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今さら聞けないマルチプロセッサの基礎教えます ――キャッシュの共有,割り込みの共有,OSによる制御 木村啓二 ● キャッシュの利用にも注意が必要 キャッシュの利用についても,単一プロセッサにおけるプログラム開発以上の注意が必要となります.基本的に,キャッシュに乗ったデータはなるべく長い間使い回すこと,むだなキャッシュ間データ転送を行わないこと,の2点を考慮します.ここでは具体例として,キャッシュ間データ転送について説明します. 図7では,CPU0のみが扱うデータAとCPU1のみが扱うデータBが,同一ライン上に配置されています.これらのデータA,Bが両プロセッサのキャッシュにあるとき,CPU0がAを修正すると,(データの共有情報はライン単位で管理されているので)CPU1のキャッシュ上のA,Bが配置されているラインは無効化されることになります.すなわち,後でCPU1がBにアクセスしようとすると
特集 プロローグ 【AlteraでもXilinxでもどっちでもこい!】 Cyclone V SoCとZynqの性能を活かすにはLinuxが不可欠 今日から使う!ARMプロセッサ内蔵FPGA
ギガビット高速信号伝送を理解するための基礎知識(前編) ―― 差動信号伝送の歴史,規格の違いから終端処理まで 河西 基文 ●同相のノイズを除去できるLVDS コンピュータ・システムの処理能力が向上するに従い,1990年ころには,データ伝送についても高速化が必要となりました.例えば,図6のような機器の内部,あるいは外部で広帯域の画像データ伝送やパラレル・バスの高速化が求められるようになりました.これらはRS-422/485などの差動伝送仕様の能力をはるかに上回るものでした. 図6 広帯域信号伝送のアプリケーション例 パソコンの外部バス,液晶ディスプレイ,基地局,MFP(マルチファンクション・プリンタ),医療用機器などに使われている. 当時,高速動作可能なECL(Emitter Coupled Logic)が一部の回路に使用されていましたが,負電源駆動,汎用ロジック・レベルと非互換,電力消費が
デバイス古今東西(35) ―― なじみの正規分布に落とし穴,ときには「ブラック・スワン」の概念で捉えることも必要 山本 靖 過去に例がない事象が社会に大きな衝撃を与える現象を「ブラック・スワン(黒い白鳥)」と呼びます.ブラック・スワンの背景には,理工系の技術者や研究者にはなじみの薄い「べき分布」という確率上の概念が存在します.本稿では,このブラック・スワンの考え方について述べていきます. ●大事件の後は「ブラック・スワン」に注目が集まる 米国では2008年9月のリーマン・ショックの後に,日本では2011年3月の福島原発事故の後に,ブラック・スワンの概念に注目が集まり,数多くの新聞,書籍,雑誌などで紹介されました.ブラック・スワンの概念は,認識論者,研究者で金融デリバティブの専門家でもあるナシーム・ニコラス・タレブ氏の著書『ブラック・スワン』に由来します(1).いわく,「オーストラリア大陸(
【3】意外と難しい「単体テスト」,「結合テスト」の区別(1/2) 次に,「単体テスト」と「結合テスト」という分類の仕方について考えてみることにしましょう.冒頭の例でいうと,Gさんが担当しているモジュールの単体テストを終えたら,次の工程で全体の結合テストを実施することになります.単体テストから結合テストへという進め方は,一つ一つ部品を確実に組み立てる立場からすれば当たり前のことのように思えます.しかし,実際の開発ではこの「単体」と「結合」の区別はそれほど容易ではありません. 開発者の中には,「単体テストとは関数一つ一つに対して行うもの.それらの確認が終わって初めて結合テストができる」とやや教条主義的に考えている人もいます.また,結合テストはビッグバン・テスト(単体が終わったら全体を一気につなげる)以外考えず,段階的に結合していくことにはあまり関心のない人もいます.このような考え方が行き過ぎる
分野別の模擬問題も公開! 電気・電子系技術検定試験「E検定」2013年秋期の結果発表 ―― 成績優秀者と得点分布 CQエレクトロニクス・セミナ事務局 / (株)フュートレック CQ出版社では,2012年より「E検定 ~電気・電子系技術検定試験~」(以下,「E検定」)を実施しています.これは,電気・電子系の技術知識や応用力を測る検定試験です.単に知識量のみを測るのではなく,知識を応用したり,問題を解決したりする能力も測ります.ここでは,2013年秋期(10月~12月)の成績優秀者を発表します.また,受験者全体の傾向や得点分布,各出題分野別の模擬問題などを紹介します. 「E検定」の概要については,こちらのページを参照してください. ●成績優秀者を発表,今回は“匠”が2人 まず最初に,成績優秀者の方々を紹介いたします.E検定では,正答数に応じて,試験ごとに全受験者に『称号』(名人,師範,上級者
RFワールド・ダイジェスト版 Wi-SUN/スマートメータなどへの 応用が期待される新規格 920 MHz帯特定小電力無線のあらまし 萩野達雄 Tatsuo Hagino ■はじめに Wi−SUN/スマートメータなどへの応用が期待される新規格の920MHz帯は,免許不要な無線システムが使えるもう一つのプラチナ・バンドとして注目されています.免許が不要な無線システムとしては2.4/5GHz帯の無線LANやBluetooth,ZigBee,微弱無線,特定小電力もあり,身近なものとしてはSuica,Pasmoなどの交通系ICカードなどもあります. これら従来の無線システムと920MHz帯は,何が違うのでしょうか? ■1.1 微弱な無線局,特定小電力無線局,小電力データ通信システムの用途や種類 表1に無線局の種類や用途と割り当て周波数帯などを示します.通信速度と通信距離は市販の無線モジュールを調
スマホとコンビを組み始めたBluetooth Low Energyの低消費電力を支える技術 ―― 送信受信時のピーク消費電力を,既存品の3割以上削減! 田中 邦夫 Bluetoothは,パソコン周辺機器やヘッドセットなどでよく使われる無線通信です.最近は,人体センサなどの身に着ける小型・軽量機器をスマートフォンとつなげる使い方が増えています.背景には,低消費電力通信向けBluetooth Low Energyの登場があります.ここではBluetooth Low Energyが低消費電力な理由や,それを実現するためのLSIの働きを紹介します. さらに10mA以下という超低消費電流LSIを開発したロームグループのラピスセミコンダクタ(株) LSI商品開発本部 無線通信LSI開発ユニット 野田 光彦 氏から低消費電力を実現するための工夫を伺いました. ラピスセミコンダクタの野田 光彦氏 ●Blu
2月号特設記事において,複数箇所に誤植があったため,12月26日に訂正済みPDFを公開しました.紙版購入者の方は,下記より訂正済みPDFをダウンロードできます.24日にダウンロード版(PDF版)を購入された方は,マイ・ライブラリから更新版をダウンロードできます.お詫びして訂正致します.なお,下記zipファイルの解凍パスワードは121ページ右列最下行にあるアルファベット10文字です.
920MHz帯の特定小電力は,よく使われている2.4GHz帯無線と比べて通信距離が長く,屋外で数100mは届きます.伝達速度も100kbps以上が可能で,スマートメータやHEMS※1等への応用が期待され注目を集めています. また,業界団体「Wi-SUNアライアンス」よりHEMS向けの規格も出されています.すでにスマートメータやWi-SUN※2に対応した無線用LSIがロームグループのラピスセミコンダクタから発売されており,今夏にはWi-SUN対応の無線モジュールがロームより発売されます.ラピスセミコンダクタ株式会社 LSI商品開発本部 無線通信LSI開発ユニット 工藤 康氏からお話を伺いました. ※1:HEMS(ヘムス):Home Energy Management System ※2:Wi-SUN(ワイ-サン):Wireless Smart Utility Network ラピスセミコンダ
この夏,チャレンジ!中学生でも開発可能なM2Mシステム Part3 ―― 3G通信モジュールとクラウド・システムの連携[応用編] 高本 孝頼 ●(4) クラウドxivelyを閲覧 それでは,前章でアップしたセンサ値が無事,クラウドxivelyにアップされているかを見てみましょう.ユーザIDとパスワードでLOG INし,先ほど定義したDevicesのところを選択します(図11). 図11 LOGIN後のトップ画面でのデバイスの選択 図12中で,「Feed URL」を選択し,さらに「Graphs」を選択することで,グラフが画面上に表示されます. 図12.センサ値のグラフ表示 図13にあるように,表示系の選択が,「5分間」,「30分間」,「1時間」とでき,センサ・データがアップされた時間で表示されます.さらに,平均でのセンサ・データ値を,「6時間」,「1日間」,「7日間」,「1ヶ月間」,「3ヶ
5.割り込み処理を理解する マイコンは動作クロックに従って命令コードを取り出し,実行します.この処理は,各命令ごとに決められたクロック数で行われます.従って,同じソフトウェアでも動作クロックの周波数を高くすれば高速になり,低くすれば低速になります.マイコン内部の時間の流れは,外界の時間の経過とは無関係に,動作クロックで決まります.ある命令を外界の時間に合わせて実行しようとすると,命令コードだけではうまくいきません. また,マイコンの動作は人間や機械などから見れば,極めて高速です.外界の時間に合わせて動作するソフトウェアを作るには,無駄なループで長い待ち時間を作って,マイコンの方を待たせなければなりません. この問題を解決する有力な方法として,割り込みが用いられています. ● 外部からの信号で起動する割り込みの仕組み 割り込みとは,あらかじめ用意したサブルーチンを,外部からの信号によって起動
オープン・ソース・ハードウェアをいかに活用するか ―― 情報科学芸術大学院大学(IAMAS) 小林 茂氏に聞く Tech Village編集部 Arduinoの登場と普及によって,オープン・ソース・ハードウェアという概念が広く知られるようになりました.ここでは,Arduinoとほぼ同時期に,オープン・ソースのマイコン・ボード環境「Gainer」を開発した情報科学芸術大学院大学(IAMAS)の小林 茂氏に,Gainerの開発の経緯やArduinoとのかかわり,オープン・ソース・ハードウェアがもたらす効果などについて伺いました(写真1). (同氏への前回のインタビューはこちら) 写真1 情報科学芸術大学院大学(IAMAS)の小林 茂氏 ●知識がなくても「ハードウェアの壁」を越えられる ―― Gainerを開発した経緯について教えてください. 小林氏:もともとGainerは,当校のデザインやアー
USB 3.0(SuperSpeed USB)は,最大5Gbpsのデータ転送速度をもつインターフェース規格です.2008年11月に正式に発表されました.USB Implementers Forum, Inc.(USB-IF)が仕様の策定や管理などを行っています.SSD(Solid State Drive)をはじめとするストレージ機器や高解像度のディジタル・カメラ,Webカメラなどに利用されると期待されています. ここでは,USBの基礎知識,およびUSB 3.0関連の情報を紹介します. ●CQ出版社の関連書籍・キット more..
フィジカル・コンピューティングと「プロの世界」がつながっていく ―― Tech Village新春インタビュー(6) Tech Village編集部 Tech Village「組み込みネット」では,新春特別企画として「2014年,組み込み技術の展望」をお届けします.第6回は,情報科学芸術大学院大学(IAMAS)の小林 茂氏(写真1)に,フィジカル・コンピューティングから見た2014年の組み込み市場の動向についてお話を伺いました. 写真1 情報科学芸術大学院大学(IAMAS) 産業文化研究センター 准教授の小林 茂氏 ―― 組み込み技術とフィジカル・コンピューティングの違いは何でしょうか. 小林氏:組み込み技術とフィジカル・コンピューティングの違いは,「プロの世界」と「趣味の世界」というように見られていると思いますし,実際そうだと思います.組み込み技術は,製品やシステムなどの決められた制約の
Tech Village「組み込みネット」では,新春特別企画として「2014年,組み込み技術の展望」をお届けします.第5回は,東陽テクニカの二上 貴夫氏(写真1)に,2014年の人材育成についてお話を伺いました. 写真1 東陽テクニカ ソフトウェア・システム研究部 技術主管/部長の二上 貴夫氏 ―― 2013年は,人材育成という観点で見るとどういう年でしたか? 二上氏:組み込みソフトウェア技術者が「何を学べばいいのか」を一口に語るのが難しくなってきました.2010年くらいまでは,UML(Unified Modeling Language)を勉強しなさい,フォーマルな仕様記述(形式手法)を学びなさい,で済んでいました.また,抽象度の高い設計だけで終わるのではなく,C++やC言語で記述したプログラムがコンピュータの中でどう動いているのかも勉強するべきだ,という機運が高まり,日本人による,日本語
モジュール全盛期には下回りの「つなぐ」バス技術をしっかり押さえよう ―― 組み込みネット新春インタビュー(4) Tech Village編集部 Tech Village「組み込みネット」では,新春特別企画として「2014年,組み込み技術の展望」をお届けします.第4回は,合同会社もなみ屋の邑中 雅樹氏(写真1)に,2014年の組み込みシステム開発についてお話を伺いました. 写真1 合同会社もなみ屋 代表社員の邑中 雅樹氏 ―― 組み込みシステム開発という観点で,2013年はどのような年でしたか? 邑中氏:小破壊はありながらも成熟に向かう1年だったかと思います.海外半導体メーカが大量投入する廉価な評価ボードや,Arduino,Raspberry Piといった教育用ボードのスペックが上がり,小ロット品に十分使えるようになったことで,ボードの価格破壊が起こりました.mrubyや組み込みAndroi
新年明けましておめでとうございます.昨年中は組み込みネットをご覧いただき,誠にありがとうございました.2014年も引き続き皆様からのご支持をいただけるように,スタッフ一同がんばってまいります! 今年も,新春特別企画として,2014年の組み込み技術に関連する市場や動向がどのように変化していくのか,組み込み関連企業や団体の方々に2014年の市場や動向について話を伺いました.また,昨年の11月に開催されたEmbbedded Technlogy 2013(ET2013)で「ETアワード2013」の受賞企業にも,2014年の市場や動向について伺っていますので併せてご覧ください. 本企画が皆さまの今年1年の活動のヒントになれば幸いです.(Tech Village編集部) ●「ETアワード2013」受賞企業からの2014年の動向 第1回 名古屋大学 車載システムは機能安全やセキュリティが大きなキーワード
この夏,チャレンジ!中学生でも開発可能なM2Mシステム Part3 ―― 3G通信モジュールとクラウド・システムの連携[応用編] 高本 孝頼 Tech Villageでは,8月23日(金)応募締め切りの「3Gシールド・アイデア・コンテスト」と9月7日(土)開催の「3Gシールド・カンファレンス」に企画・運営で参加している.そこで,今回のコンテストとカンファレンスの中心となる「Arduino」と「3Gシールド」について3回シリーズで解説する.今回は,Arduinoとセンサを活用し,収集したデータを3Gシールドからクラウド・システムへ連携する解説を行う.この夏,3G通信モジュールとArduinoを使って何か開発してみては・・・(Tech Village編集部) ●無償のクラウド・サービスxively Part3では,Arduino+3Gシールドを使い,Arduino上のセンサ値をクラウド・シス
ここでは設計書を作成する際のポイントについて述べる.新人研修などではきちんと設計書を作成してからコーディングを行うように指導されるが,実際の製品開発では設計書の作成が軽視されていたり,きちんと保守されていないケースがある.本稿では設計書に求められる要件について説明する.また,設計書の表現形式として,ブロック図やフローチャートを利用する際の問題についても議論する. (編集部) 技術解説・連載「新人技術者のためのロジカル・シンキング入門」 記事一覧 第1回 いかにしてバグの原因を突き止めるか 第2回 プログラミングにおける良いデータ構造 第3回 「必要とされる設計書」の作り方 第4回 直したバグがゾンビのごとく復活する 第5回 ソース・コード規約の作り方 第6回 ハードウェア基礎の基礎 第7回 「ひたすら流すだけのテスト」にさよなら 第8回 CPUの演算量をひたすら削る 第9回 メモリ転送速
ここでは,100Mbpsを超える高速シリアル・インターフェースが台頭した技術的背景と,機器開発者に要求される基本的な知識について解説する.例として,最大データ転送速度が480MbpsのUSB 2.0ハイスピード・モードを取り上げる.仕様書の読みかたや用語,従来のUSB規格との相違点などを説明する. (編集部) RS-232-Cに代表されるように,これまでのシリアル通信は装置間のインターフェースで多く用いられてきました.ところが,最近ではパソコンの周辺機器の接続にもUSBやSerial ATA1),PCI Express2)といった高速シリアル通信が使用され始めています.加えて,装置内のプリント基板を接続するバックプレーンにもシリアル通信が採用されています. 1.高速シリアル通信のためのハード技術 シリアル通信は,異常の検出と予備ラインへの切り替えが簡単です.そのため,戦闘機を含む飛行機で
この夏,チャレンジ!中学生でも開発可能なM2Mシステム Part1 ―― 3G通信モジュールとArduinoを使ってなに作る? 高本 孝頼 Tech Villageでは,8月23日(金)応募締め切りの「3Gシールド・アイデア・コンテスト」と9月7日(土)開催の「3Gシールド・カンファレンス」に企画・運営で参加している.そこで,今回のコンテストとカンファレンスの中心となる「Arduino」と「3Gシールド」について3回シリーズで解説する.中学生もわずか1日足らずの実習で3G通信を活用した広域無線機器の開発がスタートできるらしい.この夏,3G通信モジュールとArduinoを使って何か開発してみては・・・(Tech Village編集部) ●電気・電子の知識が無い人でも,短期間で使えるArduino オープン・ソース・ハードウェアのArduino(写真1)は,今や世界的なブームとなり,試作やホビ
ウェアラブル心拍センサで見守りから居眠り防止まで ―― ワイヤレスジャパン2013,運送システムEXPO 磯野 康孝 2013年5月29日~5月31日,モバイルおよびワイヤレス技術の専門展示会「ワイヤレスジャパン2013」と,安全運行,環境・エネルギー,ICTをテーマにした運輸産業向けの専門展示会「運送システムEXPO」が,東京ビッグサイト(東京都江東区)において開催された(写真1).主催はリックテレコム.同時開催のビジネス・マッチングのイベント「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2013(WTP2013)」を含めた3日間の総来場者数は45,003人. 写真1 会場受付の様子 ●超小型ウェアラブル心拍センサで体調管理 ユニオンツールは,胸に張り付けて使用するウェアラブル心拍センサ「myBeat」のデモンストレーション展示を行った(写真2).本製品は,約4cm角のセンサ部「WHS-1」と,パ
●スタックへのアクセスにはフレーム・ポインタを利用 では,変数部をスタックに確保しながら具体的にどのようにプログラムが動いていくかを説明します. ここで関数factの引き数は,この変数部に格納されて呼び出されることとします(関数の引き数をどう渡すかはコンパイラに依存する).さて,プログラムがこの関数factの計算を行うには,引き数のほかにどのような情報が必要でしょうか? プログラムは,fact(1)の計算をするためにfact(1)の変数部に着目して動きますが,fact(1)の計算が終わったら,fact(1)を呼び出したfact(2)の変数部に着目して動く必要があります.そのための情報,つまり,fact(2)の変数部の始まる場所(これをベース・アドレスと呼ぶ)を知っている必要があります.スタックの場合はデータを0番地方向に(図1-3で言えば上方向に)積んでいくのが習わしなので,具体的にはfa
デバイス古今東西(50) ―― 電子デバイス vs. 電子部品,なぜ日本の電子部品は好調なのか? 山本 靖 スマホやタブレット端末に代表される世界市場の携帯電話,およびクラウド・コンピューティングの世界では,日本の「電子デバイス」が不調であるのとは対照的に,日本の「電子部品」は存在感を増しています.なぜ日本の電子部品は好調なのでしょうか.その理由としては,「日本の電子部品メーカは同族・ファミリ企業が多く,経営層にリーダシップがあること」,「材料から製造装置までの内製率が高いこと」,「海外生産比率を6割以上に高めて,超円高ドル安下でも価格競争力を維持できたこと」,などが考えられます. ●電子デバイスと電子部品はエレクトロニクスの縦糸と横糸 電子技術にかかわる技術者の多くが注目しているのは,半導体技術や実装技術の動向ではないかと思います.半導体技術については,最先端の微細化技術や電子回路の集積
Gbpsクラスの高速信号伝送を包括的に理解するために必要となる基礎知識についてまとめた解説記事の後編である.今回は,終端抵抗を考える際に必要となる伝送路の特性インピーダンス,実際の終端方法,高速伝送のためのコーディング方式,SerDes(シリアライザ/デシリアライザ)回路,イコライザによる信号波形の補償について解説する.(編集部) ●テスタでは測れない特性インピーダンス 前編で示したように,終端抵抗は伝送路の特性インピーダンスとのマッチングを取り,信号の反射を防ぐために使用します.では,伝送路の特性インピーダンスとはなんでしょう? 入力終端抵抗が存在せず,波長に対してある長さ以上の伝送路では,図1のように入力終端部分で信号が反射し,出力端へ戻っていきます.出力がLowからHighに遷移したとき,ハイ・インピーダンス入力端でのプラス側への信号の反射(オーバ・シュート)と,伝送路を伝って低イン
組み込み向けリアルタイムOSの基礎知識 ―― プログラムの実行およびコンピュータ資源を管理するOSの種類や機能を整理する 斉藤 直希 最近の組み込みシステムでは,ハードウェアとアプリケーション・ソフトウェアの間に位置づけられるOSを使うことが多くなってきている.ここでは,組み込みシステムでよく使われるリアルタイムOSについて,ハードウェアの開発者にも知っておいてほしい基礎的な事柄を解説する.(編集部) 「組み込みシステム」はさまざまな表現で定義されています.ここでは各種の機器に組み込まれて,その制御を行うコンピュータ・システムとします.つまり組み込みシステムとは,日常皆さんが使うパソコンと同じ原理で動作する一種のコンピュータ・システムのことです. 動作原理こそ同じですが,組み込みシステムは特定の目的に特化されるという点に特徴があります.従ってシステムの設計段階で必要のないものは削られ,必要
特集 プロローグ モニタ直結!DーAコンバータやトランスミッタはもう要らない ビデオ・インターフェース完全ディジタル時代到来
ここでは,カーマーカー(Karmarker)特許紛争の当事者の一人である今野 浩 氏とその著書『工学部ヒラノ助教授の敗戦:日本のソフトウェアはなぜ敗れたのか』(青土社,2012年12月刊)をよりどころとして,日本のソフトウェア技術が弱体化した原因を紹介します.これは,米国の知財戦略,産官学一体となった歴史的ハードウェア偏重主義,ソフトウェア中心の計算機科学の世界における紛争や政治的力学と関係しています. ●数学・アルゴリズム特許に異議申し立てを行った今野 浩 氏 1990年代後半,日本でも数学公式が特許になりそうだったことを知って驚がくした記憶があります.それは,日本におけるカーマーカー特許論争です. 米国で1988年に特許が与えられていたカーマーカー法は,線形計画問題に適用される基本的な数学公式です.線形計画問題とは,簡単に言うとN元1次方程式を解く問題です.応用例としては,セールスマン
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