寒風が吹きすさぶ昨年の暮れ、開幕まで半年を切った2025年大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の一角で、職人らが急遽(きゅうきょ)、建設部材の溶接作業に追われていた。 現場を仕切るのは大阪の施工会社。欧州のある国のパビリオン建設を外資系イベント会社から請け負い、建物の骨組みを受け取ったが、寸法や形状に誤りがあったのだ。 施工会社の男性社長は「はりが短い。設計通りに穴は開いていない。そんなミスが相次いで見つかった」と明かす。 イベント会社から提供された灰色の部材に、独自で調達した赤色の部材を接合し、寸法を合わせる。そんな計画外の対応に月日を費やす羽目になり、「ただでさえ時間がない中、工程がどんどん後ろ倒しになった」(男性社長)という。 このパビリオンの建設は、イベント開催で豊富な経験がある外資系イベント会社が受注し、男性社長の会社が下請けで参入。発注は細分化され