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アメリカ大統領選
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マネジャーの機能不全が問題視されて久しい。筆者が認識している限り、そうした指摘がなされてからすでに20年以上の時が経過している。その主たる要因はマネジャーにのしかかる過剰な負担にあるのだが、企業・人事がさまざまな対策を進めているにもかかわらず(※1)、抜本的な解決を見ないまま今日に至っている。結果的に見れば、これまでは“何とかなっていた”ということなのかもしれない。しかし、いよいよ“どうにもならない”状況になりつつある。その兆しはマネジャーの負荷の質的な変化に表れてきている。本稿では今日のマネジャーが置かれている状況について「感情労働」の視点から深掘りしていきたい。 実務調査に見るマネジャーの過剰な負担の実態 今日、マネジャーが直面している苦境に関する記事やコラムを目にしない日はない。そうしたマネジャーが置かれた状況を指して、「受難の時代」(リクルートマネジメントソリューションズ, 201
現代日本人のライフキャリアを考える キャリアは一般的には個人が長年にわたって積み重ねた仕事経験のつながりと考えられている。つまり、人生の時間軸のなかで積んできた仕事の経験が結果としてその人のキャリアとなる。 このようにキャリアというのは基本的にはこれまで経験してきた仕事のことを指す言葉であり、人の生涯に仕事が重要な役割を果たすということを否定する人はあまりいないだろう。多くの人にとって仕事と人生は切っても切れない関係にあり、だからこそキャリアについて考えることには意義があると言える。 一方で、人の人生のなかにおいて仕事というのは1つの構成要素にすぎないこともまた事実である。自身の家庭をどう形成するか、趣味を自身の生活のなかでどのように位置づけるか、また地域とどのように関わるか。人生において仕事以外にも大切な要素はたくさんある。そうした意味で、仕事をはじめとする生活全般の要素に関して、その経
日本では、非正規雇用の特徴として賃金の低さが挙げられる。国際的にも、そのような傾向はみられるのだろうか。 図1では欧州諸国と日本の比較を行った。人口規模や経済規模なども考慮して、それらの規模が比較的大きな国と比較した。国際比較するにあたっては、労働時間の多寡と雇用契約期間の有無によって分類する。これは、雇用者を「正社員」と「正社員以外」といった分け方で区分する国は稀だからだ(注1)。 グラフの左側では、無期雇用者に対する有期雇用者の時間あたり賃金の比率を示した。欧州諸国も国によってばらつきがあるが、欧州諸国では7~9割に対して日本は6割程度である。日本の有期雇用者は無期雇用者に比べて相対的に時間あたり賃金が低い。 次にグラフの右側、一般労働者(フルタイムで働く雇用者)に対する短時間労働者の時間あたり賃金の比率をみると、概ね7~9割程度である。それに比べ、日本は6割に満たず、日本の短時間労働
日本が今後直面する「労働供給制約」の実態についてシミュレーションをおこない、今後起こる私たちの生活への影響を明らかにするとともに、労働供給制約の時代でも持続可能で豊かな社会を作るための、解決策を報告する。
学びの概念はここ数年で大きく変化してきている。実際に研修会などで「自分らしい学び方を教えてください」と尋ねると、これまでは「学び」とは認識されていなかった、「他の人に教えてあげる」「たまに行動を振り返る」など、“知識を使ってみること”や“人とのかかわり”“普段接しない人と会話すること”などが「学び」として挙げられる(※1)。 さらに学びのプロセスにおいては、アンラーニングのように既知の内容を学びほぐし、新たな知との融合を図る場面もあるだろう。こうした、多様な大人の学び行動をどのように捉えたらよいのだろうか。 多義的な「自己啓発」の対象 これまで大人の学びには、「自己啓発」という言葉が多くあてられてきた。内閣府(2021)はリカレント教育を構成するメニューを公的職業訓練、OJT、Off-JT、自己啓発、就業以外の職務経験等の 5つに区分し、自己啓発をその一部に位置付けている。ただし、「自己啓
日常的、継続的にイノベーションを起こしていく必要に迫られている中、その土台となる「働く人々の創造性」は、今やすべての企業にとって喫緊の課題となっています。創造性を発揮しやすいチーム、組織を作るためには、どのような点に着目すればいいのでしょうか。 第3回は、経営学の領域で、職場の物理的環境や情報技術の導入、人事施策がどのようにして成果(生産性やクリエイティビティ)につながるのかについて研究をされている、東京大学大学院の稲水伸行准教授に話を聞きました。 【プロフィール】 稲水伸行(いなみず・のぶゆき) 東京大学大学院経済学研究科准教授。同大学院にて博士課程単位取得。日本学術振興会特別研究員(DC1)、東京大学ものづくり経営研究センター特任研究員、筑波大学ビジネスサイエンス系准教授などを経て、2016年より現職。主な研究分野は経営科学、経営組織論。近著論文に「ハイブリッドな働き方で創造性をいかに
今、高校卒採用市場で大変な事態が起こっている。2023年卒の求人倍率が過去最高水準となっているのだ。毎年5名前後の高校生を採用しているという企業の経営者は以下のように話していた。 「去年までは予定人数を採用できていたのですが、今年は9月末の時点で応募すら1人もありません」 高校生の採用に詳しい方であればおわかりだろうが、高校就活では、9月16日の選考解禁日に学校から推薦された1社の選考を受け、その企業から内定を得ることで大多数の就職希望者の進路が決定してしまう。このため、9月末時点で「応募すらない」状況であった上記の経営者は、今年度の高校生採用を完全にあきらめる覚悟を決めていた。 いま高校卒採用に起こっている変化について、簡単に紹介する。 求人倍率3倍超え 端的にわかりやすいのが、昨年度から突然求人倍率が急上昇したことである(結果はすべて7月末時点での求人・求職者数)。 2022年卒で2.
一般労働者(短時間労働者を除く常用労働者)として働く女性の賃金水準は、近年増加傾向にある(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。 男性の賃金水準に対する女性の賃金水準の割合を表した男女間賃金格差(男性=100)をみると、年々縮まっており、2021年では75.2であった(図1、今後の最新値は「定点観測 日本の働き方」の女性と男性の賃金格差を参照)。ただし、先進諸外国の80~90と比較すると日本における男女間賃金格差は依然として大きい(注1)。 図1 男女別の賃金水準と男女間賃金格差の推移 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 注:一般労働者(短時間労働者を除く常用労働者)の状況である。 男女間賃金格差が生じる主な原因として、年齢、学歴、労働時間など属性の差異が挙げられる。 そこで、「全国就業実態パネル調査(JPSED)」を用いて属性を揃えた場合、どれだけ男女間賃金格差が生じるのかをみてみ
組織として集まる意味の本質は、実体のない「関係」を可視化し、実感できる場を作ることにある。集まることについてデータから見えてきた事実を解説し、今後の集まりに向けての提言をおこなう。 目次 プロローグ いま問われる、集まる意味 第1部 「集まる」の現在地 やはり起きていた行動のサイロ化/リモートリテラシーの実情/企業カルチャーの危機/組織文化が集まる意味を変える/ハイパフォーマンスなリモート組織とは/リモートハイパフォーマーの実態/生きた学びが減っている/熟達度というレンズ/変わるオンボーディング 【CASE STUDY】 ヤフー・サイバーエージェント・リコー・NECネッツエスアイ・富士通・カルビー 乗り越えなければならない4つのコンフリクト/集まる価値とは何だったのか? 第2部 「集まる」の未来像 プロトタイピング 再帰的にしかみえない未来 エピローグ 新たなコミュニオンをつむぐために
「オフィスに戻る」理由は何か 働き方改革、それに続くように訪れたコロナ禍によって、職場の集まり方は大きく変わった。コロナ下で各社から寄せられた報告では、テレワークによって個人の生産性が上がり、従業員のウェルビーイングが向上したことが報告されている。 テレワークはもはや「対面に代わる一時的な手段」ではなく、テレワークでないとできない、「効率的な情報伝達」や「集中した思考」の場として機能している。 一方で、テレワークの弊害として職場の一体感やエンゲージメントの低下を挙げる管理職は多く、その要因は「対面」や「会う」機会の減少にあると捉えられている。 2022年3月末時点の調査においてテレワークで働く個人にコロナ収束後の出社方針を尋ねたところ、テレワークとオフィス出社のハイブリッドと回答したのは65.8%であり、テレワークの廃止が検討されているとの回答が23.2%に上るのも、「対面」や「会う」機会
ゆるい職場時代。若手が成長し活躍する職場とは 前回、「職場環境が厳しくて離職したい」若手と「職場環境が“ゆるくて”離職したい」若手が存在していることが明らかになった。それでは、近年の労働法令改正によってもたらされた新しい環境のなかで、若手と職場の良い関係とはどういったものだろうか。 今回は、若手が成長し活躍できる新しい時代の職場に必要な要素を検討する。その結果として明らかになったのは、「心理的安全性が高いだけの職場では若手は活躍できていない」という実態と、心理的安全性とマイナスの相関を持つが若手の活躍とつながる、あるファクターの存在であった。 「キャリア安全性」 今回実施した調査(※1)からは、大手企業(1000人以上)の新入社員(入職1~3年目の大卒以上正規社員)のワーク・エンゲージメントと関係する要素として、2つの要素が存在していることが明らかになった(図表1)。 図表1 ワーク・エン
急速に変わる職場環境における若手育成という新しい課題 ここ数年の労働法令改正により、職場運営に関するルールは急速に変化した。この職場運営ルールの変化の詳細については、前回のコラムをご覧いただきたい。この変化は、雰囲気が変わった、などといった曖昧なものではない。2010年代に社会を揺るがす大きな問題となった若者の労働環境問題に端を発し、政府が法令を改正したことによる環境変化であった。そのため、これが“不可逆な変化”であることに異論はないだろう(月100時間、200時間の残業を是とする社会に戻ることはありえないだろう)。 もちろん、こうした労働環境の改善はポジティブに受け止められるものである。他方で、この急速な職場環境の変化が、若手の職場観をどう変化させ、また、若手の育成をどう変えようとしているのかについてはほとんど検討されていないのが現状である。そこで現在の状況を明らかにするために、リクルー
前回のコラムではテレワークと成果主義の相性が良いという結果を紹介した。その上で安易に成果主義を適用すると、マルチタスク問題、つまり成果が見えにくい(が重要な)業務への努力が減少し、意図せざる結果を生むことになることを述べた。今回のコラムでは成果主義を導入しなくとも、テレワークをうまく機能させるための方法を考える。鍵は信頼の形成と内発的動機だ。 解決策1――信頼の形成 我々の論文(Kawaguchi and Motegi, 2020)では、業種・職種や企業規模を制御した上でなお、正規労働者の方が非正規労働者よりもテレワークをし易い、という結果が出ている。これをどう解釈すればいいだろうか? 一つの解釈として、正規労働者を長期雇用者とみなせば、労働者と雇用主の間に関係的契約が結ばれているものと理解できる。関係的契約とは、契約書などで明文化された契約ではないが、長期的関係によって維持される口約束の
新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークが急速に普及した。テレワークはコロナ禍でも就業を可能とすることもあって、誰がテレワークをしているのか、という問いが一層重要となった。筆者と東京大学の川口大司教授はこのような問題意識のもとで、テレワーク従事者の特徴を、職務の性質と人的資源管理論の視点から考察した(Kawaguchi and Motegi, 2020)。分析結果の一つとして、テレワーク従事者が、成果主義のもとで労働している可能性が非常に高いことが示されている。テレワークだと上司は部下の業務が観察不可能だ(これを経済学用語で、情報の非対称性という)。よって部下が仕事をサボる可能性がある(同じく、モラルハザードという)。そこで成果主義を導入しインセンティブをつけることで、部下の努力を引き出すわけだ。 コロナ禍でテレワークに関する議論と同時に、ジョブ型雇用への移行や、付随して成果主義関連
組合組織率は56%から17%に低下 終身雇用、年功序列、企業別労働組合という日本的雇用の「三種の神器」。 1つ目と2つ目の神器は、しだいに終身雇用から有期雇用へ、年功序列のメンバーシップ型雇用から年功不問のジョブ型雇用へと変貌を遂げつつあります。3つ目の神器である企業別労働組合もまた、組織率が低下し、存在感を失いつつあります(図表1)。 しかしいまや、VUCA(不安定・不確実・複雑・曖昧)の時代です。労働者が、環境変化による失職リスクや労働条件の低下リスクを乗り越え、キャリアを築いていく重要性は高まっています。雇用の継続や賃金や労働条件の改善など、労働組合が果たしてきた役割は、むしろ高まっているのです。 労働組合の存在感が希薄になっている一方で、労働組合が担ってきた役割はむしろ重要になっているというアンビバレントな現実が出現しています(※1)。 図表1 労働組合 推定組織率の推移(1947
コロナ禍でのテレワーク導入によって、オフィスワーカーを中心に個人のパフォーマンスは「上がった」が、組織のパフォーマンスは「下がった」と認識される傾向にある。しかし、以下に紹介するように、ある取り組みをおこなっている企業では組織パフォーマンスの低下はみられていない。働き方が変わる中、どのようにして組織のパフォーマンス改善に向けた、対面に限らない「集まり」を設計すればよいのだろうか。 コロナ禍で明らかになった組織パフォーマンスの問題 「職場における集まる意味の調査」によると、個人の成果が「上がった」と回答した人のうち、21.8%の人は組織の成果が「下がった」と回答している。特にコロナ禍においてテレワーク環境で働く人とそうでない人を比較すると、テレワークで働く人は、そうでない人に比べて「仕事の自律的なマネジメント」「集中して働ける時間」「職場の仕事の効率性や生産性」の平均スコアが高い。一方で、組
重要なのは成果 コロナ禍によりソーシャル・ディスタンスが重視され、テレワークが急速に普及した。内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、テレワーク実施率は第1回緊急事態宣言下の2020年5月時点で27.7%だった。最新の調査結果では2021年9~10月時点で32.2%となっており、テレワークは着実に定着しつつある。しかし、テレワークの普及以上に重要なことは、多くの人が、働くうえでのオフィスの必要性、集まる意味について考え直したことではないだろうか。 企業(特に人事)の側から集まる意味を考えるときに、一番重要なことは、やはり集まり方によって成果がいかに変化するかということだろう。たとえどのような集まり方であれ、組織として成果が出るのであれば、それは許容できるといえる。一方で、いかに環境を整えたりしても成果が出ないのであれば、人事としては看過す
日本の働き方の5年の変遷をまとめた「Works Index 2020」を公表しました。2016年から2020年までの日本の働き方は、働き方改革の推進、ハラスメントを許さない風潮の高まり、新型コロナウイルス感染症の広まりを背景に、3つの観点で進化し、3つの課題が残されています。
マントル岩石学者 阿部なつ江氏 Abe Natsue 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)MarE3マントル掘削プロモーション室主任研究員。金沢大学理学部地学科博士課程を修了後、東京工業大学理学部地球惑星科学教室文部技官、オーストラリア・マッコーリー大学海外特別研究員などを経て、2003年、JAMSTECの深海研究部の研究員となる。2004年改組に伴い地球内部ダイナミクス領域研究員となり、2014 年海洋掘削科学研究開発センター主任技術研究員、2019年4月より現職。金沢大学大学院客員准教授、上智大学非常勤講師も務める。日本地球惑星科学連合理事、日本鉱物科学会理事、日本地質学会岩石部会長。 地球の内部はドロドロとした熱いマグマで満たされている。そう思い込んでいる人も少なくないのではないか。太陽系外まで探査機が飛び、人類が火星に到達するのも間近という時代にあってなお、地球の掘削
増えない博士、低下する研究力 2020年は大学院や日本の研究力に関するニュースを多く目にした。例えば科学技術・学術政策研究所によると、2006年と比較して2016年の博士号取得者数が欧米の先進国や、中国と韓国といったアジア諸国では増加しているが、日本では減少している。また被引用件数が上位10%の論文シェアで、日本は1996~1998年の平均で世界第4位だったが、2016~2018年は第9位と順位を落とした。また上位10%の論文数も、中国などが急増させる一方で、日本では減少している。研究力の低下と増えない博士は無関係ではないと思われる。 日本ではなぜ、博士号取得者が増加しないのだろうか?一つの理由として、博士号を取得してもその後の展望が明るくないということがあるだろう。そこで本稿では、計量分析を用いて、大学院博士号のリターンを推定しよう(注1)。 修士を含めたうえでの、大学院のリターンは一橋
■特集 ジョブ型と大学[2.7 MB] ■特集 ジョブ型と大学 はじめに 日本におけるSchool to Work の議論を始めよう ●今進む、教育改革。現在の大学のリアルな姿とは ・大学改革はなぜ起きているのか その背景と中身を探る ・大学はこう変わっている。2つの先進事例 CASE1 スパイラルアップ型教育×教えない教育で価値創造ができる人材を育成/武蔵野大学データサイエンス学部 CASE2 学修成果を可視化するために日本版ディプロマサプリメントを開発/東京都市大学 ●何を学び、未来をどう考える? 大学生の実力と志向調査 ・テーマ1:大学の専攻をどのように決めたのか ・テーマ2:授業での学習とその成果とは? ・テーマ3:授業以外の学びの経験は? ・テーマ4:就業観やキャリア観は? ●欧米のジョブ型の本質とは。大学との関係を探る ・雇用管理:ジョブ型とはジョブを定義することではない “人
日本企業は博士人材を活かしきれていないとよく言われる。それはつまり、博士課程に進学し学位を取得しても、それに期待する賃金を得られていないということを示唆している。しかし、博士課程を修了した者のその後の賃金がどうなるのかはそこまで多く語られていない。ここでは、博士課程を修了した者の平均年収に着目して分析を行ってみよう。 博士卒の平均年収は高い まずは、各学歴別に平均年収がどうなっているのかをみてみよう。ここでは、リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2019」を用いて、博士課程修了者の平均年収を分析する。 まず、学歴別に平均年収をみたのが図表1となる。これをみると、日本において、学歴は平均年収を説明する大きな要素となっていることが確認できる。短大卒業者(239.3万円)が修業年数に比して平均年収が低かったり、工専卒業者(458.8万円)がそれに比して平均年収が高かった
1 ジョブ型雇用が最良の人事制度なのか? 1.1. 雇用制度の抜本改革 このところ、ジョブ型雇用への関心が急激に高まっている。名だたる大企業が相次いでジョブ型雇用の導入を表明したため、「ジョブ型雇用こそが最良の人事制度であり、日本企業はジョブ型雇用を目指すべき(なのだろうか)」とおっしゃる方にお会いすることが増えている。 また、「ジョブ型」という響きに、聞き手の問題意識やイマジネーションを喚起するものがあるのだろう。最近は、ジョブ型雇用の定義がバラバラなまま、時には誤解したまま、話題にされることも多い。 しかし、後述するように、ジョブ型雇用と、日本的雇用のメンバーシップ型雇用は正反対の仕組みである。日々の生産活動や社員の働き方、賃金・評価制度の根幹である雇用制度を抜本的に転換する影響は極めて大きい。制度改革には労力も時間もかかる。 雇用制度の改革は事業活動と社員への影響が大きいため、本来「
恐竜学者 真鍋 真氏 Manabe Makoto 横浜国立大学卒業後、米国イェール大学で修士号を、英国ブリストル大学で博士号取得。現在、国立科学博物館標本資料センターおよび分子生物多様性研究資料センターセンター長。恐竜など、中生代の爬虫類、鳥類の進化を研究しながら、特別展の企画や図鑑の監修などを数多く手がける。『大人のための恐竜教室』(ウェッジ、山田五郎氏と共著)などの著書がある。 多くの人が子ども時代に、一度は胸をときめかせたことがある“恐竜”という古代の巨大生物。近年、研究が進み、実は大人世代の知る恐竜の常識はもはや過去のものになりつつある。特に驚かされるのは、「恐竜は絶滅していない」という事実だ。日本を代表する恐竜学者、真鍋真氏に、恐竜研究の今と、その成果が私たちに教えてくれることを聞いた。 ― 子どもが読む恐竜図鑑を見て、多くの親が「自分が知っているのと違う」と驚きます。どんな新し
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