酒井 どちらかというと、同性婚の法制化のほうが一歩進んでいるようにも見えますね。 木村 日本ではじめて同性婚に関する訴訟が提起されたのは2019年でした。当初、国は「婚姻とは生殖関係を守るためのもの」という方向で議論をしていたんです。そんなわけあるか、という
婚姻の際、夫婦がどちらかの姓にしなければならない夫婦同氏(どううじ)制。義務づけているのは世界で日本だけだ。同姓にするか別姓にするかを選べる《選択的》夫婦別姓導入を求める声は根強いが、半世紀にわたり進まない。同性婚の法制化は、同性同士の結婚を認めない民法と戸籍法の規定が「違憲状態である」と札幌高裁が判断、次の一歩が期待されているが――。法律婚を望む2人を阻む〈制度〉の課題。酒井順子さんとともに婚姻にまつわるあれこれを木村草太さんに学ぶ(構成:篠藤ゆり 撮影:本社・武田祐介) 事実婚では、婚姻の法的効果は得られない 酒井 私は20年近くパートナーと同居していますが、戸籍上は独身。いわゆる事実婚、という状況です。 木村 法律婚を選択しない理由をうかがっても? 酒井 うーん、「なんとなく」と「面倒臭い」というところでしょうか。結婚できない事情があるわけではないです。ただ、親に許しを得るとか、式を
2023年春の国家公務員採用総合職試験で、減少傾向にあった東大生の合格者がついに200人を割り、話題になりました(数字は人事院発表)。一方、元労働省キャリアで公務員制度改革に関わってきた行政学者・中野雅至さんは「90年代以降の行政改革の結果、官僚は政治を動かすスーパーエリートと、下請け仕事にあくせくするロボットに二極化。その結果が東大生の”官僚離れ”を招いた」と主張します。今回その中野さんの新刊『没落官僚-国家公務員志願者がゼロになる日』より一部を紹介。”嵐”の改革30年間を経た官僚の現状に迫ります。 官僚の世界で出身中高を尋ねるのがスタンダードになっていた理由 2024年現在、官僚人気は風前の灯火。東大生の霞が関離れが顕著になっている。その一方で、これまでキャリア官僚とは縁遠かった私立大学出身者が増えている。 筆者は、「MARCHなどの私立大学出身者が増えている傾向をどう思うか」とマスコ
大学受験、資格試験、語学、日常学習、ノート術にメモ術、さらにはスケジュール管理…。ネットの記事などでは、日々さまざまな<勉強法><学習法>が紹介されています。しかし、記事をどれだけ読んでも「結果が出ない」「続かない」という人も多いのでは。そんなお悩みに、『自分にあった方法が見つかる! 勉強法図鑑』の著者で現役東大生の西岡壱誠さんがお答えします。 「大学入試が変わるなかでちゃんと大学に行けるか心配」 といった親世代の声を。 そして片や… 「いくら勉強しても結果が出ない!」 「がんばっているのに、なかなかうまくいかない!」 「そもそもやる気になれない!」 そんな受験生の悩みをよく聞きます。 優れた人の勉強法を真似しても、売れている勉強本を買っても続かないし、結果がでない。やっぱり先天的な才能や地頭が足りないのかな…と考えてしまう人も多いのではないでしょうか。 でもそれは、「自分にあった勉強法」
大河ドラマ『どうする家康』『麒麟がくる』などには著名な戦国武将が登場します。しかしその裏に、もっと注目されてもいい<どんマイナー>なご当地武将が多く存在する!と話すのが「れきしクン」こと歴史ナビゲーター・長谷川ヨシテルさん。長谷川さんがそんな彼らの生涯をまとめた著書『どんマイナー武将伝説』のなかから、今回は「インフラ工事のレジェンド・伊奈忠次」を紹介します。 徳川家家臣に至るまでの波瀾の前半生 どの時代も人々が恐れるもの、その一つに水害があります。そのため、河川の工事によって庶民の生活に多大なる貢献をしたお方というのは、その地域で“神様”として尊敬されていることがよくあります。 有名なところだと、「信玄堤」と呼ばれる堤防の基礎を築いたとされる武田信玄は、山梨県民にとって神様そのものです。 そんな神的な人物が関東にもいまして、それがインフラ工事のレジェンド武将・伊奈忠次です! 私は埼玉県出身
自らも保護猫2匹と暮らし、「犬と猫とわたし達の人生の楽しみ方」という活動をしている青木さやかさん。今回は「動物愛護活動をしている人として」を綴ります。 青木さやか「ギャンブル依存症について考える。〈極度の興奮〉を求め、パチンコがやめられなかった。嘘をつくのも一つの癖だ」はこちら わたしは動物愛護活動をしている 「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」さんの10周年イベントによんでいただいた。Eva代表の杉本彩さんとのトークショーである。 わたしは動物愛護活動をしている。何をしているかって、犬と猫の保護団体(TWFの会)のお手伝い。 たとえば、譲渡先の家族を探す、募金箱の設置のお願いにいく、時折保護団体の動物たちのお世話をしたり、寄付の為のフリマやイベント、講演会で愛護活動について話す、など。色々あるが、一番大変なのは200を超える数の犬と猫の日々のお世話と、金銭面だと感じている。 多くの団
42歳で描いた『テルマエ・ロマエ』が刊行されたとたん「人生が一変した」というマリさん。映像化を巡っては出版社と家族の意見の板挟みとなり、病院に運ばれる事態になったそうで――。(文・写真=ヤマザキマリ) 『テルマエ・ロマエ』刊行で人生が一変して 私が漫画の道を選んだのは、自分の専門だった油絵では生活できなかったからだ。イタリアでの暮らしが11年目になるころ、結婚もしていないのに子供が生まれ、いよいよ社会と接点のある仕事をしなければ、という決意と模索の結論が「漫画」だった。 それを人に言うと、「その選択おかしいでしょ」と笑われる。 まったくその通りなのだが、芸術性を重視する欧州の漫画“バンド・デシネ”と違い、経済生産性の高い日本の漫画は、自由や自分のペースが許されるような仕事ではないという知識だけは持っていた。だから漫画家という職種は、私としては立派な社会的仕事という認識だったのである。 28
2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』で注目を集める平安時代。主人公の紫式部のライバルであり、同時代に才能を発揮した作家、清少納言はどんな女性だったのでしょうか。「私は紫式部より清少納言のほうが断然好き」と公言してはばからない作家、下重暁子氏が、「枕草子」の魅力をわかりやすく解説します。縮こまらず、何事も面白がりながら、しかし一人の個として意見を持つ。清少納言の人間的魅力とその生き方は、現代の私たちに多くのことを教えてくれます。 最後の一人になっても離れないと誓った、定子への想い 清少納言が仕えた中宮・定子との絆がさらに深くなったのは、皮肉にも、道長からのいじめともとれる行動が如実になったことがきっかけでもあった。 道長は娘彰子を十二歳とまだ少女のうちに入内させ、天皇にはいくら定子を愛しているといっても、権力を握る道長に反抗する力はなく、ここに、一条天皇をめぐって二人の后が並立するという
監督の仕事の姿勢 監督の仕事の姿勢もそうだ。 とにかく相手への要求がものすごい高い。 それだって嫌だったら断ればいいのだ。 でも、やってみたい。監督が求めているものを作ってみたい。 そう思ってみんな頑張っていく。 そもそもその「相手への要求が高い」というのは 相手の才能に対して制限をかけないということでこれが普通はできないことだ。 そしてそれに嬉々として答えていくエヴァの監督勢やスタッフの面々は すごい人たちばかりだな、と改めて思う。 私は一度監督の映画「キューティーハニー」で 怪人のキャラクターデザインを任されたことがあった。 渡されたラフデザインは私から見るとこれで充分なのでは…と思うレベルの出来だ。 それでもなんとか自分なりに要素を足したものを描いて出すと違うと言われる。 なのでやり直す。 提出してもまた違う、と言われる。 それを繰り返していくのだが、その作業はまるで モデルがないの
漫画『ハッピー・マニア』で人気を博し、その後の作品『シュガシュガルーン』では第29回講談社漫画賞を受賞するなど、数々の名作を生み出している、漫画家・安野モヨコさん。そして、安野さんのパートナーはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の監督・庵野秀明さん。このクリエイティブなご夫婦は一体どんな生活を送っているのでしょうか。安野さんは、「監督は眠っている時の姿が浜辺に打ち上げられた棒みたい」と言っていて――。 集中力 監督は眠っている時の姿が変わっていて 浜辺に打ち上げられた棒みたいに一本になって寝ている。 体の中にある本体が抜け出して、その際入れ物である肉体を ぽいと投げ出して出かけてった、というような感じがする。 なんでそんなふうに感じるかというと 普段から監督の動きがそんな様子だからだ。
血のつながらないおばあちゃんから莫大な資産を相続した──そんなおとぎ話のような本当の話がある。カスタネットパフォーマーの前田けゑさんの人生は、一見、とてつもなくラッキーなようだが、お金の魔力とは恐ろしいもので……(構成=平林理恵 撮影=本社写真部) 食事会は仕組まれていた!? 8年前、30歳の時に、母方の祖母の友人だった女性から、名古屋市内の不動産15億円ほどを相続しました。 この“名古屋のおばあちゃん”と知り合ったきっかけは、祖母に「紹介したい友達がいるから」と、ご飯に誘われたことです。当時の僕は25歳の売れないミュージシャン。祖母にはしょっちゅうご飯を食べに連れて行ってもらい、その場に祖母の友達が同席することも少なくなかった。 だから、僕には特別なことではなかったのですが、すでに2人の間では話がまとまっていたのでしょう。今思えば、あれは跡継ぎを探している親友に、孫を紹介するための会食だ
編集:このところ、店員さんが常駐していない「無人店舗」を見かける機会が増えました。冷凍食品や古着などはもちろん、最近では「無人書店」もちらほら。今回お話をうかがうトーハンさん・Nebraskaさんが携わっているものとしても、既に23年から「山下書店世田谷店」「メディアライン曙橋店」で、24年3月中旬から「メディアライン大山店」で夜間の無人営業をスタートさせるそうです。 清水:連載通じて「本屋さんがこの先、生き残るための方法」を模索してきたなか、今回、はじめて大きな会社を取材するということで、興味が尽きないわけですが……。僕の認識では、トーハンさんは取次の会社というか、本の流通を手掛ける側のイメージだったけれど、小売りも手掛けているんですね。 大塚:小売りを始めて20年ほどになるでしょうか。ただ、我々が主体的に出店、というのではなく、法人単位で引き受けて運営している形がほとんど。経営が厳しく
「私は作品を通じて視聴者になにかを啓蒙しようと思ったことはありませんが、『光る君へ』では、自分もなんとなくとらわれていた〈平安時代に関する思い込み〉を変えられたら、という気持ちがあります」(撮影:大河内禎) 年が明けてスタートした『光る君へ』。大石静さんが大河ドラマの脚本を手がけるのは、『功名が辻』以来、18年ぶりとなる。わかっていることの少ない紫式部と平安時代をテーマに、大石さんの描く1000年前の物語が幕を開けた(構成=山田真理 撮影=大河内 禎) <前編よりつづく> 平安時代を知るのは面白い 仕事がなかったら、とてもやりきれなかったでしょうね。でも仕事の場には仲間がいる。現場に行って美術さんから「大石さん、新しいセット見てよ!」なんて声がかかると元気が出る。 心身の疲れを癒やす時間もおかずに仕事に戻りましたが、「この仕事を受けていてよかった」と思いました。そうして少しずつ立ち直ってい
年が明けてスタートした『光る君へ』。大石静さんが大河ドラマの脚本を手がけるのは、『功名が辻』以来、18年ぶりとなる。わかっていることの少ない紫式部と平安時代をテーマに、大石さんの描く1000年前の物語が幕を開けた(構成=山田真理 撮影=大河内禎) 本名も不明の人物を題材に 『光る君へ』の放送はまだ始まったばかりですが、この仕事にとりかかってすでに2年半が過ぎました。大河ドラマであってもほかのドラマであっても仕事の厳しさに変わりはないですが、なにしろおよそ50話となると、普通の連続ドラマの5クール分、ぶっ通しで書かなければいけません。 いまは29話目を書き上げたところですけど、最終話を書き上げるまでホッとするときは訪れないでしょうね。 2021年の春ごろにお話をいただき、「紫式部を描く」というテーマを聞いて少し悩みました。平安時代に関する知識は、歴史の授業で学んだ程度。私でもピンとくるような
今年1月1日、経済評論家の山崎元さんが、食道がんで亡くなりました。楽天証券経済研究所客員研究員として、経済に関する情報発信に尽力されていた山崎さん。闘病中に息子さんを含めた若者へ向けて、「お金と人生、幸せについて大事なこと」を書き下ろしました。そのなかで山崎さんは、「かつてと今とで働き方は変わったが、人間は大きく変わっていない」と言っていて――。 キャリアプランニングで意識する「28歳」、「35歳」、「45歳」 かつてと今とで、働き方は変わったが、人間の方は大きくは変わってはいない。 組織人を前提としたキャリアプランニングで意識すべき3つの年齢は今も案外変わっていない。 命令形で箇条書きにすると以下の通りだ。
東武鉄道の歴史 最初のターミナルは北千住であり、その後、現在の「とうきょうスカイツリー駅」のあたりに「浅草」を名乗るターミナルを設ける。 隅田川は越えられないという状況であった。なお、このターミナルは「浅草」から「業平橋(なりひらばし)」へと名称変更し、貨物の取り扱いの拠点となっていた。
『沿線格差』という言葉を目にすることが増えましたが、フリーライターの小林拓矢さんいわく、「それぞれの沿線に住む人のライフスタイルの違いは、私鉄各社の経営戦略とも深くかかわっている」のだとか。今回はその小林さんに「東武鉄道沿線の魅力と実情」を紹介していただきました。東武鉄道は、都市圏の通勤・通学を主たる任務とする鉄道として生まれたわけではなかったそうで――。 東武鉄道沿線の魅力と実情は? そもそも東武鉄道は、都市圏の通勤・通学を主たる任務とする鉄道として生まれたわけではなかった。 東京都を中心に、埼玉県・千葉県・栃木県・群馬県に広がる一大ネットワークとして誕生し、蒸気機関車の運行もあった。 現在でも、単線区間が残っているという状況である。群馬県や栃木県では、ローカル輸送に徹しているところもあり、“ミニJR”のようなネットワークの性質を持っている。 そもそも東武鉄道の発足は、1897(明治30
2023年に放映された大河ドラマ『どうする家康』。家康は当時としてはかなりの長寿と言える75歳でこの世を去っています。「家康が一般的な戦国武将のように50歳前後で死んでいたら、日本は大きく変わっていた」と話すのが東京大学史料編纂所・本郷和人先生です。歴史学に“もしも”がないのが常識とは言え「あの時失敗していたら」「失敗していなければ」歴史が大きく変わっていたと思われる事象は多く存在するそう。その意味で「武田信玄のとある失敗」が歴史に与えた影響は絶大だったそうで――。 国へのこだわりに絡め取られた信玄 前回、武田信玄最大の失敗「長男・義信の自死」について触れました。 もうひとつ、これは失敗ということではないのですが、信長と比較して、信玄は「国」という単位にこだわり過ぎた気がします。 信玄は甲斐の隣の信濃を攻略した。これは先に述べたように信濃を攻略することで、甲斐本国の盾にするという意味があっ
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